野菜の種(タネ)の情報が大事
野菜のタネを選ぶのも、野菜作りの楽しみの1つです。この記事では、タネの袋に書いてある情報について、選び方を掲載しています。この記事を見ると生えるタネの選び方が解ります。
野菜の種袋は情報が盛りだくさんです。情報を濃縮してピンポイントに必要なことだけを抜き出して書いてあるんです。特に注目して欲しいのは、生えるかどうか。あと時期ですよね。これを間違えると必ず失敗します。
たいていの方は、タネの袋の画像の野菜を想像して買われると思います。
後、タネの袋を触ってみて、手触りでタネの量を確認して、、、
取り敢えず、画像の見た目重視ではないでしょうか。
初めての野菜はタネの袋の裏側に書いてある通りにしませんか?でもよくわからないから、ホームセンターで苗を買いそのまま畑に植えるのではないでしょうか。
私はタネも考えての苗半作「種苗半作」だと思います。
最近話題の種苗法
2021年4月から順次施行された改正種苗法では、「自家増殖(自家採取を含む)の原則禁止」の方向性が示されたことで大きな話題となりました。しかしこれは、海外流出防止等ができるようにするための措置が最たる理由です。
理解しておきたいのは、「自家増殖(自家採種を含む)が制限されるのは登録品種だけ」という点です。つまり、地域で伝統的に生産されてきた「在来種」や、一度も品種登録されたことのない「一般品種」については、これまで通り制限の対象になっていません。
農林水産省「種苗法の一部改正概要 令和2,12、2」
種(タネ)の袋について「裏の事情」
タネの袋の裏側を詳しく見たことがりますか?
いつ播くのか種の播き時があってるかでしょう。普通は表の写真のようなりっぱな野菜ができることを想像して、
例えばタイトルの「大玉で作りやすい!早生種」って所しか見ないですよね。
しかし、タイトルはあてになりません。たぶん自社内比較ですので
冊子1冊分くらいの情報を濃縮してピンポイントに必要なことだけを抜き出して書いてある。良い事をざっくり書いてあります。
唯一確かな事が書いてあるのは、その野菜の袋の裏側です。
なぜ、面に書いてあることが、あてにならないのか?
それは、先ず写真は選りすぐりの1品の画像。しかも画像修正入ってますよ。
また、地域によって気候や土が全く違うから、作物の出来も違います。当たり前ですが、種苗メーカーは各地域で各種の試作試験を行いその中で生育の良いものを。
「2019○○賞です」いつ種まきしても、寒暖どこ寒暖、美味しくて、きれいな野菜が作れたらそんなに数多くの品種が世の中に有るはずありません。
この地域にこの時期なら、このタイプの品種が無難という程度です。
各地域で試交配品種として、試作試験研究を何年も、継続しています。
結論は作ってみないとわからない。
でもやはり失敗はしたくないので、種苗メーカーは比較的病気に強いものを「家庭菜園向き」など比較的作りやすい品種を家庭用として販売しています。
ということは、当然プロ農家専用の品種があるのです。「どこでも作れる訳ではないが、場所や時期を選べば最高のものが採れる」プロ品種は一般に流通しているものから、こだわりの品種、時期や地域限定で販売しているもの。種苗メーカーのカタログに無い隠れた品種があります。
例えば、「ハウス桃太郎」「抑制栽培向き」とか、施設や時期を限定した品種。
また「地域限定」「試作販売品種」など出回らない産地用のタネが存在します。地域ブランドなどいろいろな事情があるんですね。
良いタネの選び方「タネ袋からみる」
現在の種子はほぼ全て生えると言っていいです。種子の選別や保存技術が発達した今は安心できる種苗店で購入したものであれば大丈夫。生えないのは種ではない他の原因を疑ってみてはいかがでしょう。
では実際、タネ屋さんは種が生えるためにいったいどのような工夫をしているのでしょうか?2つの事例を見ながら説明していきます。
有効期限=種の寿命ではない!?
