ロマネスコ(ハナヤサイ)の育て方【意外と面白く、人気のあるフラクタルな野菜】

野菜の栽培方法

近年、その変わった姿からロマネスコを栽培する人が増えてきました。

美しいサンゴのような形と鮮やかな色合い、フラクタル構造を楽しむために作っている方も多いのではないでしょうか。

私だけではないはず。(笑)

フラクタル構造を簡単にいうと、その形の縮小された形で構成されている性質のことを言います。

同じような形が大きさを変えて延々と続く構造で、自然界の雪の結晶や樹木の枝、オウムガイをはじめ、ありとあらゆるところに見られるので、「神の指紋」と呼ばれることもあります。

↑の図形は、シェルピンスキーの三角形と呼ばれるもので、この図形を4等分したものは元の図形と見分けがつかないですね。

その見本のような野菜がロマネスコです。

ロマネスコの形は人工的な感じがしますが、図形の作り方をちょっと変えるだけで、実に自然で、山の形、雲の形、海岸線、木の形など自然界には様々なフラクタルがあります。

小さな形の集まりで大きな形が作られている

って感じですね

写真からわかるように、同じ形の繰り返しにより全体が構成されています。このような「非現実感」がフラクタルの魅力に1つです。

ロマネスコ栽培を完璧にしないと、ここまできれいな形には中々できませんが、目指したく、ワクワクしますね。

ロマネスコ(ハナヤサイ)の育て方

ロマネスコは花キャベツ・木立花牡丹とも呼ばれています。

ブロッコリーやカリフラワーと同様、小さな花の蕾が集合している部分を食し、クセのない味が特徴で、サラダなどにして食べるのが人気です。カリフラワーの仲間です。イタリアを原産地とし地中海沿岸は、冬は湿度が高く、夏は高温で乾燥しています。

発芽適温:20〜25℃ 生育適温:15〜20℃

私個人的にはブロッコリーやカリフラワーの方が美味しい様に思えますが、ロマネスコはその鮮やかな見た目と形が最大の魅力。

サンゴの様なきれいな見た目と鮮やか色もこれからの野菜のニーズだと感じざるをえないですね。

収穫期:11月下旬~3月です。寒さや病害に非常に強くて、越冬します。

私の地域は雪国で積雪1m以上積もっても雪解け後から、開花したロマネスコが花を咲かせているのには驚きました。

下の画像は雪解け後のロマネスコ。

もちろん、開花した後も成長しています。収穫適期を過ぎてくるとさらに大型になり、形が少しづつ崩れてきます。

↑のロマネスコ(2021.3.22)の画像を見ると花の形が下の方から大きくなり形が崩れてきているのが解ります。

また、ロマネスコはアブラナ科の植物なので、連作障害(同じ土壌で、同じ種類や同じ科の植物をつくり続けることによって発生する生育不良)に注意が必要です。

過去にアブラナ科の植物(キャベツ、小松菜、ブロッコリーなど)を育てた土は、使わないようにしましょう。

ロマネスコの品種

ロマネスコにも種類がいくつかあります。

スパイラル・ネオスパイラル・ダヴィンチ・ミケランジェロ(サカタのタネ・渡辺農事・トキタ種苗等)
中早系で、秋どりでは植えたあと約90~105日で収穫できます。

品種名の違いがあるのですが、生育や形・味にはさほど大きな違いは無いように思います。

ロマネスコの土作り

ロマネスコは酸性の土壌が苦手で、どんな土でも大きく育つというわけではありません。そして、肥沃な土地を好む植物なので、常に栄養たっぷりの状態に土壌を保つ必要があります。

つまり日本の土は酸性に傾いているので土壌の酸度を調整する必要があります。

植え付け2週間前に、1㎡につき100g(土の表面が薄白くなる程度)を目安に石灰を撒きを施してよく耕しておきます。

ロマネスコの育て方の大事なポイント

ロマネスコは、キャベツやブロッコリーと同じく、大きな外葉を作る必要があります。

種からと苗からの2つの方法がありますが、苗の市場にはロマネスコは特殊な野菜です。

わざわざ数本育てるの為に種子から手間をかけるなら苗を購入したほうが手っ取り早いと言えます。ただし、苗は中々手に入れる事が難しいかもしれません。種子の方が無難かもしれません。

