アスパラガスの育て方【株をしっかり育てる事が全てのはじまり】

野菜の栽培方法

5月の連休、畑ではアスパラガスが地面から顔を出してきました。

実は、4月にもアスパラガスが顔を出したのですが、霜にやられて全滅…..

ショック…でしたが、今朝ようやく2番目が出始めました。

土作りができて株が強ければ、一時の寒には負けません。

スギナも結構生えてきた。厄介もの。

4~5月には、アスパラの芽が土から出てきますが、遅霜にご注意ください

「天気予報での霜注意報や、晴天が続く日に放射冷却が起こります。朝の3~4時間ですがと気温がぐっと下がります。」

アスパラガスの特徴

アスパラガスはクサスギカズラ科の多年生宿根性の野菜です。

種まきから5~6年生頃に成株に達し、以後 10~15 年生まで収量は維持されます。

しかし、その後、徐々に収量が減ります。

アスパラガスの「植物としての寿命」は長いもの、だいたい 10 数年ですね。

収量が少なくなって来たと思ったら更新時期。病害虫の多発や欠株が出始めてきた頃です。

可能な限り圃場を変えて植えることをお勧めします。

アスパラガスの株が生命線、力と質

アスパラガスの育て方で重要なのは、株の「力」と「質」と言っても過言ではない。

アスパラガスは地下茎と貯蔵根に蓄えた養分をエネルギーにして、萌芽を活発化させる性質を持っています。

つまり、太くて甘いアスパラガスを採るには、充実した地下茎を養生する。

地面の中に埋まっている部分=株

これがしっかりしている健全な株さえ仕上がっていれば、何もしなくても太いアスパラガスが収穫できます。

株の力とは、前年度に、貯蔵根に蓄えられた養分の事で、根の太さを指します。

根の養分を消費し、アスパラガスは春の気温(地温)上昇により、萌芽を始めます。

だから栄養はすでにアスパラガスの根が蓄えているのです。これを順次収穫します。しかし、アスパラガスを収穫し続けると株の「力」が無くなってしまいます。

その為、養分 を回復・増大するには、同時並行して、アスパラガスの株を育てる事が必要になります。具体的には養成茎(親茎)を立てて光合成を行い、同化養分を作るということですね。

株の質とは、成長点の数を指します。アスパラガスの株は、地下茎の先端部に2列千鳥に鱗芽をつくりながら大きくなっていきます。

同時に地下茎の外側には側芽も規則的につくり、新しい生長点になって、地下茎は分岐して増えていきます。

つまり、アスパラガスの地下茎の「生長点の数」「鱗芽の太さ」が根の質になります。

しかしアスパラガスは、タネから育てると収穫できるまで3~4年かかります。それまでは、細く貧弱なアスパラガスしか育ちません。

そう、健康的な「根」をつくる必要があるのです。

↑画像は1年目のアスパラガスの苗

収穫するアスパラガスは、標準規格では、長さ27㎝×太さ1.2㎝が良いとされ、上記の画像の茎の太さは1~2㎜程度。

とても小さくて可愛らしくて収穫できません。

その3~4年経過した根を堀上て植えつけすればその年は立派なアスパラガスが収穫できるのです。それ以降は、お得な事にそのまま育てれば、10年は収穫できます。

タネから育てた場合、最初の2年間は全く収穫できません。

アスパラガスの収穫の期間は限定されている。(収穫し続けない!こと)

アスパラガスは、貯蔵養分を使い続けるため、収穫し続けると「若茎頭部の開き」や「細茎の発生」「曲がり茎の発生」など、養分量低下(株の力の低下)して次年度収穫することができなくなります。

その為、収穫を(春どり)を早めに打切り、養分を蓄えるように株を育てます。

1つの区切として収穫打ち切りの目安は(穂先の開きが目立つ・曲がり茎が増える)

収穫を打ち切り、茎葉を伸ばし、根に養分を蓄積します。

夏秋にも収穫したい場合は春の収穫を早めに止め、立茎をきちんと行い(養分となる茎を育ててから)、秋は若茎が発生しなくなるまで収穫します。

アスパラガス株の年数による春どり収穫期間の目安

株の年数株の収穫期間
2年生(収穫1年目)7~10日間
3年生(収穫2年目)15~20日間
4年生(収穫3年目)30~40日間
5年生(収穫4年以上)60~90日間

アスパラガスの育て方

アスパラガスの苗づくり

アスパラガスは種子でも株でも育てることができます。種子からは、2~3年しないと収穫できませんが、株ですと3~5年物のものがあるので、手っ取り早く植えつけて、後すぐに収穫することができます。

