白菜の育て方【栽培のまとめを画像で解説】

白菜

クセのない淡白な味、その八方美人な味がどんな調理法にマッチし、家庭菜園にもおすすめの野菜です。

この記事は冬の鍋の定番野菜、白菜の育て方についてご紹介します。手順を順に掲載しています。白菜を育てる上での基本として見ていただけたら幸いです。基本情報なので、これが解かれば白菜が作れたも同じです。

白菜の特徴

名称:白菜(アブラナ科アブラナ属)

原産地:中国、日本へは明治以降に入ってきました。当時、愛知と宮城県で産地になりました。

成分:水分が96%。精進料理では白菜・大根・豆腐を「養生三宝」と呼び、重宝されていました。

白菜栽培の特徴

白菜の最適の気候条件は、「秋冬どり」

この気候条件では白菜が作りやすい。しかも品質の良い白菜が収穫でき、白菜の頭部を結束すると1月後半まで収穫を伸ばすこともできます。

播種期間と定植期を守る

作型を早めると病害虫の被害にあいやすい。

作型を遅めると十分に結球しないので商品価値が落ちます。

白菜の品種

一口に白菜と言ってもいろんな品種があり、その特性もまちまちです。

最近の品種は黄芯系白菜が主流です。このうち栽培が簡単で食味の良い、生理障害に強いというのがポイント。

おススメの品種は「黄ごころ65」移植から収穫まで65日の品種。「黄ごころ80」移植から収穫まで80日の品種。

品種についての記事、白菜の栽培【品種の多様な特徴と育て方のポイント】に詳しく掲載しています。

白菜の苗づくり

育苗期間が高い温度の夏場です。苗が徒長しやすく、根の張りが悪くなります。その為セルトレーから苗が抜けにくくなるの苗づくりは重要な作業です。

育苗の中で特に重要なのは水のやり方「灌水」です。

白菜の苗づくりについては、白菜栽培で失敗しない苗の作り方・植え方に詳しく掲載しています。

発芽条件:18~20℃。光を好む発芽です。覆土は薄くかけましょう。

種まき後3日で発芽してきます。

白菜の畑の条件

「干ばつに不作無し」と言われるくらい、白菜は乾燥に強いです。逆に台風や秋の長雨で水分状態が非常に多いと根腐れをおこしてしまいます。

そこで排水の良くするため畝縦を必ずしましょう。また、根張りを良くするために完熟たい肥を毎年入れましょう。甘みがあって、日持ちします。

白菜の重要なポイントのおススメ記事、白菜(ハクサイ)の育て方。【大事なのはこの3つ】に詳しく掲載しています。

輪作

畑がどうしてもアブラナ科同士で連作になりがちです。

連作すると根こぶ病・黄化病・などの土の病気になり易く、いったん発生すると中々解消できません。

アブラナ科以外の大根や雑豆などを作り場所を変えてあげましょう。

白菜の定植後の管理

畝幅100㎝の2条植え株間45~50㎝が標準です。

白菜の植え方について記事は、白菜(ハクサイ)の育て方。結球するのに植え時が大事【水と肥料を切らさない】をご覧ください。

定植後には、2週間後には追肥をしましょう。場所は畝の通路のキワ。除草を兼ねて管理機で通路をおこします。

この時、葉を痛めない事。

傷口から、軟腐病の菌が浸入する可能性があります。

白菜の好む温度:適温は20℃です。外葉は30℃にも耐えますが、22℃以上では軟腐病の発生が多くなります。

白菜の光:光を好みます。必要な光の量は2~4万ルクスと言われています。

白菜の土壌適正:土壌酸度6前後で適正範囲は広い方です。なので土壌酸度を調整する必要はないでしょう。

白菜の病害虫

病害:病害は軟腐病・黄化病・根こぶ病・べと病など

10月から11月上旬に収穫する作型では、なんといっても軟腐病や黒斑最近病の発生が多いです。

軟腐病は、高温多湿。黒斑最近病は、低温多湿条件で発生しやすいです。

両方の病害は、発生したら防除しても手遅れの病害です。結球するまでの防除が必要です。

害虫:害虫はアブラムシ・大根ハムシ・ナメクジ・ハスモンヨトウなど

白菜の病害についての記事、白菜(ハクサイ)の育て方。【被害の大きな4種類の害虫の正体】をご覧ください。

白菜の適地

白菜は年間を通してありますが、適温が20℃前後ですから、冷涼な気候を好みます。夏場の高温に合うと、病害虫や生理障害が発生して防除しないといけません。その為、普通は秋に種まきして、11月から2月に収穫するのです。旬は冬です。

霜に当たるたびに、結球葉が柔らかく、甘みが乗ってきます。

白菜の貯蔵方法

丸のまま1日陰干しして、4~5枚の新聞紙にくるんで凍らない程度に冷たい場所に保存します。

冬場では3~4週間は十分持ちます。

横にすると重みで下になった外葉から腐りやすくなります。箱などに詰め替えると良いですね。

根をつけたまま吊り下げても良いと思います。

一口メモ

・白菜を縦割りするときは、包丁を株元から入れ、3分の1まで切り下げたら、後は手で2つ割りにすると葉が崩れません。

・春先に白菜がとう立ちします。そのとう立ちした蕾をお浸しや和え物にして食べることができます。

それが甘くておいしいです。

 

白菜の雑学

白菜はいつ、どこで、発見されたのでしょうか?

野生の結球した白菜は見つかっていません。中国のパクチョイとカブが交雑して、半結球白菜が誕生したのが始まりと言います。

明治初期に結球白菜が導入されて、試作、採種しましたが、結球させることができませんでした。

日露・日清の両戦役に従軍した人々が、旧満州で現在の「タケノコ白菜」に出会い、その種子を持ち帰ったのが白菜のルーツだそうです。

実は、この白菜の結球しない事実からわかるように、他のアブラナ科の花粉が白菜に容易に交雑します。その為、白菜の優良な遺伝子を維持できないことが起こりました。その流れが、今の大阪シロナ・広島菜のルーツと言われています。

種した白菜の種子を畑にまいても白菜ができなかったのです。

理由は元々白菜はカブ・小松菜・菜種と親せきです。つまり、春には日本中、一面菜の花畑が見られました。白菜は簡単に菜の花と交雑してしまいます。

その為、できた種子は白菜の種子ではなくなってしまい、結球しなくなっているのです。

そんな理由で、採取ができるようになるまでは、白菜の種子は中国から輸入していたのです

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