イチゴの構造と露地栽培の方法【株分け動画あり】

イチゴの構造と露地栽培の方法【株分け動画あり】

イチゴ苗を購入してからの育て方

イチゴは施設栽培が主流になって、11月頃から本格的に並んで1年中栽培されています。

ここでは、外の畑(露地栽培4~5月の収穫)の初心者向きにイチゴ栽培を紹介します。

自家用にイチゴを作っている方は多いですね。収穫期間が短いのに熱心にイチゴを育てるのは、

イチゴって、めっちゃおいしい‼

これが最大の魅力です。

普通にイチゴ栽培するのに、そんなに難しくありません。簡単です。

しかし、付加価値の高い商品・品種にしようと思うと急に難易度が上がる野菜です。

1粒 500円以上のイチゴあり、なし?

クリスマスシーズンからイチゴ、大粒の甘いイチゴの品種を特殊な品種や時期に出荷するとなると、電照栽培、予冷苗、そして暖房機による保温管理などの技術や施設、とってもコストがかかるからなんです。

難易度が急に高くなるイチゴ「旬を変える」のガチな技術の事

*深くは書けません。が後ほど解り易く解説します。

イチゴの休眠をコントロールして栽培しています。これらはイチゴの品種は作型別に明確に使い分けられています。

促成栽培:休眠導入前に保温して矮化を回避して連続的に花房を誘導します。
半促成栽培:休眠覚醒前に保温半休眠状態で連続的に花房を誘導します。 イチゴが休眠する11月中旬以前に温室栽培を始めるとイチゴは寝ぼけて半休眠状態になります。この状態ではイチゴは花を咲かせ実をならせることをずっと続けます。

株冷蔵抑制栽培:十分量低温遭遇後に冷蔵し高温期に定植(8月)・収穫(9月~11月)します。冷涼な秋田県などで行われています。
電照栽培:一定期間、ハウス内を白熱灯などで照明し、イチゴにあたかも日長が延長したかのように思わせ、11月から次年度4月頃まで収穫します。長日反応により休眠が抑制され葉面積が増加します。すると、光合成量が増加し、結果的に果実重量の増加につながります。

休眠、促成とか、矮化とか、花房、言葉だけでも難しそうですね。これは特殊。

それを求めない普通の栽培も十分おいしいし、簡単です。

苗を植えてからの管理は下のポイント3つを注意するだけ。

イチゴは連作がダメ。毎年更新。収穫期間が長くて半月か20日間程度と思って。

イチゴ苗は、宝交早生。ウイルスに侵されていない中苗。

冬仕事は、イチゴの葉の下葉取り、春仕事は摘果だけ。

イチゴの特徴

バラ科の多年草、気温は17~20℃と冷涼な気候を好み、夏の暑さを苦手とします。

さらに、根が浅い為乾燥に弱いのです。イチゴは、受粉ができると約30日で収適期となります。

一度植えつけたら植えっぱなしにしてませんか?

同じ株で3年くらいは収穫できますが、多年草ですが、苗は毎年更新しましょう。

「イチゴを植えてその次の春には株も大きくなり立派なイチゴが採れたのに、次の年は小さなイチゴしかならなかった。」

想像するに、多年草であるイチゴのランナーを全く管理しないで、次の年に子株が沢山混在して、株がどんどん弱く、実が小さくなったと推測します。

また、苗自体ウイルスに侵されている可能性がありますね。

毎年更新、できれば畑の場所も変えましょう。

苗選び

イチゴにはたくさんの種類があります。
おススメは、昔ながらの「宝交早生」外の畑(露地栽培)にはもってこい。
宝交早生は病気に強く、収量の多い露地イチゴでは最高の品種です。
最近の品種(有名な品種)は、ハウスなどの施設で作る品種が多いです。
外で育てることができますが、多くならなかったり、病気になったりと露地栽培が非常に難しいです。向いていません。
大きな苗を選ぶ必要はありません。大株は、花が良くさ行きますが、小さな果実になりやすい。中株は花が少ないですが大きな果実になりやすいです。
ウイルスフリー苗(ウイルスがいない部分から無菌状態で培養した苗)なら尚よいですね。
畑栽培の植え付け時期
8月下旬~9月上旬に畑に植えつけます。
移植から約1か月の育苗期間で根量は数倍に増えます。
クラウン(株元の葉が出ているキワの部分・王冠に似ているからクラウンかと)も充実した苗になります。
植えつけ方法
◎クラウンの下が少し隠れる程度の浅植えにします。
花房が通路側に出るよう親からの古いランナーを畦の内側に向けます。反対側にイチゴが成ります。