しかし、アスパラガスの株の価格は一株〇千円と高価です。

10年位取れるので採算は合うと思いますが、多くは買う事ができません。

そこで、種子から育てるのですが、当然2~3年は収穫できません。

毎年、少しづつアスパラ畑を広げ規模を大きくしているのが一般的かもしれません。

アスパラガスの土づくり

アスパラガスを植えつけたら5年は畑をさわれない。

アスパラガスは一度植えたら10年はそのまま畑です。移植も無い。

アスパラガスの土づくり作業は、全面に土壌改良材→堆肥→肥料を施用→耕うん→うね立て、定植する流れになりますが、

アスパラガスの根は深さ 70cm 幅 150cm 以上に広がります。しかも多年生のため、定植後は本格的な土壌改良が難しくなります。

その為、環境を定植前に整えることが重要ですね。

中々すべての条件をそろえることは難しいですが、できるだけ近づけましょう。

また、アスパラガスは湿害に弱く、一方で乾燥には耐えるものの根が弱り収量が上がりにくくなります。

このため、土づくりは排水性の向上など、土壌の物理性の改善に主眼をおきます。

排水の悪い場所では作らない。高畝にして排水を良くする。

アスパラガスは、やや中性の土壌と肥料を好みます。

PH 5.5~6.5を好みます。石灰質資材1㎡当たり100gを入れましょう。

アスパラガスは野菜の中でも酸性土壌を嫌います。偶に電柱やコンクリートブロックの近くでアスパラガスを見かけることがありますが、コンクリートを作る過程でアルカリ土壌になってアスパラガスの生育環境にふさうからかもしれませんね。

EC 0.2~0.6程度です。3月中から有機肥料を中心に1㎡当たり100g

アスパラガスは多肥を好み、茎葉は高さ2m以上、幅1mにも茂ります。そうでないと太く立派なアスパラガスが採れません。

アスパラガスの雑草・乾燥防止

この位厚く、たい肥をマルチ代わりに敷き詰めても大丈夫!!

夏の高温期にうねが乾燥しやすいほ場やかん水のできないほ場では、敷きワラやもみ殻、腐熟した堆肥でうね面を被覆すると乾燥防止に役立ちます

また、露地栽培での畝の表面を覆う事で、収穫残茎に形成した病気の発生を抑え、雑草を抑える事が期待できます。

アスパラガスの株間と条間の例↓

↑画像は4年目の圃場です。結構高畝にしたはずですが、、、、、平たくなって畝が解らなくなってる(*_*)

アスパラガスの培土

鱗芽の位置は、地表から深さ 10~15cm 程度に位置するのが適当です。

浅いと乾燥害や低温害(凍霜害)、若茎の曲がりを生じやすく、その結果、収量が伸び悩みます。一方、深いと収穫物のロス、萌芽の回転が鈍化し、収量が伸び悩みます。

通路部への有機質資材の施用・中耕とあわせて、うねへ培土することにより、ほ場全体の土づくりがされ、アスパラガスの鱗芽群周辺の「根圏土壌の環境」も向上します。

芽の位置を考慮して培土を毎年しましょう。

アスパラガスの水やりの効果と方法

アスパラガスにとって、かん水は極めて重要。光合成や同化養分の転流にも多くの水分を必要とします。

一方で、若茎の萌芽期間中に土壌水分が不足すると、鱗芽が一時的に休眠状態におちいります。

したがって、アスパラガスの収量確保には増肥よりもかん水の効果が高いことがうかがえますね。

アスパラガスの立て茎の栽培管理の方法

アスパラガスの根を育て、次年度の株を作る

種まきした1~2年目のアスパラガスは直径10~14㎜太さの茎をまず目指します。

アスパラガスの立茎には多くの養分が必要です。健全な養成茎を確保するには、太い立茎することが重要になってきます。

定植1年目(春植えの場合)

直径 10~14mm 程度の立茎が株当たり5~8本確保を目指しましょう。できれば、それ以外の細い茎は株元から刈り取って除去します。

定植後2年目

立茎本数は 10~20 本/m(株当たり3~6本程度)の確保を目指します。

1年目に順調な株養成ができれば、春どりもできますが、直径 10~14mm 程度の立茎ができるよう、春どりを適期に打ち切ります。

ただし、前年の生育が不十分で小さい場合は細い茎でも残して立茎します。その後、太い茎が展開したら、細い茎を除去するようにします。

定植3年目以降

直径 10~14mm 程度(L級規格)の真っ直ぐに伸びた品質の良い若茎を養成茎として立てます。

3年目以降は、1株に複数の生長点がみられるようになり、年生が進むにつれて地下茎は生長点毎に独立してきます。

それぞれの生長点を発達させるように意識して立茎します。立茎をバランスよく配置しないと、生長点が消失します。

アスパラガスは茎や根の役割によって茎を3つ、根を2つに呼び方を分けています。

【養成茎(ようせいけい)】

養分をつくるために、収穫せず茎を伸ばし、側枝を出させた茎。親茎とも言います。

【若茎(じゃっけい)】

鱗芽から伸びた茎。→アスパラガスとして収穫する茎を言います。

【地下茎(ちかけい)】

地上部と地下部をつなぐ器官。先端に鱗芽群(アスパラガスの芽と根を地際部で密集しながら伸びていく部分)をつくりながら伸びていく茎を言います。

【貯蔵根(ちょぞうこん)】

地下茎から出ている太い根。アスパラガスになるために必要な養分の一時的に貯蔵し貯えます。

【吸収根(きゅうしゅうこん)】

貯蔵根から出ている細い根。→養水分の吸収するために必要な根。

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