最近野菜は暴騰暴落しなくなったように思います。私の若いころは、「農業は博打や」って聞いて、あの農家はメロン御殿があるよ。って農林漁業ってそんな世界があるんだと、不思議に思っていた記憶があります。実際、私が行った農業大学校の入学式に新車のスポーツカー(三菱GTO・・)乗ってきた同期で農家の息子が居たのを思い出しました。
作り易い野菜こそ価格が変わり易いのかも。
最近は加工用や契約栽培によって少なくなりましたが、キャベツは暴騰暴落しやすい農産物です。この変動が大きいのはその作り易さにあります。作り易いからみんなが作る、天候に左右されやすい、そうなると市場が安定しない。=変動が大きくなる。私が栽培していて結球しないキャベツはほとんどありませんでしたから。
キャベツの育て方
キャベツはほとんど周年栽培(1年中作ること)できると思っていいです。家庭菜園なら種苗店に行き、時期の品種の苗を買う。10本もあれば十分食べることができます。
肥料は白菜ほどはいりませんが、結球しだしてからでは手遅れですので最初に肥料を与えてください。そして一番厄介な育苗を省くことで、良いスタートが切れると思います。キャベツの苗づくりは、発芽や徒長するなどちょっとだけコツがいります。
キャベツ栽培の3つのポイント
①作り易い、作りにくい品種があるキャベツには、最大の注意事項があります。
絶対に虫がつきます。美味しいキャベツ程付きます。虫よけの完全被膜が必要になります。
品種によっては虫、病気に強い品種もあるのですが,あまり美味しくないですね。
キャベツの原産地
原産地は地中海沿岸です。野生種は、ケールを思い浮かべてください。そうです。「青汁」です。まずい。けど体に良いといわれてる青汁です。同じ仲間として、ブロッコリーやカリフラワーです。キャベツは、「生でも、焼いても、煮てもとっても美味しい、甘い、保存性が良いのが特徴です。最近「雪下野菜」って雪の下で貯蔵しキャベツの甘みを出す保存方法が出てきました。
キャベツは収穫してもなかなか萎びてきません。ついつい、保存していたのを忘れるくらいですね。
生育の特徴
キャベツの生育はやや酸性が好きですので石灰を少しまいてください。酸性が強すぎると根こぶ病になります。キャベツと同じアブラナ科の品種(白菜・ブロッコリー・カブ・カリフラワーなど)特有の土の病気で、また次年度も再発する恐れがあります。これを防ぐのは土を加湿にしないのが良いとされていますが、秋冬にかけては中々乾かないので難しいです。高畝や石灰をまくことでならないように注意が必要です。
生育の適温は20~30℃ですが、5℃でもゆっくりとですが成長しています。すごいことに、0℃では成長こそしませんが、枯れることがありません。しかもマイナス5℃でも大丈夫と言われています。
キャベツの大小は、葉の大きさと厚みだけ。
キャベツは結球します。当たり前ですね。白菜は葉が重なって結球しているように見えるのですがキャベツは巻きます。結球するまでの間、外葉、言い換えれば横に開ききった状態のおおきな葉がつき次と展開し、18~20枚で結球します。早生、晩性、大小関係ありません。
何が違うのか?それは、葉の大きさと厚みです。白菜と一緒。大型品種の重量が重いというのは1枚の葉が厚くて重いから時間もかかるそれだけ。
②できるだけ小さな苗を植える
苗は、「128穴のセルトレー」にキャベツを1粒づつまいて苗を作ります。ポットでも構いません。
20℃前後の温度と十分な水分があれば十分発芽します。ただし、3日後くらいで発芽するのですが、そこからあまり水をやり過ぎる苗が伸びて軟弱になります。育苗する場所の換気と水分を少し減らし、セルトレーの下から根が出ないように苗箱の下に育苗箱を置いて隙間を作って管理すると風とおりが良くなり、苗の徒長を抑えることができます。それでも徒長する場合は、思い切って外気にさらしてください。夏の育苗ですからちょっと心配なのですが風当たりが徒長を防ぎます。
定植する「苗の大きさ」は画像のような本葉3~4枚で植えつけています。苗が深くならないようにし、植えつけ後はたっぷり灌水してください。「根付水」活着して苗が落ち着くまで、こまめな灌水が必要です。
③キャベツができるかどうかは外葉で決まる。
18~20枚までの外葉が光合成をして養分を生成すると考えられます。その外葉が青虫に穴だらけとなったらどうなりますか?
これでも、小さいながらにキャベツは結球していきます。
少ない養分で、葉脈にため込まれた養分を使って結球するのです。
これは、カリフラワーブロッコリーにも言えることです。ここが白菜とは大きく違います。白菜の場合は葉が込み合わないので結球できません。お花のように開いたままになります。つまり、外葉の筋さえ残っていれば、後の葉が無くてもキャベツができます。
結論
「外葉をどれだけ健康に育てることができるか?」これでキャベツ大きさが決まります。
18~20枚の葉の養分状態で決まってくるので、結球が始まってきてからの肥料はもう効果がありません。
最初の話に戻ります。なぜキャベツが暴騰暴落していたのか?
農家にとって、キャベツがお得なのは大きいもの、つまり晩性種しかも、作りやすい。ですが収穫時期が全国の産地が重なります。だから、収穫期が読みにくく偏りが起きやすいということが理由の一つといえます。なので、早生を使ったり、加工用や契約といった栽培が普及し、価格変動を抑えているのですね。
蒔き時
春まき「春にまいて、夏から秋に収穫」暖地向き
夏まき「夏にまいて、秋に収穫」寒冷地向き、高原向き
秋まき「秋にまいて、冬に収穫」暖地か中間地
今度からキャベツの下を覗いてみてください。
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