一季なりイチゴ
春の一度だけ開花結実するイチゴです。
秋から冬にかけの低温・短日花芽でを形成し、春に開花して初夏に収穫する品種です。
一般的に私たちがイチゴとして生で食べているものは、一季なりイチゴがほとんどです。
四季なり(二季なり)イチゴ
春から冬の初め頃まで何度も開花結実するイチゴです。日長にかかわらず花芽ができやすい品種です。
ほぼ1年を通じて次々と実がなります。特に春と秋に良く採れます。
生食はちょっとおススメできません。甘さが控えめなのでジャムなど加工用にした方がよいです。

冬仕事は、イチゴの葉の下葉取りだけ。

古い葉をかいて、次に出てくる葉をでやすくすると、太くしっかりした株になります。

新しい葉が出ると、古い葉はさほど大きくなりません。つまり用済み。

葉がたくさんあると過繁茂になってしまい、いちごが病気にかかりやすくなります。病気を防ぐためにも古い、下の垂れた葉をスッキリさせましょう。

古い葉をとることで光あたりが良くなって生育が良くなり、病気も減り、結果的に収穫量が増えます。

摘花(摘果)作業で大きな実を成らせよう

花が何個かついている房が次々と出てきます。ここで最初に出るのが1番果、次にでるのが2番果というように次々と咲いてきます。

この房をガマンして半分の花にします。

一般的には、イチゴの花房(花が房状に付く部分)ひとつに対し、約10個程度の花が付くのですが~そこにまだ蕾の残る内に、

良い状態の花(奇形でない)を2~4果残しあとは全て落とします。

群がってついているものは小果実ばかり

1番房をツミ、2番果、3番果4番果、5番果に栄養を行き渡らせます以降を摘果します。

小さい花(実)や生育の悪い花(実)を摘み取ることにより、残した花(実)に栄養を十分に与え、株への負担を減らします。

摘花・摘果をしないと、実の数は多くなるものの一粒一粒の大きさはとても小さく、味も劣りがちになります。

摘花(摘果)することで実の大きさが揃い、収穫量や品質が安定します。

開花時期になる頃~ランナーも切ろう

根元からランナーが伸び始めてくる場合があるので、ランナーを切ります。

*これは、大切な養分を果実のなる花に回すため、大切な作業でもあります。
収穫が終わるまでは、適度にランナーを切り続けましょう。

イチゴの苗の増やし方「ランナーを使おう」
親株の株元から、ランナーが長く伸び、その先には~いくつもの子苗ができています。
(1本のランナーに3~4株ほどの子苗ができます)

イチゴ株分け動画で紹介しています。

よろしければご覧ください。培養土を入れたポリポットに2番目以降の子苗を植え付け苗が浮き上がらないようU字型のピンでランナーを押さえつけます。(クラウンの深植え、浅植えに注意しましょう)その後、たっぷりと水やりします。

少し暖かくなり?株が目覚め~葉が少し立ちあがってきたころが追肥の頃。
株の周りに追肥をします。これはあまり必要ないかもしれません。

イチゴの生い立ちと特徴

イチゴが伝来したのは江戸(えど)時代末期で、オランダ船で長崎(ながさき)にもたらされたことから「オランダいちご」と。

しかし、当時、いちごは観賞用で、現在日本で栽培されている食用のいちごは、フランスやイギリス、そしてアメリカなどから導入(どうにゅう)されたものを品種改良したものです。

秋冬の間に光合成によるエネルギーを蓄え、春に花を咲かせて子孫を残すのが、イチゴの生き方なのです。

葉が地表面近くに張り付いている

このように茎がなくて、放射状に葉っぱが広がる、タンポポやスイセンを思い浮かべて下さい。地

面近くに張り付いたように生育する植物をロゼット型「ロゼット植物は茎が短く葉が密集するので、葉っぱが重なるのを防ぎ、放射状に配置しています」と呼んでします。

なぜ、ロゼット植物になるのでしょう。
◎茎をつくるためのエネルギーが節約でき、そのエネルギーを葉や根に回して、光合成によるエネルギーを、子孫を残す栄養補給をしています。
きびしい寒さから新芽を保護するためです。新芽の中にある中心部はかなりくぼんでいますよね。土の高さより低い位置にめり込むようにあるので、芽が凍結しないのです。

イチゴは春の野菜です。ですから、本来の旬は4~5月になります。

なぜ、クリスマスにイチゴが採れるのでしょう?

