私は農薬を使っています。否定も肯定もするつもりはありません。
農薬を使わないで済むなら使いたくない、そんな普通の農家です。
この記事では、農薬というものが、農業生産にとっては、当たり前です。農薬について安全でないという意見も多くあります。そこで、農薬は安全でないという視点で農薬について書いています。したがって農薬の安全性について学べます。
最初の画像は「101匠の会」という家庭菜園をしている80代女性の集まり、その憲章です。
農薬と化学肥料を使わない野菜作りをし、直売所に野菜を出しています
皆さんとても元気で何より、明るい(^_-)-☆
その憲章にあるように自然の営みを邪魔しないで、後世に先祖から引き継いだ故郷をちゃんと引き継いでいけたらいいなあ。「プラスマイナスゼロ」単純にそう思います。
農薬まく人、まかない人
「やる、やらない」の議論は、安全安心のことではなく自信や信頼の部分で、農薬をどのような扱いにするの。市場で勝負するなら、規格(見た目)が非常に重視されます。
高収益・希少品を重視するなら、自然農法や有機農法、ライフスタイルを重視するなら「生き方」を尊重しています。情報が重要視される今、そのような個々を尊重した農業になっていく、進行形です。
両者が対立することがおかしい気がします。
日本の農薬使用量が世界で1位!?
「日本の農産物は危険」嘘か真かわかりませんが、こんな記事がありました。
「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。あなたの健康を害するおそれがあります」
ヨーロッパでは日本旅行者へ、このような一文があるパンフレットを渡されるそうです。
また、農薬も問題です。日本は、農薬の使用量がとりわけ高い。平成22(2010)年までのデータによると上から中国、日本、韓国、オランダ、イタリア、フランスの順で、単位面積あたりの農薬使用量は、アメリカの約7倍もあります。
えっ、マジ?(*_*)この一文どこかで聞いたことあるような。思いだした!
日本のは、小さな島国でそのほとんどが山林です。日本の農業は、集約して農産物を栽培しています。その面積当たりの生産量は高く世界有数です。そこに投入する肥料や農薬の量は、世界に比べ多くなるのは当然です。
緩すぎる規制、グリホサート
近年、話題になっているグリホサート系除草剤、いわゆる「ラウンドアップ」の残留農薬の問題です。
現在日本で使われているほとんどの小麦製品は海外からの輸入品(アメリカ、オーストラリア産)です。そのほとんどの製品から日本の基準値以下ですが、グリホサート(発がん性・アレルギー等の原因)が検出されています。
基準値以下だから問題ない?そもそもですが、基準値と使い方が間違っているとしたらどうでしょう。
グリホサートの使える農産物って、遺伝子組み換え作物って事です。
つまり、日本の規制、すべてがゆるゆるのお花畑なんです。
海外で受け入れられない日本の野菜
農薬まみれの日本の野菜や果物は危険すぎると判断されている事実があることを皆さんは知っていますか。
以前、2004年、中国産冷凍ほうれん草の残留農薬事件覚えてますか?この風潮があって国産が一番、日本のものは安心だとしてきました。冷凍中国の餃子とかで、日本の基準は安全安心だと勘違いしていませんか。
根拠がありません。日本農業の信頼は崩壊してます。
農薬まみれその理由は
世界では、日本の野菜は危険と言われているのです。農薬汚染されているとみなしている。
東京で開かれた農薬問題の国際シンポジウムに来ていた海外の研究者は日本の残留基準の高さに呆れ、
『輸入を絶対に認めるつもりはない』と断言。」「日本のネオニコチノイド系農薬の残留基準は、事実上基準のない中国を除き、世界で最も高い水準にある」
と発表した。とあります。
日本の残留農薬の基準は他国の10倍~100倍
上のグラフは、1ヘクタール当たりの農薬使用量の年次グラフです。オレンジ色の棒折れ線が日本。その他がドイツなどヨーロッパ諸国です。
オレンジのラインが、断トツに高い。
「農薬大国ニッポン。本当に国民を守っているのか?子供たちを守っているのか?」と、一部の利益や保身優先になっているとも言えます。
直ちに健康に害はないと判断され、予想されるリスクには先回りしていない、という現状があるのです。「このような現状を変えていかないと、日本の食事情はどんどん危険になるのではないでしょうか」
そう識者が言っています。
絵の方は、残留農薬の基準値以下なら問題ないということです。日本の基準が甘い?って言ってます。
農家は残留農薬の検査を定期的にしていない。
日本の農業もようやく「農業の生産工程を見直し、健全な農業をすべくGAPを取り組み始めています。」
ちょっと、過激ですが、ある所では、このように書かれてます。確かに、データに基づいた結果なのです、もう少し冷静に見てみましょう。
日本農業は農薬まみれなのか。農薬まみれになる3つの理由!