種の袋の裏側の画像
青い□で囲んだ所・緑で囲んだ所を注視
見づらいですが1番上の段。「有効期限 2020年4月 発芽率85%以上」です。
これは1年前の2019年4月に発芽率を検査したところ85%以上あったという事です。
これは種苗法の決まり事で、発芽試験をした日から1年間を有効期限にしていいということに決まっています。
法律で定められた商品として流通させていい期間です。
比較的長く生きる種もあれば、短い間に発芽率が落ちていくものもあり、野菜のによって色々です。例えばトマトやナスなどは比較的長命だけど、ニンジン、大豆などは短命だと言われています。
つまり、品種格差があり、発芽率の有効期限が近づくほど落ちていきます。
コチラの袋には「青い□で囲んだ所」発芽率検査年月日が’19年.10月現在 75%以上です。
これは2019年の10月に発芽試験したところ75%以上のタネが発芽しました。
コチラの方がわかりやすい。
種の信頼性 「製品ロット」
信頼性のある種苗には右上の数字が製品ロット番号が書かれています。
こちらは、左下。
上の青い表には製品ロLOT382ト と書いてあります。下の白い表にはなにも記載がありません。製品LOTは、その種子の生産や管理などの情報を特定するためのものです。もし何かしら種子に問題があった場合に種苗メーカーが原因を突き止めるため、また出荷した先が一体他にもどれくらいの数があるのか等の情報番号になります。
なのでこれも、大事な要素ですね。
野菜のタネを長持ちさせる工夫
容器包装材の表記「DF」「P.PE.M.PET」
DFとはアルミフィルムやポリエチレンフィルムとの複合構成により防湿性を高めたという意味です。
P・PE・M・PETとは、成分の多い順から、並べてあります。
P=紙 PE=ポリエチレン M=金属 PET=ポリエチレンテレフタレートです。
色々な素材を使った複合素材です。近いものには、レトルト食品や冷凍食品の袋に似ています。袋が多重構造になっているシリーズもあって、内側に、アルミが入っていたりする。ガスや湿度の透過率をチェックして発芽率が落ちない工夫がしてあります。
なぜこのような袋に入っているかというと、密封性.防湿性.耐熱性.でしょう。このような素材は、流通での圧縮や変形、酸化や紫外線、ネズミや虫などから守ります。
因みに、P<PE<M<PETの方が良いとされています。
また陳列しやすく、見た目がきれいですね。
と書いてあります。紙の素材です。しかも糊付けですね。なので、水にれるとしみこみ、タネがだめになります。ネズミもかじるかもしれません。
野菜のタネを撒きやすくする工夫
種子の処理と数量の表記
コチラは数量180粒 この袋に種子が180粒入っているということです。最近は種子が体積(ml・dl)ではなく粒数です。
例えば、プラグトレー128穴なら、2枚必要だとわかりますね。発芽率85%以上なら苗を153本は作れます。より正確です。
また、フイルムコート種子とあります。これは、種子にポリマー加工して色を付けました。
何かと言いますと、タネに殺菌剤の消毒と種まきした時に落ちているかどうか見やすくするために目立たせる為に色を付けています。
ほかにもいろいろな技術によって発芽しやすいようにしています。詳しくはタキイ最前線をご覧ください
コチラの方は数量30mlです。
なぜ、粒数と容量で種子のはかり方が違うのかというと。葉物野菜は一般的に種を取りやすく、取れる量も多い。果菜は量が少なく、手間がかかる。それに、葉物は育てた株がそのまま収穫物になるので種をたくさん使います。果菜や育苗して撒く野菜は一つの種から株を大きく育て、そこからたくさん収穫します。コストや種まきの方法が影響しています。
つまり、粒数で書いてある品種は手間がかかって、コストも高くなった品種。容量で書いてある品種は、種取りし易く、たくさんタネが採れるってこと。
商標登録された品種
マークご存じだと思います。商標登録された品種にはタイトルの後ろに、ゴマ粒みたいにが入っています。
特に商標登録の品種は種苗会社のおススメと絶対の自信がありますから、おススメで間違いないです。
タネの選び方について例を挙げながら説明しました。
種子の表記(交配種)
○○交配って何?
野菜の種子・畜産・品種改良の生き物で使われる用語です。
簡単に説明すると(F1= Filial 1 hybrid)フィリアル ワン ハイブリットの略称です。
○○交配と書いてないのは、固定種です。固定種とは混じりけのない品種です。地域の伝統野菜なんかは、自家採取していますので交配しているわけではないですから、固定種です。
ここだけの話ですが○○育成は固定種。例えば、大豆・在来種・○○唐辛子とか○○瓜です。
探してみてください。このような品種は、紙の袋に入って、○○ml、発芽率○○%以上、15%増量とか書いてあります。
地域の伝統野菜は、地域で採取しているのですが、毎年更新できているわけではありません。その為、発芽率がある程度下がっています。
生産地 ○○県、とってもレアで貴重な伝統野菜の表記かもしれません。
因みに福井県の伝統野菜もいくつかあるのですが、私の町でも「かわず瓜」「えごま」を採取しています。因みに固定種です。
まとめ
技術が進み、近年種子の「発芽」が非常に良くなってきています。発芽と品質だけを見るなら表示を見ればわかります。しかも品種も遺伝子で分別できるそうです。種子の袋を見ると何となくですが、種子の事情が見えていますよね。野菜を作る目安となってくれると嬉しいです。
- タネの袋は、ラミネート加工したものが良い。
- マークは種苗会社の自信作
- タネの量は、体積ではなく、数量が良い。
- 種子の発芽率の増量は一見沢山あるから良い様に見えますが、発芽率が悪いデメリットの方が大きい。
- 在来種はお宝が眠っている可能性がある。採種してみよう。
皆さんもお気付きだと思いますが、種子の生産地は日本ではありません外国がほとんどです。
日本で作られている野菜のほとんどが外国で生産された種子を使っているという現実です。日本で作られた品種にもかかわらず。しかも、日本で使っている肥料のほとんどが外国産です。
近年、除草剤耐性のある野菜とか、遺伝子組み換え植物が騒がれていましたが、今はゲノム編集技術です。日本では「遺伝子を壊したゲノム編集食品に関しては、従来の品種改良による食品と差がない」という事です。
種を作らない種「ターミネーター遺伝子」種苗法改正と大変大きな流れが見られます。外国に頼る農業になっているのかと改めて思いました。
もうこの流れは止められないかもしれません。知らず知らずのうちに食しているかもしれません。100年後の事よりも10年後の事が大事だそうです。もしかしたら自分でタネを採取することができなくなる時代になるかもしれません。もしかしたら、完全自動化の農業がやってくるかもしれません。
タネは食料の元です。食料生産が世界、いや一企業の独占になる可能性があるんです。農業の将来はいったいどうなるんでしょうね。
とにかく、家庭菜園はきっと続くでしょう。自分で作ったものほどおいしいものは有りません。楽しめれば、ちょっと家族のだんらんの一役になればよいそれでいい。そんな魅力や発見があります。
まだ、ブログも始めたばかりで不慣れですが、よろしくお願いいたします。(*’ω’*)
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