田植え作業を楽しもう。動画あり【水稲栽培技術・田植え機・田植え体験】

田植え作業を楽しもう。動画あり【水稲栽培技術・田植え機・田植え体験】

水稲の田植えも後半になりました。田植え作業をしている皆さんは忙しそうで声もかけるのが悪い気がします。本当は田植えって達成感あるし楽しい作業だと思うんです。

急ぐ理由は理由は適期に植えないといけない。土地利用を主とする水田ではどれだけ面積をこなす事ができるか。機械をどれだけ活用できるかによって収益が変わってくるからなんですね。

こんな田植えも楽しいですよ。

「はじめての田植え機体験」

先日コ〇ナの自粛解除となり、少人数で1組(笑)。ミニ「田植え体験」を開催しました。

田植え作業を楽しもう。

子供に誘われ「もう一回、もう一回」なんだかんだで

「え~」と言いつつもお母さんもまんざらではなさそう。

教えてるお兄さん「曲がってもいいよ」「沢山植えれるからね」

みんなに笑顔がこぼれます。なんとも微笑ましい光景です。

田植えは仕事ですが、食や暮らしと密接に結びついているのを改めて感じました。

田植え作業は5月中に行うのが基本です。また、天候や苗の大きさや根の張り具合によって早くなったり遅くなったりします。だから慌てるんですね。けれど品種がコシヒカリを中心に栽培して分散できていない、早生、中生、晩生と品種を分散しても大規模化によって労働時間が増えたのでしょう。皆さん、安全運転で気を付けてお願いします。

今回は田植えの基本についての話です。農業には地域性がありますので、多少栽培が違うと思います。なので知識として参考にしていただけると嬉しいです。最近、稲作で変化が大きいのは、農業機械のAI化、ロボット化です。

以前の記事、農業の近い未来 分かり易く解説【北陸ブロックスマート農業サミット】を参考にしてください。

とにかく、自動、ロボット化です。昔は機械操作もオペレーターの腕によって違いが出ました。きれいに均一にしたり、真っ直ぐ植えたり、今となってはすべてロボット化、人がいらなくなる時代が近いかもしれませんね。それでは田植えについてお話したいと思います。

田植えをする前の作業の手順は、畔塗り荒おこし代掻き(整地)→田植えですが、省略しますね。いずれまた、

田植え作業のポイント

苗の管理の仕方

苗の状態↓の苗は良い状態です。葉の色は、濃い緑。太くてがっちりした苗、白い根がびっちりある。

田植え機で植える苗は↓以下の大きさを参考にしてください。

育苗日数 苗丈(cm) 葉数 第1葉鞘長
18 12 2.0 3.5~4.0

・灌水は午後はしない。(徒長の原因になります。ふわふわした感じの苗はこれが大きな原因です)
・発芽苗(4月13日~4月29日)から見ると育苗期間20日稚苗4月23日から始まり、5月29日までに田植えを終える計算になります。それ以降は中苗(4枚)成苗(5枚)となります。
有機栽培用の有機肥料を用いた培土は20~22日で肥料切れが始まります。25日を過ぎても続けて育苗管理する場合は、追肥をしましょう!特にプール育苗では、有機肥料100%の液肥を使う必要があります。私は「魚の粕が液状になった物」フィッシュソリュブルをつかっています。肥料の効きがよいです。

・田植え作業は1か月ほどかかります。その期間が長引けば苗が老化したり徒長したりするので、苗も順に育てるのですが特に5月中旬以降は苗の水管理が難しくなります。苗が水分を良く吸収し、天候によっては乾きます。乾くと苗は針のように「ツンツン」した状態になり、褐変して枯れていきます。苗箱が傾いていたりすると水の行き渡り方が違うので要注意。

田植機の設定方法

機械の設定(クボタ田植え機6条)適正な栽植密度にしましょう。

栽植密度って、苗を植える間隔と思って頂ければよいかと思います。苗を沢山植えればよいというものではありません。最終的にお米を沢山取れるのが一番良い間隔ですね。疎植とか密植とか色々方法はあります。一長一短です。

標準設定で・苗取り本数3~5本・60株/坪になっています

私もこの設定です。苗箱は10アール当たり18~19枚使います。副変速さと主変速の二ヵ所で調節しましょう。たぶんこの設定は一度設定して何度も変更することはないと思いますが、品種が変わった後の最初の点検では確認しておくとよいと思います。苗や圃場状態で変わることも想定して。機械取説を読み保管しておきましょう。

田植機の足マットの下をめくると左↑の苗取り速度設定。坪60株、株間18センチのところに設定してあります。

田植え機の後ろの方に副変速の右↑設定。ここは標準に設定してあります。

肥料と農薬

田植え機で田植えすると同時に肥料と農薬2種類を撒きながら行います。

側上施肥って言います。これは苗を植えた横に肥料が規定量落ちていく仕組みです。これも肥料が苗の根元に行き渡るし、すごく楽なので無駄がなく効率よく効くとありますが、この方法はどうでしょうね。地域差があります。手間ですが荒おこし前に全面に肥料を撒いていた方が、肥料を調合できるし、根の張りが良いような気がします。

