ほうれん草の苦み・えぐみの原因は栽培にあった【シュウ酸と硝酸態窒素】

ほうれん草の苦み・えぐみの原因は栽培にあった【シュウ酸と硝酸態窒素】

ほうれん草のえぐみ・苦みは、ほんとうの味⁉

ほうれん草の苦みの原因は「アク」

ほうれん草を食べた時の青臭いにおいとともに、苦い「アク」えぐみ

これは、ほうれん草に含まれる「シュウ酸」に原因があります。茹でるなど下処理をしっかり行えば取り除けるそうですが、

全てではありません。また、栽培の仕方によって原因となる成分の量を減らせます。

 

「茹で時間足りなかったのかな~」

と感じた経験があるでしょうか。

「えぐ味」とも言います。苦みや何とも言えないえぐみに舌全体を覆われて美味しくありません。

「これがほうれん草の味なんだよ」

違いますよ。健康のために緑黄色野菜を取って不健康になったら、本末転倒です。

摂取しすぎると「尿管結石」なっちゃうよ(笑)

ほうれん草の苦み・えぐみの原因は「シュウ酸」

ほうれん草を食べると、口の中がキシキシして独特のえぐみ・苦みを感じることがあります。

これは、ほうれん草の「シュウ酸」という成分が原因。

ほうれん草に含まれるシュウ酸と口内のカルシウムが結合「シュウ酸カルシュウム」に変化して微細なトゲトゲ結晶が口内に残ることで不快感が残ります。

このシュウ酸は厄介な成分で、口の中ではえぐみとなり、吸収されたあとに体内のカルシウムと結びつき、結石の原因になると言われています。

ただし、シュウ酸は下処理をしっかり行えば約7割が取り除けるそうです。下処理はしっかりと行いましょう。

「乳児にほうれん草を生で食べさせるな」ともいいますよね。

↑コレが原因の【シュウ酸の結晶】収穫時期のほうれん草の葉の表面に付着蓄積してきます。

朝日新聞の記事によると

「医学論文を検索し「シュウ酸の摂取と腎結石のリスク」という論文がありました(この場合、腎結石と尿路結石はほぼ同じものと考えていいです)。

アメリカ合衆国で行われた、10万人規模の男性医療従事者および女性看護師を対象にした大規模な研究です。

食物摂取頻度調査を行ったところ、食事由来のシュウ酸のおおよそ40%がホウレンソウ由来でした。ホウレンソウ以外のシュウ酸摂取源は、ジャガイモ、シリアル食品、オレンジ、ミックスナッツ、コーヒーなどでした。」アピタル・酒井健司さん参考引用「

えぐみを取る方法について

として食べるときに工夫することでえぐみを抑える方法がよく行われています。油を使うことで舌に接触しないようにしたり、にがりを加えてゆでる事でなくなるらしいです

サラダほうれん草という品種やスーパーではサラダにほうれん草を使っている所もあります。これも私的にはグレー商品だと思います。

確かにほうれん草はサラダで食べることができます。しかし、先に述べたようにほうれん草にはシュウ酸がつきもの。

表面のシュウ酸を洗い流したとしても、内部にも含まれます。「そういう品種」「水耕栽培」だとして柔らかくサラダにしても食べれます。

シュウ酸が入っていないから安全です。とは違います。そこを理解しておく必要があると思います。

私の作っているほうれん草は「甘いし、美味しく食べれますけど茹でて。さっと湯がいてください。

ほうれん草と「シュウ酸の過剰」は「窒素肥料の過剰」

私は、ほうれん草を栽培して「BLOF理論」というものに出会いました。

ほうれん草のシュウ酸の蓄積は、「硝酸態窒素の過剰摂取」です。

これは栄養分析をしてみたら、分かったことがありました。

失敗して分かった事。野菜の栄養分析と診断。その結果は!【家庭菜園】

 

こうすると苦くなる「ほうれん草」を理解し、美味しいほうれん草を作りたいと思っています。

ほうれん草の生育の特徴を見れば美味しいほうれん草の作り方が見えてくる

なぜ、ほうれん草は「シュウ酸」が蓄積されるのでしょう?

