農薬の使い方について【殺菌剤を事例に解説】

農薬の使い方について【殺菌剤を事例に解説】

きゅうりの誘引作業をしていたら

「白い粉が・・・」(*_*)今年も早々に来てしまった。比較的有名な病気ですね。致命的な病気ではありませんが、中々止まりません。

この記事では、野菜につく病害虫の薬剤散布の方法について確認も兼ねて説明していきます。ここでは事例をあげ「キュウリのうどん粉病」薬剤で防除する方法を実践した経験を踏まえて、安全に効果的に使用する方法をご紹介します。

農薬の使い方を紹介しますが、病気がひどくまん延してしまったり、疫病などの土壌病害

このような場合、いくら農薬でも防ぐことができません。

なぜなら、せいぜい現状維持です。薬剤防除の基本は、早期発見、早期対処です。

これに関する記事は

農薬を知り安全に病気を防ごう

殺菌剤の特徴

なぜ病害がまん延した時に農薬で防ぐことができないのか?理由は

農薬における殺菌剤とは、植物に対する病原性を有する微生物を殺す、または増殖を抑止するための薬剤。殺菌剤で防ぐ病気を予防したり治療する薬剤です。つまり殺菌剤の効果は「予防」と「治療」の2つです。

予防剤「保護殺菌剤」は、植物の表面を薬剤で保護し、病原菌を殺菌・静菌するもの。病原菌が植物内に侵入するのを予防します。

治療剤「浸透殺菌剤」は、植物内に薬剤が浸透し、植物内に侵入してしまった病原菌を阻害する薬剤です。ただし、すでに病気になってしまった部分は手遅れなので、病気が元通りになるわけではありません。病原菌を侵入前に殺菌する「予防」効果もなるので予防・治療薬とも言います。

化学的な成分を使ったものが一般的ですが、天然にある銅や、水あめなど食品由来の成分で物理的に(包み込んで菌糸が伸びないように抑え込む)防除するものもあります。

殺菌剤は、病原性や有害性を有するある特定の糸状菌、細菌などの微生物を死滅させますが、滅菌と違って具体的な程度は定義されておらず、効果は保証されていません。

その以上になると「滅菌」いい、、滅菌とは、すべての細菌を死滅させること言います。農薬には「滅菌」は存在しません。

病害の防除対策をするには

有効な資材を用いて、直接病害の被害にあわないように普段の管理ですることを言います。つまり、農薬だけではダメ。

農家が普通にしていることです。

病気を防ぐ方法「耕種的防除」+「化学的防除」+「物理的防除」

具体的には

・ハウス内の換気を行い、排水を良くするなど過湿を避ける。
・被害葉は速やかに、ほ場外へ持ち出し処分する。
・窒素過多、肥切れにならないよう適切な肥培管理を行う。
(薬剤による防除)
・予防散布に重点をおく。
・発生を確認したら、速やかに薬剤散布を行う。

農薬を使わない害虫防除については、下の記事をご参考にしてください。

病原菌を見分ける

①キュウリを事例に病気を見分ける、調べる。

↑うどんこ病の初期の症状の画像

このような症状が出たら、まず自分で観察して、知らべることから始まります。

きゅうりのどの場所・位置・症状はどのようなもの?などわかる範囲で結構です。

本やネットで、画像検索し以下のような記事を見つけます。

「うどん粉病」はその名の通り、うどん粉のような白いカビが作物の葉に付着する病気です。

最初は葉のごく一部でも進行すると葉全体が白いカビに覆われていきます。トマト等のナス科植物や、きゅうり等のウリ科植物はうどんこ病にかかりやすいと言われており、きゅうりが光合成できなくなり生育が悪くなります。極度に進行すると葉が黄色くなって枯れてしまうこともあります。

②キュウリ病気の原因どうしてなのかを知る?