農薬のボックス(箱剤)中央↑

農薬を入れるボックスがあります。これは青いレールの上を左右にゆっくりスライドして農薬を苗にまいていきます。入れる農薬は、苗の立ち枯れ病、泥虫、いもち病などの殺菌殺虫剤(粒剤)を入れる場所です。

農薬のボックス(除草剤)右中央↑

農薬を入れるボックスがあります。これは苗を植えたところに均一に除草剤を撒いていく機械です。入れる農薬は除草剤(粒剤)です。

良くある間違いは、除草剤と殺菌殺虫剤のいれる場所を間違えるミスを見たことがあります。

有りがちですね。そうすると苗に直接除草剤をかけることになり植えた直後から苗が枯れだすという悲惨な光景を目の当たりにします。入れる薬剤を間違えないようにしてください。

肥料の設計

土づくりは水稲の収量・品質・食味に影響する重要な技術です。水田での肥料の半分以上は地力によるものです。

コチラのデータ中ほどの列、吸収窒素の由来の割合に注目してください。

地力由来の窒素の割合が、70~80%

水田土壌窒素発現の土壌間差と管理の影響 農研機構より

つまり、ほとんどが元々土にある養分を稲は使っている。それを補うのが肥料ですが、20~30%しか使われない。

言い換えれば「水田は養分をため込んでいる」と言えます。不思議ですね。

「肥料由来の窒素の割合がこんなに少ないの?」って思うかもしれません。「田んぼは地力です。畑は肥料です。」

それは別にして肥料を与えることによって受光体勢が良くなり光合成が盛んになり品質食味が良くなります。

当たり前ですが丈夫に育て、病気に強いイネになります。田植え機では土づくりまではできません。土作りの為には、毎年たい肥やケイ酸等の資材を入れましょう。特に各都道府県に指針がありますので聞いてみてください。参考までに私の町では以下の表のような土作りを行っています。

稲は1年間にケイ酸を150kg吸収します。ケイ酸は植物体を強くし、病害や倒伏を防ぐとされています。稲が吸収したケイ酸成分で圃場に稲わらとして125kg還元され、毎年25kgづつ減るとされています。

土作りの種類と目安

土づくり資材

(特別栽培)

ケイ酸含有量

10aあたり)

散布目安

10aあたり)

10aあたりの

単価(約〇〇円)

堆肥 100kg 1,000kg 約6,000円
ケイカル 64kg 200kg 約4,900円

肥料の種類と目安

栽培区分 基肥量

施肥例(現物量)

(10a当りN成分kg) 肥料名(元肥) 肥料名(追肥) 総施肥量(kg) 金額(円)
一般米

(コシヒカリ)

5.6~6.3 エココシ 27~30kg 約7,000
特別栽培米(減農薬減化学肥料) 3.9~5.9

(うち化成2.9)

すご稲有機355 有機元肥222 30~45kg 約9,000
特別栽培米(有機肥料100%) 3~4.8 有機アグレット674 有機アグレット674 50~80kg 約12,000
特別栽培米(無農薬・無化学肥料) 3~4.8 有機アグレット674 有機アグレット674 50~80kg 約12,000

田植え機の設定

肥料の設定肥料ケースの左右どちらかに設定する目盛りがあります。肥料は粒の比重(大きさや重量)が違います。一般的に田植機は化成肥料の体積で設計されています。重量で落ちているわけではありません。有機肥料の比重は化学肥料に比べて軽いので肥料が思っていたより少なく落ちている。機械設定と実量とズレる事が有ります。適量を確かめて施肥設計をしましょう。

田植え作業

晴天の日を選びます。

稚苗は葉の枚数と活着との関係が深く葉の枚数が大切になっています。3枚目がわずかに展開している時期で新しい根が出る直前!

田植えが極端に遅くなると、品質・食味を落とす。これは老化苗です。苗が徒長したり、肥料が切れて黄変している苗では良い生育が期待できませんね。

田植えが遅くなる場合や高標高地では、中苗・成苗を使用します。

初期生育の促進のため、植付け深さは2~3㎝の浅植えにし、丁寧にしましょう。これは、田植え機の速さです。スピードを最高で植えている方もいらっしゃいますが、あまりに早すぎて欠株や苗が斜めに刺さって、水を張った時に苗がぷかぷか浮いてくることがあります。いくら早くてもこれではダメです。

活着期(田植え後7日間)

田植えが終わったら、水深の調整によって水温をできるだけ高く保ち、活着を高めることが重要です。温暖な気候条件下では止水4cmの深水とし、水温を上昇させます。活着期(低温に注意)活着の適温は25~30℃とみられるが、稚苗は(12℃から13℃)低いと言われています。もう一つ、除草剤を効かせるためには田面を乾かさない事です。乾いてしまうと除草剤の効果がなくなってしまいます。水持ちの悪い田んぼの草が多いのはこのような理由からですね。

田植え作業は以上ですが、地域によって設定が違います。水田の技術はほぼ確立されていますし、最近、地域によっていろんな品種が登場しています。野菜程、価格の変動もありませんし作況指数も大きく変動することはほとんどありません。適地適作であり、先人の知恵と努力のたまもの。

水田技術は安定していますから、地元の方に教えて頂くとよくわかりますね。休憩も大事なんですね。