オクラの育て方【オクラの苗より畑にタネ蒔きしたほうが簡単】

野菜の栽培方法

私はオクラの苗を作って販売していますが、オクラ苗は作りたくないのが本音です。

「オクラのタネが生えない」そこで苗を買うお客様がいらっしゃるので作っています。

けど、作りたくない。その理由は、苗を植えても育たない事が多く、「結局枯れた」ってクレームになり易いからです。

その理由とは、

オクラの苗より畑にタネ蒔きしたほうが簡単で生育が良い

オクラ原産国と特徴

〇エチオピア原産のアオイ科の植物です。高温性の作物で、昼温25~30℃ 、夜温20~23℃が適温となっています。

これに付きます。4月頃から種まきしていますが、北陸では5月中旬以降でないと朝晩の冷え込みで枯れてしまいます。

最低気温が16℃以下では生育が止まり落花も多くなり育ちにくいです。10℃以下では生育せず降霜にあうと枯れます。

〇オクラの収穫できる期間は長く降霜期まで咲き、7月~10月末まで収穫し続けることができます。しかし、高温乾燥に強く 非常に作りやすい野菜です。

〇日当たりは良い所を好み、高く曇天時は花飛びにより節間が長くなることがあります。

〇土壌酸度はPH6.0~6.8が適し、石灰などの土壌改良資材で少し調整した方が良いと思います。

〇濃緑で節間が短い品種。白色・紫色や六角・丸のオクラ等もあります。

オクラの種まき

オクラは5月初旬遅霜の心配がなくなった頃から種まきしますが、発芽する時期が一週間違うだけで寒さにやられ全滅する事が有ります。

地温が低いと発芽不良(10℃以下になるとほとんど発芽しない)を引き起こしやすく、初期生育が遅くなり苗立枯病の被害も増えます。

発芽温度(℃)発芽日数(日)発芽率(%)
25~30℃3~5日85%
15℃20日60%

1週間経過しても生えない。その時は、もう一度種まきして下さい。

オクラのタネが発芽しにくいもう一つの原因は、オクラの種子は硬実種子だからです。

硬実種子とは、

その名の通り、種の皮が硬い種子のこと。ではありません。種の皮が硬いのは確かに硬いのですが、本当は種皮に透水性(水がしみこむ事)が無いということなんです。

種まきすると、種が水を吸って発芽しますが、水が種の皮を通らないと発芽することができません。全く、透水性ないという訳ではないので、すごくゆっくりと種の内部に水が浸み込んでいきます。そのまま種まきをすると、発芽までとても長い日数がかかるんですね。

硬実種子の代表的な物には、かんひょう・ハス等ですね。

↑の画像はハスの種子です。ハチの巣みたいですけど、この蓮(蓮)の種子はドングリみたいな形状をしています。そもままでは中々発芽しません。しかし、固い種皮に傷がつくことで、容易に発芽します。

これらの種子の発芽を早めるために、爪切りで種子の角を切り落として穴を開けて種まきします。荒めの砂で軽く揉んでやる方法もあります。

オクラの苗がダメな理由

オクラは移植が好ましくありません。直接畑に播くことをお勧めします。私、オクラ苗販売しています、すみません。

一言で言えば、オクラは非常に移植を嫌います。苗は作っていますが、プラグトレー使うはありません。9㎝ポットに直播しています。

苗を作る時にも移植はしていません。枯れるからです。

なぜ移植を嫌うのか分かりませんが、根の成長が他の野菜に比べ、根の量や発根がとても脆弱です。

移植するときにオクラの根の張りや回復が弱いため崩れやすいし枯れやすい。だからポットから畑やプランターに植え直す時はポットの土の形が崩れないように植え替えると成功率が上がります。大苗もよくありません。大きさはオクラは1枚本葉が開いた頃までです。

ただし、移植してから1~2週間ぐらいは成長が止まります。

元々、オクラは根が浅い、発根が少ない野菜。移植しにくいのを分かってて移植するわけですから難しいはずです。

オクラのタネは直接畑に蒔くのが正解なのです。

暖かくなってから、やや遅まきする事。

一般的な野菜苗も若い苗程植え痛みが少なく、老化した苗程大きい傾向があります。だから、小さい苗を無理して植えるのです。

トマトや白菜など野菜も小さいときは移植しやすいですが、大苗は非常に植え痛みしやすいです。つまり、ホームセンタ―で売られている大苗は植え痛みし易いのです。

オクラの植え方(直播)

畑の場合は畝を作って黒マルチをかけ地温を上げてから、約70㎝間隔でマルチに穴を開けたら5~10粒ずつ種を撒いて土を浅くかけます。

芽が出て来て本葉が2~4枚になったら元気な成長の早い芽を2~4本残して間引き、ハサミなどで切り取るように間引きしてください。

移植負けせずスクスク育ちます。

オクラは2本以上混植して育てます。

オクラは1本立てから4本立てが主流で苗の育ち方も実の育ち方も違います。

1本立ては育ちが早く収穫も早く始まりますが突然成長が止まる事が有ります。 元気に育てば毎日一本ずつ収穫です。

太くて、大きなものが採れます。

4本立ては成長は遅いですが突然成長が止まったり枯れる事は無くやはり一集団から毎日一本ずつ収穫になります。

4本立ては、きっちり4本でなく3本でも5本でも収穫量は変わらないので苗の時に間引く際は悩まず勢いで間引いて下さい。

細く小ぶりのものが定期的に取れます。老化するスピードがゆっくりになるんです。つまり、収穫に余裕が出て長持ちするわけですね。

オクラの管理は2つ

追肥重視の栽培

オクラは、吸肥力が強く生育も旺盛なため、元肥を少なくする方が良いです。窒素が多すぎると過繁茂となり、実の付きが悪くなります。

追肥重視でオクラを1株当たり1~2果収穫した頃から追肥をします。遅れると節間がつまり花蕾が集まった芯止まり状態になったりします。

2週間程度空けて追肥(肥料200g)程度をマルチの下にばらまきます。

摘葉は欠かさない
オクラの葉カキ(摘葉)は収穫しながら行います。

通風や採光を良くし、徒長を防ぎ通風や採光を良くしていきます。

目安として摘葉の方法は常時展開葉4~5枚を残して、それ以外の葉をすべて取り除きます。

草勢の強いものは収穫果の下から全部摘葉します。

草勢の弱いものは収穫果下2~3枚を残して全部摘葉します。

オクラの収穫

生育が順調であれば播種後65日頃より収穫が始まります。

収穫も目安は長さ9~10cmで収穫は毎日朝夕の涼しい時期にはさみで収穫します。

収穫ピーク時には朝夕の2回収穫できます。

オクラの障害

イボ果と品種

温度が低いと虫に刺されたようなイボイボが果実の表面に発生する場合がありますが、病気ではありません。

日照不足や低温、過繁茂や窒素過多、極端な草勢低下が原因と言われています。

栽培環境の悪化によるストレスが原因で起こる生理障害です。

品種選定も重要で、品種によってはイボ果になりにくいものがあります。

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