「うどん粉病」の原因はカビの一種ですが他のカビ類と異なり、乾燥した状態で発生しやすいと言われています。これは一般的な糸状菌は湿度を好みますが、うんどこ病菌は水分を多く含んでおり、乾燥した環境下でも発芽できるためです。うどんこ病菌は風に飛ばされて作物に付着するので、ここさえ対策しておけば大丈夫というものはありません。マルチングをして土が作物に跳ねないようにする風通しをよくするなどの基本を徹底しましょう。

後期の症状 ヤバイです。農薬を散布しても、効果なし。私の経験上こうなったら止めることができません。

って記事を見つけたとします。

③原因が分かったので、対策を取る。

カビの一種で、土が作物に跳ねないようにする風通しをよくすると記事に書いてあるので、うどん粉にかかっている所を中心に風通しを良くします。

病菌にかかった葉っぱを取り除き、土が跳ねないように、又、乾燥しないように、敷き藁をしくのも良いですね。

ついでにもう一つ、良くでる病気も調べておくと良いですね。

「べと病」これとは対照的に梅雨のジメジメした気候に発生します。特に高温多湿な環境を好み、換気不良や潅水過多など多湿の環境になると、発生しやすくなります。症状が出たらお話したいと思います。後、2週間後位には来るかもしれません。つまり、普通に出るのです。

↓べと病はこんな感じです。

農薬「殺菌剤」で防除する

農薬散布は丁寧に徹底的に真面目に

農薬はだれしもやりたくはありません。

農薬には基準があり使用回数が決まっています。理由は病気がその薬剤になれてしまうと効果が無くなるからです。また、消費者が農薬を撒いた農産物嫌がっているのと同じで農家はそれ以上に農薬をまきたくありません。だって手間で、お金がかかって、農薬まいてる本人が一番農薬浴びてます。良いきゅうりを作る為に仕方なくやっています。

だからこそ、効果を最大限発揮させます。適当にはできません。(; ・`д・´)必死です。

農薬を正しく安全に使うための方法については~ リーフレット「農林水産省ホームページより」

をご覧ください。そこには農薬による死亡事故で誤飲が40%も超えているのが信じられませんでした。ペットボトルに農薬入れて、忘れて飲んじゃうなんて信じられないですが事実なんでしょうね。そりゃ死ぬって、、、怖い(*_*)

整理整頓・日頃の管理も大切。だから何度も言いますが、ガチで真面目にです。

適した農薬を使いましょう。「薬剤の種類」

農薬を選ぶときは、各都道府県の農作物防除指針やインターネットで農林水産消費安全センターさんのページ「農薬登録情報提供システム」を使ってみるのも良いかと思います。

治療効果や予防効果がある農薬は種類によって違いますし、たくさんの種類があるからJAさんの営農指導員や県の農林総合事務所さんに聞いてみるとよいですよ。きっと地域に合った効果のある農薬があるはずです。

きゅうりに使用できる農薬を選ぶ必要があります。

うどんこ病に効く農薬を選ぶのではありません。キュウリに使えるうどん粉病の農薬を選びます。

今回は予防に病気に対して汎用性があり、予防に一般的に使われている「ダコニール1000」住友化学 クミアイ化学工業株式会社を使用しました。

予防剤「保護殺菌剤」は、植物の表面を薬剤で保護し、病原菌を殺菌・静菌するもの。病原菌が植物内に侵入するのを予防します。

予防剤は、予防です。うどんこ病になったところが元に戻ることは有りません。

被害の拡大を防ぐのです。つまりすでに侵入した場所が多い場合は効果ありません。

きゅうりの株の全体がこのようになっていたら意味なし。

初期の防除が大事になってきますから、最初にお伝えした「早期発見、早期防除」です。

使用方法については、農薬に書いてあり、すべて読む必要がありますが、まず読まない。結構沢山書いてあるし、難しい用語、注意事項**こんな注釈等めんどうだし、ただでさえ防護服着てあついし、息苦しいです。そんな中、熟読無理です。気持ちはわかります。

しかし、

それは絶対ダメ!ちゃんと防御し、使用上の注意を読んでください。

例えば、使う農薬はコチラ「ダコニール1000」

農薬は、ココを確認しよう。

消費期限を確認

ボトルの底や袋に書いてあります。有効年月23.10とは西暦2023年の下2桁です。つまり、2023年10月迄有効期限があるということです。その下は製品番号になります。有効期限が切れている農薬は効果がありません。それは適正に破棄しましょう。

作物と病害虫、希釈倍率を確認

水に薄めて使用するので再度確認します。ここでは、作物の欄にきゅうりがあるかどうか。適用する病害虫である「うどんこ病」が入っているかどうか。更に希釈倍率は何倍であるのか。確認してください。ここでは、きゅうり、うどんこ病、倍率1000倍がありました。それ以上でもそれ以下でも効果が十分発揮できません。希釈倍率は守りましょう。ここでは1000倍です。

使用時期、使用回数、TPNを含む農薬の総使用回数を確認しましょう。

先ほどの右を続けて見ていくとこのように書いてあります。キュウリは一番上の欄ですから、使用時期は「前日」使用回数は8回、TNPを含む農薬の総使用回数は10回です。

使用時期の「前日」はいつからいつまで?

