里芋・八ツ頭の育て方・貯蔵方法【地域に根付く、田んぼイモと呼ばれます。】

サツマイモ・サトイモ

福井県にも大野市上庄地区に「大野芋」=「上庄里芋」と呼ばれる伝統野菜があります。
その特徴は子芋がしがみつくように強くくっついている事から別名「親責」とも呼ばれ、孫芋がやや小さめで丸く、肉質が非常に緻密で固くしまっており、煮崩れしにくく、食べるともちもちとした独特の歯触りを持っています。

「高級な里芋として流通。」種いもの選抜は各農家によって行われているが、優良種芋の選抜方法が徹底されています。
また、種イモの販売もされており、誰でも購入できますが、その大野で栽培されたものではないので「その味が出ないと言われています。」

ココでは、里いもの特徴と栽培のポイントについて掲載しています。福井県では一般の家庭菜園でも栽培しています。
また、福井県の伝統野菜である「大野芋」その貯蔵方法もご紹介します。

里芋の育て方

里芋の品種

里芋は古くから栽培されていて品種は非常に多い(100種類以上)。地域性があり、その土地でなければこの味が出ないなんて言われることも多いですね。

日本で栽培されている、一般的なものは「えぐイモ」「土垂」「石川早生」「大野芋」などの小イモ専用種。

「赤芽」「大吉セレベス」「唐芋」「やつ頭」などの親子兼用種が多く栽培されています。

「八ツ頭里芋」は茎の部分を食べることができ「ズイキ」になります「すこ」と言う郷土料理ですね。

里芋の特徴

里芋のイモと言っている部分は茎が肥大した球茎です、大部分はデンプンです。

一般的には頂芽がが伸長し、根元が肥大したイモが親芋となります。

親芋の側芽が伸長して、基部分が大きくなってそれが、子イモ

子イモの側芽が伸長して、基部分が大きくなるとそれが、孫イモになります。

里芋の生育

高温多湿条件下では、良く生育します

水に非常に強い。発芽温度は25℃~30℃位、最低温度は15℃です。

北海道や東北北部では、寒すぎて栽培に適さないので面積は少ない傾向があります。

里芋は、乾燥に非常に弱く、多湿を好みます。

とても水を好みます。

私の町では「田んぼイモ」と呼ばれる位、水田裏作で里芋を作ります。

特に耐水性は強く1週間位、水が溜まった状態でも生育に支障をきたすことがありません。

これは海外ですが、この光景を見れば水に強い水を好むのが解りますね。

特に早生品種では乾燥の害がひどい傾向にあります。乾燥を防ぐことできればどこでも栽培できます。

↓画僧は水が十分に当たっている畑です。多くな葉で、太く背丈ほどにもなります。

乾燥による里芋の被害(マルチも剥がれて乾燥が著しい)

上の画像とは比較して↓画像は、茎が細く、葉の色も淡い黄緑色です。肥料が無いような姿です。

サトイモは乾燥に非常に弱い。

(こんなにも生育が違います)

里芋の種イモの選び方

種イモは、芽がしっかり確認でき、できるだけ大きい物を選ぶ

〇種イモは30~80gあった方が良い。

〇線虫、乾腐病、⿊斑病などに罹病なし。

〇芽つぶれ症や裂開症が無いもの。

貯蔵中に里芋の芽が腐っている。無いという場合がありますできる事なら催芽させてから植えつけます。

催芽の方法

催芽とはあらかじめ発芽させることを言います。発芽を揃えるために行いますが特に無理してする必要はありません。

籾殻の中に種イモをうずめ、芽が3cm程度伸長するように1カ月弱20〜30℃を保って管理します。

里芋の植え付け場所

土の適正も幅広いので石灰等は必要ありません。日当りがよく、やや粘土質の土壌が適しています。

里芋の土かけ「覆土」

新芽の基部が暗くないと塊茎部が肥大しない特徴があります。

植えつけする時には、覆土が5〜10cmになるような深さまで土を掘り芽を上に向けて種イモを植えます。
マルチ栽培では土かけをしないので、15cmほどの深さに種イモを植え付けます。

