畑は今は農閑期、ぼちぼち準備始めましょう。
1日の計は鶏鳴にあり。1年の計は正月にあり。
日本が由来の説は毛利元就の言葉です。
一年の計は春にあり
一月の計は朔(ついたち)にあり
一日の計は鶏鳴(一番鶏が鳴く早朝)にあり
ちなみに、朔(ついたち)とは、その月の初めの日。鶏鳴とは、その日の朝、一番鶏が鳴く、早朝のことです。
この意味は、「新しい一年の計画は、その年の初めに、月の計画は月の初めの日に、そして、今日の計画は、朝早くにたてる。」
つまり、元旦、月初めの日、その日の早朝に計画を立てるだけでは意味がない。元旦、朔(ついたち)、鶏鳴からスタートし、計画を実行していきなさいと言っているんです。
しかし、これは旧暦の1月ですから新暦で見ると2月ですね。
私の会社でも事業の計画は3月に承認を理事会・評議会で得るのですが、計画は前年の12月に立てています。
実際、農業の現場では、2月になったら「温床で野菜のタネを落とします」から、それまでに種や資材を注文していかなきゃいけない。
苗を作ってもらうとなれば3か月前には予約しておかないといけない。
雪があるからまだ春は遠い。そうも言っていられません。
1年の計は1月にあり
農業の栽培計画を立てましょう。
この記事では、1年の野菜の栽培計画の立て方や、農業の作業記録を簡単に作る方法をご紹介します。
農業にとって栽培計画を立てることは重要です。
タネのカタログを用意して、こたつの上に何冊か広げ、去年のタネの購入伝票を眺めながらじっくり計画していきましょう。
栽培計画を作成する場合、私は、パソコンのエクセルシートを使って毎年決めています。
収穫の喜びを味わうためには、思いつくままに栽培するのではなく、事前に栽培の計画をしっかり立てておくことが重要です。
栽培計画の立て方
栽培計画表を作りましょう。
①どんな野菜を、どのくらい作るのか決めましょう。
作りたい野菜の候補を挙げ、畑の広さや環境、販売できる量、新品種などを考え、候補の野菜を組み合わせて計画を立てます。
②栽培、管理の適期を確認しましょう
野菜にはそれぞれ、種まきや植え付けに適した時期があります。この時期を間違えると、生育が悪くなったり、収量が少なくなったりしてしまいます。
またギュウギュウに、詰め込みすぎると、天候の加減によって、後作の計画が遅れてしまう事が有りますので余裕をもちましょう。
③野菜の特徴に合わせた場所を選びましょう。
当然のことですが、野菜は育つにつれて大きくなります。生長して株が込み合ったりすると、日が当たらずに育ちが悪くなったり、風通しが悪く病気にかかることがあります。
それぞれに適した畝幅、株間、条間にするには、収穫時期の畑の様子を想像(イメージ)し、絵がいてみることも大事です。
④たまには輪作を行う
連作障害や病害の多発等場所によって良い所悪い所があったかと思います。そのような場所は同じ畑で異なる種類の作物を、一定の順序で周期的に代えて栽培すると良いでしょう。
これを「輪作」といいます。
そうして出来上がったものが、栽培計画表↓下の画像の様になります。
栽培計画表の書き方
・2月から翌年の3月までを上旬・中旬・下旬に区切って横軸にします。
・縦軸は、畑の場所と面積を置きます。
・種まき、定植、収穫の項目をオリジナルの記号を使って記入していきます。(これを20年続けていると、だんだん固定化しているのが良く分かります。輪作難しいです。)
・最後に、収支と労力の配分を決めていきます。労働力をできるだけ分散し、効率を上げたいものです。
このように1年間の「作付け計画」がある事で、1年の進捗具合、収支、販売する量がわかりやすくなります。
出荷記録の記帳
農産物を市場や直売所に出荷する場合、伝票と清算書だけでは、正確な出荷量と金額が解りません。単価は時期によって変化します。
そこで、出荷記録を農産物を出荷するたびに記帳するのですが、
野菜の出荷をカレンダーに書き込んでいませんか?(笑)
私もしていたので、ボロボロになったカレンダーを引っ張りだして、電卓ポチポチ集計が新年の仕事でした。
まあ、汚くて見せれるものではありません。私しか解読できないかもしれません。
そこでスマート農業を国が進めていますが、実際、パソコン初心者レベルの私が、携帯アプリを使って出荷記録にチャレンジしてみました。
アグリノートを使ってみた「営農支援ツール」
アグリノートとは、
パソコンやスマートフォンを使って、圃場や農作業など営農に関するさまざまな情報を記録・集計・出力できる営農支援ツールです。
一人でも利用できますが、組織ぐるみでの利用がより便利。アグリノートに入力された情報はインターネット上に保存されるので、組織内で簡単に情報共有できます。