ぶっちゃけ、ロマネスコは、ちょっと珍しいから・面白い形を楽しむための野菜です。

ロマネスコは暑性に優れない。

ただし、種から育てる場合はちょっと面倒、キャベツやブロッコリーを作っているのでついでに作る場合は問題ないですが、夏場に種まきして秋から冬に収穫する野菜は、夏場の苗作りが難しいです。

タネが発根するまでは直射涼しく日の当たらない場所に置き、管理する様にします。

例えば、種をポットにまいたら、新聞紙1枚のみ(2枚以上は発芽不良になるので注意)をかぶせるなどして直射日光を避け、温度が低めの場所で発芽を待ちましょう。

また発根したら双葉が開く前に、日当たりの良い場所へ移動させてください。

夏場の苗の徒長防止するに「苗を外に出す」事です。これだけ。

日当たりの良い場所に出すタイミングが遅れると徒長した苗になりますので、注意しましょう。

ロマネスコの苗選ぶポイント

葉に厚みがあり、色が濃いものを選ぶのが基本です。茎がしっかりしているかを確認しましょう。

苗は、本葉が5~6枚までの大きさで植えつけ(定植)です。

元気のない苗は黄褐色の葉がわきから出ていたり、徒長していたりします、細部までしっかり確認して購入しましょう。

植え付け時期と方法

ロマネスコは、低温になると花芽ができやすい性質を持っています。

涼しくなりすぎる前に植えないと、まだ株が小さい状態で低温に出合ってしまい、株が十分育っていない間に花芽ができてしまいます。

初心者には90日で収穫できる早生種が植え付けの時期が広くておすすめです。

ロマネスコ苗の植え付けの手順

①土に、苗を入れているポットよりも少し大きめな穴を掘ります。

②土を壊さないように苗を植え込みます。畝間100㎝株間は40cm〜50cm・2条植植えにしてください。

③植え付けた後は土が乾燥してしまうので、たっぷりと水を与えましょう。

ポリポットで育てていた苗を、酸度の少ない土を入れた鉢やプランター、地面に定植させます。

大きい苗にしたい場合は、大きな鉢に1つの苗、もしくは地面に株間40~50cmを開けて植えてください。

プランターに植える際も、そのサイズに応じて少なくとも株間30cmを見て、例えば60cmのプランターであれば2株が適しているでしょう。

ロマネスコの管理作業

水やりのタイミング

ロマネスコの場合、水やりのタイミングは土の表面が乾燥したときで、株全体に水が行き渡るよう、たっぷりと与えます。

土の中に湿度を保たせるのがコツで、土の中が乾いているとロマネスコは大きく育ちません。表面が乾かないようにしましょう。

頻度は季節によって変化しますが、1週間に1〜2回ほどを目安に、朝に水やりするようにしてください。乾燥を防ぐために、土の上に藁などを敷くのも育ちやすい土壌を保つのによいでしょう。

ロマネスコの肥料

最初の蕾ができるまで肥料が常に足りている状態に育てるのがポイント。

まず、土壌をpH6~6.5ほどの酸度にし、苗を植える2週間前に元肥を施します。定植の直前に施してもあまり効果がないので、2週間ほど前に与えます。

牛糞などを使った堆肥を1㎡あたり3kg、そして、化学肥料を1㎡あたり100gが元肥に適した量になります。

さらに、追肥を行わないと大きな株になりません。定植したら、25日の間隔で追肥を与えましょう。

ロマネスコの収穫

花が咲く前、蕾が固いうちに収穫します。

私の様に食べるのではなく花を愛でたい方は、収穫に適した時期を過ぎてからも、しばらく植えたままにしておきましょう。

しばらくすると、菜の花に似た黄色の花が咲きます。

ロマネスコの生理障害

ボトニング
花蕾の発育に必要な葉が生える前に花芽が分化し、株が小さくなる症状で、花蕾の発育に必要な葉の数に満たないうちに低温に遭遇すると起きやすい病気です。

リーフィー
花蕾の中に小葉が発生する症状で、花芽ができる頃に十分な低温に当たらなかったとき、さらに、花芽分化後に高温にあたり、栄養が与えられすぎると起こるとも言われています。

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