紛らわしい表現があるのですが、使用時期の「前日」とは一体いつからいつまでが前日でしょうか。問題となるのは野菜の可食部、きゅうりの部分に農薬が残留しない期間のことを言います。

今日の夕方PM5:00に農薬を撒いたなら、明日の朝AM8:00 に収穫できるのでしょうか?答えは、使用できません。

つまり前日とは農薬を散布したら24時間以上収穫してはいけません。24時間は空けないといけないということです。3日と書いてあったら収穫する迄、24時間×3日=72時間開けないといけない計算です。

使用回数は8回迄可能です。しかし、TNPを含む農薬の使用回数とはどういう事でしょう。「TPN」とはダコニール1000の有効成分がTPN水溶材です。つまり、TPN薬剤が他の商品名として他の会社から販売されています。つまり商品名が異なるけれども入っている成分が同じものなのでカウントされ総使用回数が10回迄となっています。

農薬工業会より

薬剤散布の使用器具と有効な時間帯

水和剤やフロアブル等、水に薄めて使う薬剤は、茎葉にきちっと全体にまんべんなくかける必要があります。

その為には、ミスト状(霧状)にする必要があります。じょうろ等では水滴が大きすぎて薬害や効果が期待できません。簡単な圧力噴霧器で結構です。

時間帯は、早朝または、夕方です。後できるなら晴天の日。これは、日中の太陽の光によって葉が焼けないようにと、すぐに水滴が乾燥しやすい為です。太陽がレンズの役割をしたり、急激に乾燥し、薬剤の濃度が高まるからです。また、べたべたでは効果がありませんし、乾かないことでかえって悪いです。

薬剤散布の実践

セット動噴を使います。タンクに水150㍑張り「ダコニール1000」を1000倍液を作ります。殺虫剤との混合もできますが、できないものありますので確認してください。

ビーカーに150ml取りました。先ほど誤飲事故は起こるはずないって言いましたが、まさに見た目、牛乳です。

ビーカーに入れると飲めそうに思えました。(^^♪匂いはありません。味は解りませんが、絶対飲んではいけません。

その為にも、残さず使いきる分だけ作りましょう。余った薬剤をペットボトル飲料に絶対入れない

防護服の装備

手袋もビニール手袋を2重で皮膚からも吸収してしまいます。

皮膚が出る部分をできるだけ少ないように、防御眼鏡もして「コロナ」以上にしっかりと防御します。

葉の裏側もまんべんなく薬剤をかけるためには、斜め下から上に向かってかけてあげるとよくかかりますよ。

簡単に薬剤を調合するポイント

ダコニール1000の容器が入っているキャップも秤です。ダコニールのキャップは25mlと書いてあります。現場で「軽量カップ」って中々ないですよね。そんなときはふたを使って量ると便利です。

農薬を測るときに「希釈倍率早見表」があると便利。市販品ではなく、農薬のメーカーがチラシと一緒に持ってきてくれました。例えば倍率を1000倍の所にくるくる回して開くと、そこに希釈に必要な水量が出てきます。例えば18㍑薬剤を調合したければ、下の方の18リットルに必要農薬量は18g(mg)となります。

安全に散布するために

防除用具は、農薬専用。

また、農薬専用のマスクを使いましょう。できるだけ作業衣は、「農薬専用」にして、他の機械や衣類、農産物に付着しないようにしましょう。また、普通のサージカルマスクでは安全とは言えません。農薬専用のマスクが販売されています。

最後に使用した農薬保管と記帳

使用した農薬は使用量・対象物を記帳し、農薬保管庫、器具は洗浄して所定の場所ですよ。

そして薬剤散布した人!お疲れで申し訳ないです。仕事後の一杯をあきらめてください。(+_+)

その日は、飲酒は控えましょう。血流が良くなるということは体内にわずかに吸収された農薬が身体をめぐるといえます。

念には念を入れよ!

以上、よろしくお願いいたします。