普通に栽培していても11月に1季成りイチゴは取れません。4月からです。それが11月末からどうしてイチゴが採れるのでしょう。

普通のイチゴを栽培では休眠が関係し開花しません。動物の冬眠と同じような感じと思ってください。ところが、

イチゴ苗に人工的に「冬が来て、春になったと感じさせてあげる」ことで、花が付きイチゴが成ります。

イチゴの促成栽培・抑制栽培は休眠を利用して「冬を短くしたり、長くしたり」して開花を調整します。

休眠とは
生物の生活環における一時期で、生物の成長・発生過程や、動物の身体的な活動が一時的に休止するような時期のこと
この間、生物は代謝を最低限に抑えることで、エネルギーを節約する事。
イチゴは花芽の形成後さらに秋が深くなると休眠に入る。休眠は日長(短日条件)が主要因で始まり、低温により深まる。
休眠開始期は10月上~中旬からで、最も深い時期は11月中旬ころとされている

イチゴに強制的に目覚めさせます。「休眠打破」

イチゴは冬の寒さを体験させられて、その後温室で育てられます、そうするとイチゴは春が来たと勘違いしたまま、生長していきます。

ここでは「休眠打破」もしくはバーナリゼーション「春化」と言います。

「植物が冬の低温状況に一定期間さらされることによって、開花もしくは発芽能力が誘導されること」

こうしてイチゴは冬・春を勘違いして冬が来るころに暖かい温室で花を咲かせ、実をつけているのです。

イチゴの休眠打破の方法

5℃以下の低温に一定の時間を遭遇させます。品種にもよりますが休眠の浅いもので一季成り浅休眠性のとよのか女峰’は 250時間以下中休眠性の‘宝交早生’は 500時間程度、深休眠性の‘ベルルージュ’は750時間程度で、品種によってまちまちです。

休眠打破の具体的なやり方

株冷蔵、7月上中旬に、ランナーを切り離し、ポット等に植え替えて育苗します。標高の高い高冷地で育苗したり、クーラーや地下水を利用した夜冷育苗等が導入されています。

実は、このような技術はイチゴのほかに花に多く使われている「チューリップ」「敬扇桜」なども休眠打破しています。サクラも冬の寒さがあってこそきれいな花を咲かせるのですね。ジャガイモや玉ネギは、休眠打破してほしくないですね。

イチゴの構造

甘くておいしいイチゴ、食べている部分は実ではありません。花びらがくっついていた土台のところ、専門用語で花托と言います。

赤く大きくなった花托の表面にある「ぶつぶつ」あれが種子ですが、花托が大きくなるには種から分泌される成長ホルモンが必要です

イチゴの食用部を大きく生長させるのは「オーキシン」と呼ばれる植物ホルモンが種子から放出されています。

つまり、生長ホルモンは、タネが受粉しないと出てこない

だから、イチゴの片面だけかたまって、ゆがんだ形のイチゴができ、タネが固まっている所は受粉ができていません。

花の中心(雌しべ)に部分が黒くなっていたら受粉に失敗しています。
このままにしていても赤いイチゴにはならない

このようないびつなイチゴ「奇形果」を見つけたら早めに取り除きましょう。

気温が低い時期は受粉を手助けしてくれる昆虫が少ないので、花が咲いたら午前中のうちに、筆や綿棒などで「まんべんなく、丁寧にこすりつけます」受粉してみましょう。

冬のイチゴは温室に強制的にハチを放し、加温させ、タネを確実に受粉させ、大きく、きれいなイチゴにしているのです。

外(露地)栽培しているイチゴは、温室よりずっと遅い4~5月になります。

外には、昆虫が沢山いますので奇形のイチゴが出ることはほとんどないのですが、寒さ、夜露で上手く受粉できない事が有ります。

完熟イチゴの見分け方

ヘタがかぶるようについているもの

コレ!たぶん完熟ではありません。

ヘタが実とは反対にめくれあがっているもの

本当に甘くて適度な酸味のあるイチゴです。ただし、ヘタが大きすぎてめくれ上がらないものもあるので一概には言えません。