航空写真マップを使った視覚的な圃場管理、そして作業の記録など営農に関するさまざまな情報の集約により、生産者の方々の困りごとを解決する。
アグリノートは、生産者の皆さまのスムーズな営農活動をサポートします。
紙と鉛筆、カレンダーの出荷管理システムだった私が
PCで出荷管理??( ゚Д゚)
最近、営農管理システムが若い世代ではやってまして、スマホで
なんだろう!!( 一一)
営農支援ツール「アグリノート」たるもので、一瞬でデーターが出力され、私の新年の作業が無くなりました💦
アグリノートは航空写真マップ上で圃場を管理し、農作業の記録をデータとして保存・活用できるウォーターセル株式会社が運営する営農支援システムです。
詳しい機能についてはホームページのアグリノートでできることをご覧ください。
アグリノート初心者の私が使った感想
一言で言えば面白いです。取り合えず皆さん使ってみた方が良いと思いますが率直な感想。
Gapを導入されている方は、複雑な工程をアプリで管理できるので重宝します。
何が面白いかというと、「航空写真がきれい」「自分の畑の面積・情報が勝手に量ってくれる・見れる」「進捗状況が解る」
が先ず思いました。私のスキルは、こんなもんです。
私はアグリノートで自宅の航空写真を先ず確認しました。
「家の見取り図はどうだろう」「へ~他の家より車庫の屋根が汚れてるな~直さないと」
それ位、具体的に細かなところまで記録できる事でした。
難しいと感じたのは、「最初の使い方」「圃場データの登録」です。
これは、PC初心者、スマホ初心者(ガラケー携帯所持)の方には、ここが難関です。
農業と言いう作業は多岐にわたりますのでそれを細かく入力、設定、仕分け作業をしないといけません。
アグリノートでは導入サポート体制が充実してきましたし「入力代行サービス等」も今はありますが、
その当時自力で四苦八苦してました。
このような営農支援システムがいくつかあるのですが、一番のポイントは
手っ取り早い。コスパが安い事。
1契約6,000円(年間)月々に計算すると500円(月間)安い。
最初のお試しプランは無料でそこそこの機能が使えます。
ただし、20記録の制限があるので、一通り試す程度しか使う事ができません。
つまり実際使うとなると100圃場・20記録の制限がかかってしまうので、使えません。
「とにかく、触って見よう。」なら一番おススメです。
他の営農支援ソフトも色々な会社に有りますが、お手軽とは言えなかったですね。
アグリノートは、機能もどんどん更新され増えているようですし、使い勝手が良いと思います。
アグリノートの航空写真画像がきれいで、一目で解る。
これは感動しました。拡大できるので小さな畑でも大丈夫です。
因みに、緑に色が付いた施設は300㎡です。
画面左下↓の白いシートのようなものが畑に有ります。
これは、白マルチ(幅100㎝×長さ40m)が5列並んでいます。
つまり、マルチ1列についても几帳ができるのです。
以前は、本来は畑の平面図は必要で手書きで書いていました。↑私の農場の画像
東西南北と畑の外形を描いて建物や樹木を書き込んでいました。それをブロックに分けていきます。
↑画像の様に航空写真をベースに圃場マップを作成できる。
つまり、航空写真を見ながら自分の畑を確認し、そこをクリックするだけで圃場登録ができます。
また、画像の圃場を囲むだけで圃場情報を書き込み、しかも面積まで詳しく計算され出てきます。
日々の記録内容を一覧やタイムラインなどさまざまな形で確認できます。
〇記録やデータの閲覧もワンクリックするだけ。
作業実績が見える
マップ上の圃場をクリックすると、↑の画像の様に圃場情報が掲載されます。
この画像のハウスNo2をクリックしました。
するとハウスNo2の情報として、面積、品目、以前の実績が出てきました。
具体的には、2021.1.7 ハウスNo2ではほうれん草を栽培中、面積3アール
前作2020.8.19には、大玉トマトを栽培中、作業として収穫とトマトトーン処理
作業者2名の時間が解ります。
出荷実績が見える
出荷の項目をクリックすると↑のような表に変わります。
具体的には、2021.7.1 ハウスNo1.2.7でトマトを収穫しました。
出荷量は、袋詰めしたものが、287kg、バラ売りが各店舗に金額と合わせて見れるようになっています。
出荷ロット番号は、020701です。
こうすることで、どの圃場で採ったトマトがどの店舗にどれだけ行ったのかが解ります。
月ごとのカレンダー機能で作業が一目で解る
カレンダー機能があるので、1か月の作業の流れが解り、昨年の反省点が解ってきます。
過去の記録を見ながら微調整ができるのです。
作業の進捗状況が一目で解る