あまりにも深く植え付け過ぎると出芽が遅れてしまうので注意しましょう。

里芋の植えつけ時期

福井県では5月中旬の暖かくなった頃。サトイモは寒さに弱い(15℃以上)です。

またマルチをして保温と肥料が流れないようにしましょう。

この画像は2条植えにしています。

芽ある事を確認しながら植えつけてください。

1条植えの場合は70~80cmほどの幅の畝を作り、10cm程度の溝を作っておきます。

2条植えの場合は畝幅を100cm程度とします。
株間は30~40cm程度あけ、深さ10cm位のところに芽を上に向けて植えつけます。

6月に、石川早生が芽を出しました。

コチラは八ツ頭里芋です。

管理方法

栽培期間中は表面が乾かないように、土が湿っている状態にしてください。
乾燥に弱いので水やりは地面が乾いたらたっぷり与えてください。敷き藁などを行なうと乾燥を防ぐことができます。

サトイモの土寄せ、追肥

生長に合わせて土寄せを行ないます。

草丈が30cm程度になった5〜6葉期のころに除草と追肥を兼ねて1回目の土寄せを行ないます。

土寄せの目安は5cm程度株元に土をのせていきます。

その後、6月中旬頃と7月中旬頃に10cm程度、マルチの植え穴に土をのせていきます。

サトイモは追肥を必ずしましょう。

土寄せを行なう際には合わせて追肥を併せて行なうようにしましょう

有機肥料なら1㎡当たり50g~100g程与えます。

追肥と土寄せは子イモの肥大を促す大切な作業です。イモが見えていると大きくなりません。また、水が必要ですが、水はけが悪い圃場では、肥料分が流れ里芋の肥料養分が切れていることがあります。

重い土で土中の塊茎を圧迫し過ぎないように注意しながら、根を切らないように土寄せを行います。

黒マルチ栽培では除草効果も高く、夏以降の地温の上昇も抑えます。土寄せを行わずに最後までマルチをしたまま栽培を行います。

サトイモの収穫の方法

よく晴れた日、寒くなる前に収穫!

早いものであれば9月中旬頃、他は10月中旬頃から収穫ができます。

サトイモは寒さに弱いので霜が降りると傷んで腐敗していきます。収穫は霜が降りる前の晴れた日に行うようにしましょう。

収穫方法は、茎を根元から切り取り、株の周りをクワやスコップなどで掘り起こし、芋を傷つけないように手で取り出します。

親芋の周りに子芋と孫芋が寄り添うようにできていきます。

これを切り離してしまうと腐敗しやすくなるので、保存をする場合は塊のまま少し土を払った状態で保存すると良いです。

自宅で保存する際は塊のままで、土をつけたまま新聞紙や紙袋で包み、気温5℃以上の風通しの良い場所に保存しておきましょう。

ただし、乾燥に弱いため長くは保存できません。

サトイモの貯蔵する方法

貯蔵するには土付きのまま、サトイモを貯蔵します。

1つ1つバラバラにすると切り口から腐敗しやすくなります。

車庫の地下室に11月~5月まで貯蔵します。

水が浸入しないようにすること

貯蔵温度は、5℃程度

 

洗った芋は冷蔵庫で保存して、早めに食べるようにしましょう。

親芋も子芋も保存しておくと種芋として利用することも出来ます。

貯蔵する方法

掘り上げた後のサトイモを7〜10日ほど乾燥させ、8℃前後の貯蔵庫で長期保存することができます。

乾燥が不十分だと、結露が発生して腐敗しやすくなるので注意しましょう。

種イモの貯蔵

病害虫におかされていない、形の良い良質な株を土つきのまま来年4月頃まで貯蔵します

貯蔵する種イモに傷をつけないように、子イモは親イモから離さないようにします。出荷用のサトイモ同様に温度が6℃以下にならないように注意しましょう。

農家の農舎には芋穴があります。「サツマイモや里芋を冬の間、貯蔵するために、小屋の一部1㎥の地下室があります。」ビニルシートと藁やもみ殻で結露を防ぎます。

「大野芋」の各生産農家さんはコレの5倍位の大きさの芋穴に里芋を貯蔵していまいた。

地下は、四方コンクリートで固めてあり、保温性があり、0℃以下の低温にはなりませんから、野菜の貯蔵に重宝しています。

「八つ頭」は普通の里芋と違い、茎が赤いので見分けられます。

また八つ頭は、八つの頭が寄せ集まったような平べったい芋で、柔らかく、ホクホクした食感でねばりは里芋ほどありません。

芋だけでなく、赤い茎も食べられます。イモガラともズイキとも呼ぶようです。


種芋は小芋「八ツ子」を使います。下に付く小芋です。料亭で使われる高級な里芋です。育て方は里芋と全く同じです。
私の家では芋よりもむしろ茎の方が好きで育てているほどです。

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