土づくりの方法 コンポストたい肥の作り方【家庭菜園】
- 2019.11.26
- 家庭菜園の豆ちしき

もくじ
土づくりをしましょう。って何!?
野菜作りの本や雑誌ではよく描いてあります。「まず土づくりをしましょう。」とはどういう事でしょう?
色々な考え方があるので、ここでは2つに絞って話を進めます。
畑の物は畑に、山の物は山に返す。
1つは、ある農家の方が「木は木に返せ、草は草に返す」という法則があるといいます。木などゆっくり育つ作物には、ゆっくり分解する有機物が良いという事です。さらに「すべての生き物は存在する意味がある」と言うことです。
例えば木を分解するキノコ、落ち葉をかじるヤスデ、ゆっくり落ち葉を分解ミミズ、葉に残ったタンパクや糖を分解するバクテリア、すごく多様な食物連鎖によって山の土が作られているんです。畑も同様です。生物の住みかを変えないようにする。つまり食物連鎖を壊さないことが重要と言っています。
池田町では、田んぼの土のことをアマ(天)。
2つは、突然ですが、世界で最高の土はどこにあるんでしょう?
答えは旧ソ連「チェルノブイリ原発事故」があったチェルノーゼムです。中学の勉強で聞いたことがあると思いますし世界の穀倉と呼ばれ、土の皇帝――。そう呼ばれてきた土です。「チェルノーゼム(黒い土)」。土壌の養分が豊富でバランスがよく、作物の栽培に非常に適した性質の土。アメリカのプレーリー、アルゼンチンのパンパなどにも分布するタイプの土で、世界で最も肥沃な土として地理の授業などでもおなじみの存在となっています。日本の黒ボク土よりもっと黒い土の層で覆われています。ここは寒いので草原です。冬には雪に覆われます。豊富な枯れ葉や草が微生物によってゆっくり分解された状態(腐植)や養分が多く含まれているからだそうです。その地域の農家さんの肥料の認識=窒素Only、っていう話も聞きました。
私の郷里に、昔田んぼ作業に「草の口」という日がありました。
これは、水田に入れる肥料がまだなかった時代です。水田に入れる肥料の代わりに、山や畔刈り取った草を水田に入れて肥料にしたそうです。青草は、現代でいう「腐植」に当たります。草を入れることによって水田の有機物と窒素肥料を入れることができます。しかし春先の柔らかい草はすべての水田に入れるほど沢山はありません。なので、「草の口」という日を区切って、一斉に百姓の皆さんは草刈をして水田に入れたそうです。土というものを非常に大切に守られて「アマ」と呼ばれ「天」と書きました。目指す所の土です。
今でいえば漁師さんの解禁日みたいな感じなんですね。なので当時は、山も畔も田んぼも草刈してあり今以上にとてもきれいな水田風景だったと想像します。
土づくりとは、まず土に腐植を増やすことです。言い換えれば「草を生かす・生き物を生かす」ことです。
じゃあ、腐植を増やすにはどうしたらよいでしょうか?
それがコチラ。皆さんご存じだと思います。生ごみ処理機コンポスト。
たい肥を作って畑に入れる事。
日本では、チェルノブイリのような土はありません。「草の口」で作らなければいけないのです。
私の町ではこんな感じ。手作りで十分!!使い古したマルチと木枠で作っって、巻きやすいように畑の中!
ここだけの話です。1年以上コンポストを置いてあった真下の土は、最高の土になってます。チェルノーゼム以上です。無肥料無農薬で作れます。野菜がびっくりする位、きれいでそれでいて美味しいです。マジです!是非コンポストがご家庭にございましたら試してみてください。土だけで十分。
田舎流のたい肥の作り方をご紹介します。
材料
・畑で収穫した野菜の残サ(トマトの茎や大根の葉、スイカやミカンの皮やくずイモ・雑草までなんでも)
・もみ殻(通気性をよくする)・落ち葉
・たい肥(完熟牛糞たい肥でもOK)
・畑の土(どこでもよいが野菜が良く作れる土)
細かいことは言いません。有るもので十分。でも勘違いしてはいけません。塩や調味料やサラダ油等はだめです。口にするものは何でもではありません。
作り方
これらをミルフィーユのように層になるように入れていく。かき混ぜないで薄い層を何層もです。これで完成です。匂いが出てきますので気になるようなら、フタをしたり、最後に土を多めにかけたり、近所迷惑のない畑で。
使用方法
半年以上寝かせることが重要。私はこのような場所を2か所作って交互に使います。最初の匂いは湯気とともに強烈です。しかし、最初だけですが近所迷惑にならないところで。
効果
①土を軟らかくします(土の団粒効果を高め、水はけが良くなります)。
②地力が高まり、肥料が長持ちします。また、水持ちもよくなります。
③土に力があるので肥料をやりすぎても野菜が蔓ぼけしにくくなります。
④野菜自身の食味が上がります。
⑤微生物・昆虫が増えます。
未熟堆肥を畑に入れるのは危険です✖。
①未熟堆肥の中にある牧草種子が発芽し、見たこともないような草が勢いよく生えてきます。
②堆肥が未熟であるとまだ発酵しています。発酵するときにガスが発生し、植物を傷めます。
③微生物が有機物を分解するときに土に含まれる窒素を吸収し肥料不足に陥ります。
④一部の病原菌を増やしてしまうために、病気にかかりやすくなります。
未熟堆肥は、ねかしておき、そのまま畑に入れないでおきましょう。
土を整えた状態にします。(酸度矯正とph)
これはあまり深く考えなくていいです。野菜は日本原産のものが少なく、世界中から日本にやってきました。なので土の相性を調整するものです。そうすることで、後々、肥料の効き目が違ってくることです。
日本の土壌はphにすると5.0~6ぐらいの酸性土壌、野菜の相性がちょっをよくありません。
野菜が好きなphは6.0~7.0前後です中性に近い弱酸性なんです。変な言い方ですね。ph6.5ならほとんどの野菜が作れます。なので少しアルカリ性の資材を入れて調整してあげます。
資材は、よく校庭などに白線ありますよね。あれってアルカリ性なんです。消石灰って聞いたことありますよね。そのほかにもホタテやカキ殻などを砕いた動物質の有機石灰なんかもいいですね。アルカリ成分もきつくありませんし、海のミネラルたっぷりです。
目安です。(入れすぎはだめです。病害を助長します、肥料の効き目が変わってきます。普通に野菜が採れるなら入れない方がいいかもしれません。
あげることは簡単でも下げることは非常に難しいです。最悪、硫黄とか使います。)
畑の状態 | (有機石灰) |
有機物に富んだ黒い土 | 220g~300g |
粘土質・普通畑 | 180g~220g |
砂地 | 100g~150g |
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