作業生育の項目では、作業計画をあらかじめ入力しておくと、作業中の進捗状況が割合で解ります。
↑の画像の青い楕円形の部分をご覧頂くと、進捗状況を一目で把握できます。つまり、全体が青くなれば全圃場で、その作業は完了したことになります。
まだ、青く埋まらなければ、抜けている圃場が残っているという事になります。
大規模水田等を管理していくには、このような記録が重要です。
これをトラクターに乗りながらスマホでチェックしていくなんて、、、
便利。
後は、報告書・分析等作るのに記録した内容を、ExcelやCSVファイルで出力できます。
初心者の私がアグリノートが使い方難しいと感じた事
〇最初の設定の入力が分からない。
使い方の流れは、設定→記録→記録を見る
アグリノートでは、アグリノートの基本的な使い方を紹介しています。そのページを見ながら基本をおさえていくのですが。
設定がものすごくたくさんあります。マニュアルも膨大です。
私も実際このページで1つ1つ拾って設定しました。
設定は先ずパソコン使わないとやりにくい。携帯では画面が小さすぎて、ほぼ無理です。圃場登録は可
つまり、1ページづつ解説してくれているわけですが、実際入力するのは自分なので同時並行してやらないと一度読んだだけでは理解できませんでした。
何となく理解したでは、使いこなすことができません。(私の脳筋では….)
できるなら、1回は、解説付きで同時並行して入力をお勧めします。
スマホゲームなんかであるように、最初の使い方はガイダンスしてくれると嬉しいですね。
農業スタイルが多岐にわたる事で、入力をどこまでこなせるのか?
使い方が難しいとアグリノートに申し訳ないのですが、これは農業自体が複雑な事です。
農業は多岐にわたる作業と農業の種類があります。最近は複合経営であったり、6次化であったり、複雑化してます。
大規模・単作の農家の経営と、小規模多品目栽培の経営で大きく違い、小規模多品目栽培になればなるほど複雑化していきます。
例えば、大規模栽培なら「今日はココとこの周辺をトラクターで3ha起こして1日が終わりです。」作業記録はシンプル。
アグリノートの記録は、携帯見ながら圃場を1画面をポチポチ押して登録。収穫も稲なら秋だけ。とっても便利ですし、進捗状況も見えるのですごく便利です。
アグリノートではオンライン講習やデーターの登録サービスがあるので圃場が何百も入力がめんどくさい。そのような場合委託できます。
ところが、小規模多品目栽培では、農産物が年間40品目以上で、出荷先も多岐にわたります。
例えば「午前中は水やり、畑の一部に3つ肥料を撒いて、起こして、午後は、直売所と市場に分けてほうれん草と小松菜を収穫して出荷。時間あるから大根も100本だけ出荷。」
小規模のアグリノートの記録は、2つの入力が加わり、作業記録と出荷記録です。各項目を開き多様な品目と作業と種類を分けて登録しないといけません。
例えば、日々作業と出荷し、また新たな作付けが一部で始まるのです。
アグリノートを使うと入力が複雑して以下の作業をしないといけません。
作業記録を登録します。圃場ごとに(時間・人数・肥料記録等)、出荷記録を登録します。圃場ごとに(時間・人数・出荷数量・価格(kg・個)記録等)
慣れていないと、入力がめんどくさい。
極端にいえば家庭菜園の畑の食べた野菜を管理しているようなものです。
アグリノートを使う上で、圃場・作付の設定から各種基本情報の登録まで、アグリノートを利用するために必要な初期設定をサポート力が必要ですね。
今回紹介した機能をまとめると
航空写真をベースに圃場マップを作成はGoogleマップを使用した圃場マップで、正確に圃場の場所を管理できます。
とっても便利。スマートフォンなどのGPS機能で、的確な位置情報が得られます。
圃場マップでの作業進捗の確認マップ上の圃場を、作業の進行度別に色分けして表示します。
未作業の圃場の有無や作業の進行具合が一目でわかります。
これは水田等、大規模農家に向いています。小規模の多品目農家では、作業というより「野良仕事」になってくるので、品目と項目が多すぎて書ききれないかもしれません。
作業記録だけカレンダー、出荷記録はアグリノート、ってできる範囲内のスマート農業をしましょう。
スマホ作業の合間にその場で入力できるので忘れることがありません。休憩の合間でもいいですよね。
だって休憩中って、みんな大体携帯触ってますもんね。(笑)
農作業を終えた後の事務仕事は、少ない方がいいです。汗かいた後は、PC入力、やる気がなかなか起きません。
私がです。
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