ほうれん草の特徴を一言で言えば

「ド真面目・バカ正直」

〇ほうれん草は肥料が大好きです。どんどん肥料を吸って成長します。

〇ほうれん草は乾燥が大好きです。直根性なので、一旦根が張ってしまえば深く地中に根を張るので土の表面が乾いてもへっちゃらです。

〇ほうれん草は寒さが大好きです。生育適温は15~20℃で、氷点下でも枯れません。むしろ元気です。

条件が揃えば、肥料を沢山吸収して、どんどん成長ます。

ほうれん草の窒素肥料を施した量とシュウ酸は正の相関があると学術論文では報告されています。

しかし、窒素濃度の調節によりホウレンソウのシュウ酸含量を低下させることは困難と判断され、一方では、窒素の形態によってシュウ酸、硝酸 含量は変わる。

つまり、硝酸態窒素とアンモニア態窒素の施用を調節することによりシュウ酸、硝酸含量の低いホウレンソウ栽培が可能です

簡単に言えば、硝酸態窒素を少なくすることでシュウ酸が少なくなるという事です。

が、そう単純にはいかないのが農業と痛感してます(*_*)

現在市販されているほうれん草どうでしょう。

えぐみの無いほうれん草は市場には少ない。消費者にはわからない。

市場のほうれん草は「緑が濃くて、1株1株が大きい」です。

なぜなら、ほうれん草を作る生産農家、外国の輸入品は、経営上、生産性をあげ、収量を確保するために努力しています。

「美味しいほうれん草・硝酸態窒素の少ないもの」を作ったとして、どれだけの収益・利益が出るでしょうか。

農家の事情

ほうれん草に占める生産費のほとんどが、収穫と調整です。つまり、人件費。

ほうれん草自体単価が低い為、たくさん収穫して、たくさん出荷しないと経営が成り立ちません。

「沢山作って沢山売たい」そのため、農家はどうするでしょう。

その為に何をするのか?肥料を与え、早く成長させ、色の濃いほうれん草を栽培をします

問題なのが、肥料です。与えれば大きくどんどん成長するのでついつい多く与えてしまいます。

こればかりはしょうがない。

消費者が意識してそのような農産物に価値を与えないと、

比較して選ぶ事をしないと変わらないと思います。

そうすると硝酸態窒素が蓄積しシュウ酸が多くなるという結果にながります。

現在の日本のほうれん草の「硝酸態窒素」の食品安全はどうなっているのでしょう

食品安全に関するリスクプロファイル

出典:農林水産省:食品安全に関するリスクプロファイルシート

上表「日本食品標準成分表」に記載されている野菜中の硝酸イオン濃度(文部科学省)では

ほうれん草は、0.2gNO₃/100g以下に設定され

上表市販の国産野菜中の硝酸態窒素含有濃度(2002-2004 年度)(独)農林水産消費技術センター(当時)が、市販の国産野菜に含まれる硝酸態窒素の含有実態を調査では

サンプル数 208
平均 3070
中央 2990
最大 9220

と適正範囲です。ですが、

海外はどうでしょう。EUの基準は

生鮮ほうれん草   3500以下

加工冷凍ほうれん草 2000以下

結構ギリギリ、場合によってはアウト(*_*)

しかも、農家が野菜の硝酸態窒素を調べ記載する必要はありません。あくまで基準。

まとめ

〇植物の必要な養分である窒素を根から水と一緒に吸収します。化学肥料であれ有機肥料でどんな肥料であれ、植物は無機質の硝酸態窒素を吸収します(当然、例外もあります。)

〇ほうれん草のえぐみ・苦みは「硝酸態窒素の過剰」=「シュウ酸の蓄積」で起こります。

〇ほうれん草の食品安全に関するリスクのガイドラインは国によって違います。強制力はありません。

ただし、肥料の種類・作る時期によって植物が吸収する硝酸態窒素の量が変わってくるのです。農業でもこの分野は多種多様な要因が関係してくるので解明できないといわれています。