高温多湿な気候
栽培作物の違い
農法の違い(集約的農法)
簡単に解説します。
①高温多湿な気候
日本には四季があります。何回か話していますから読んでみてください。日本ほどなんでも野菜が作れる国はありません。なんでもです。南のパイナップルから北の小麦。雨が多くて温暖な気候は、農作物もなんでも育ちやすく、良い環境です。しかし、梅雨や猛暑、秋雨、と日本はジメジメしたっ国です。これが他の国より病害虫が発生しやすい環境といえるでしょう。
また、田畑面積が小さいので技術や農薬を使って生産量をあげていたのが日本人です。単位面積が小さいほど、農薬使用量が増えます。逆に単位面積が大きいほど農薬使用量が減ります。そうじゃありませんか?スーパー食材買ってきて調理したら、余りませんか?材料!他の国に比べちょっと無駄が多いのです。
②栽培品目の違い
どんな作物を育てるのかによって、農薬の使用量は異なってきます。狭い面積を利用して作物を長く、多く収穫できるような作物をたくさん育てているというのが日本の農業です。
例えば畑では、ナスを春から秋まで栽培し、トマトやキュウリなど施設ビニールハウスで栽培する、水田もそう、小さな農地をうまく利用しています。そもそも、1年1回の農薬回数の少ない単果性品目(米や大豆や麦)の作付けが多い国と長期取りの連続着果品目(トマト・キュウリ・ナス)が多い国とでは比べる方が間違いなのです。この統計は、国別単位面積あたりの農薬使用量です。
これは全農薬使用量を全作物の栽培面積で割った単純な数字です。
③農業の違い(集約型と土地利用型)
日本では1年にジャガイモ栽培した後、だいこん栽培する2毛作。ほうれん草など6作以上栽培する執念栽培!?間違えた◎周年栽培。
1年に栽培する品目を2作3作もします。施設ビニールハウスもそうです。これを集約型農業というのですが、このようなスタイルが日本が多いです。水田でも温暖地帯では2期(1年に2回米を作る)また、2年3作(2年で米+麦+大豆などの3作、作る栽培)の輪作として、水田を活用しています。
つまり、大きな国土を持っているアメリカやフランスなどは、こうした国土の広さを生かした小麦や大豆、トウモロコシを1年1作生産する土地利用型農業を得意としていますよね。日本の土地利用型とは桁が違います。
つまり上記のように農地集約型だと使用量が多くなります、いっぽう土地利用型で大面積を利用すれば使用量は少なくすみます。
作物によって違うのに、そこが考慮されていないため、単なる平均値でいわれても参考にはならないと思います。
出典:農林水産省データ(FAO)
日本の農薬は適正に使っているのか。
農薬の防除指針(東京都産業局)があります。結構幅が広いし、JAの営農資料にはたくさんの農薬と価格がびっしり掲載されているのを見ると、ちょっと引きます。総農薬回数は単品の薬剤ではありますが、総合的に何回という答えはありません。
また、日本の農業者の年齢が、高齢化しています。そのような状況の中、十分に指導がなされているのか?あわてて、gapを日本が取り入れているところ、まだ浸透していない事を見るとなんだか、問題意識が薄いです。
正直、結構農薬の量が多いのには私も驚きました。
農薬使用量の推移については多くの国で横ばいか減少傾向にあります。特に日本、オランダ、イタリアといった集約園芸的生産に特徴のある農業では農薬使用量の水準は高かったが、これらの国では近年は減少傾向にある点が目立ってます。
せめて、日本とよく似た農業先進国であるオランダと同等もしくはそれ以下であってほしいですね。中国・韓国はどうでしょうね。
確かに、畑が温かくなってくると病害虫が発生しやすくなり病害虫被害によって、出荷できる作物が減少することは、農家にとっては死活問題。
虫食いの野菜は商品価値が下がり、市場では出荷できない場合も出てきます。普通に出荷し、安定した供給をするためには、必然的に農薬を使わざるを得なくなります。やり方を間違えるとと雑草も害虫も、どんどん耐性がついて農薬が効かなくなります。
先のブログにもお話しました。「いたちごっこ」のように、どんどん強い薬をまかざるを得なくなるのです。
いかかでしょう。東京オリンピックも近づき、外国の方からこのように見られているのがちょっと残念ですね。
まだまだ、海外の方に日本の良さをアピールするところや機会はあると思いました。
日本人の農業の技術と先祖から受け継いだ水田や文化をもっと知ってもらう機会ではないでしょうか?例えば、後世に引き継がれる環境面の負荷としても、安全性と生産性を知ることも必要です。
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