大根が太くならなかった、短かった、曲がった、
ねじれた、割れた、スが入ったなど、想像していたものと違った形になることはよくある事です。
この記事では大根栽培での曲がる原因や品種による違い、品質を良くするための方法、特に曲がる原因について説明しています。これを見ればまっすぐな大根が作れます。
大根が曲がる原因とは
地上部の曲がりがほとんど、抽根性の品種と根の動き方。
大根が曲がる原因は、頭(葉の部分)が大きくなる事で大根の上部が重くなり、根の部分がその重さに耐えきれず、少しずつ曲がっていくのが原因。
主に曲がる箇所は、地上の部分です。長くなる大根程、曲がります。
収穫まぎわ頃の大根がよく曲がります。
大根の種類によって、細く長い大根程曲がりやすい。葉の大きさなものほど曲がりやすい。葉の小さなもの、根が深く地面に入る品種ほど曲がりにくいと言えます。
品種では、良く曲がる大根は宮重大根、練馬大根、守口大根、理想大根など
曲がらない大根は、桜島、聖護院、源助、など当たり前ですが、ずんぐり短い大根です。
根の上部が地上部にせり上がってくる性質を言います。コレ↓
地上部に土がついている部分が10㎝程度ありますね。その部分がせりあがったのです。
誰かが抜いた訳ではありません。
下に伸ばせないなら、上に上がればいいじゃん。って声が聞こえそう( `ー´)ノv
抽根性の品種は、たぶん皆さん普通に使っている青首大根のことです。
地上部が多いってことは、曲がったり、凍結して腐る確率が高いってことでもあります。
1つは、大根が小さいときに、根の部分が浮き出てしまった、徒長してしまったことで、初期の小さなときにすでに曲がっていたこと。原因は、間引きが不十分、良い株を初期の段階から選別しないといけなかった事。
抽根しない品種
「吸い込み性」の品種を使う。分かり易くいえば白くび大根です。
練馬大根や三浦大根等加工用大根が、この「吸い込み性」の品種です。つまり、根が下に伸びていきます。欠点は収穫しにくい。
青首大根は、大根が短い内は、曲がりません。それ以上長く畑に置いておく場合は、土寄せして栽培するのが鉄則です。
地下部の曲がり
もう1つの曲がる原因は、大根の根の動き方です。
この原因は大根の間引き不足です。
また、大根の根の所に石がある、水が溜まっている、肥料の塊がある等、素直に根が伸びれない状態ある場合です。
このような場合は、大根の根を張ることができないので、1本ではなく、2又や3又に分かれたり、根の成長を止めたりします。
大根の品種は数多く存在しています。
日本ほどダイコンを栽培し、利用している国は他に例がありません。
日本のダイコンの品種数は数百といわれ、各地域ごとの風土文化に適応した品種が栽培されています。
また大根は、温度に対して色々な品種ができてきました。
青首大根の品種がなぜ、こんなにも沢山有るのでしょ?
迷いますね。
春まき、秋まき、20日大根や、聖護院大根の特徴がはっきりした大根ならわかります。
しかし、「似たような青首総太り大根がなぜこんなにも沢山有るのでしょう。」それは
地域によって微妙な気候や土質が、品種の選び方や種まきの時期、収穫の時期を調整しないと良い大根が採れない。
また、マルチ栽培が広く行われており、ハウス、トンネル等保温資材にて栽培期間が広く、年中大根が栽培されているのもその一つですね。
「青首大根」がこれだけ多くの品種があるのは、根が大きくなる適温の幅が狭いから、だから曲がる。
品種を多様化することで、その地域の作型に適応するものを選んでいます。
高温でも低温でも根の発達に支障をきたす。
大根の生育適温は、20℃です。意外と20℃って日本の気候では、短いかもしれません。
最近の気候は暑いか、寒いかですもんね。
大根の品種が地域に合えば、長く、太く、真っ直ぐな大根が作れます。
これが、中々、難しいです。
そこである程度大きくなったら、大根に土寄せしたりします。
品種として「耐病総太り大根」タキイ種苗が最も無難です。
品種改良し易いから、特徴ある沢山の品種が作られた。
大根の特徴である、自家不和合性が大きく関係しています。
自家不和合性とは、文字通り、同じ株の花粉で受粉しても、種子が形成されない現象で、アブラナ科植物が他殖性(雑種性)を維持し、生存してきた巧みな手段。つまり、良い品種を作りやすい。交配種を作りやすい。
品種が多いのは、その温度の幅をわずかにずらしている品種を作り、各種苗メーカーが各地域で最適な品種を試作試験し、その地域に見合った品種を提供しています。
大根の品種
秋大根
低温に遭遇するとトウ立ちしやすい品種です。練馬・方領・白上がり・宮重・阿波晩生・聖護院・大蔵
春大根
低温に遭遇してもトウ立ちが遅い品種です。また寒さにも強い。時無し・亀戸・春福・二年子
夏大根
暑さには強いが低温に遭遇するとトウ立ちが早い品種です。四十日・みの早生
これらが今の基になっている品種の系統です。トウ立ちによって品種が分かれていると言っていいですね。
春まきと秋まきでは種が全く違いますので注意してください。春には「春まきとか晩抽性」とか書いてありますし、タネも大きい、値段もお高いです。
では質問です。コチラは、2つとも秋大根です。
最近の品種は、根の部分も柔らかく、多汁質で甘みのある青首品種が好まれほとんどがこのような青首大根です。
どちらが宮重大根、総太り大根でしょうか?
最近の大根の品種の特徴
右側が総太り大根です。特徴としては、首が青くて、直径6~7㎝、大根の長さが35~37cmです。名前が総太りとなっていますので、先まで太いずんどう型です。
一般的にスーパーに並んでいる大根はコレです。煮物・生食・おでんなんでも使えます。
では左側の宮重大根はどうでしょう。長さ35~40cm、直径5cm、先細になっています。主に加工用としておなじみ、お漬物のたくあんに使われます。
「たくあん」に加工する場合、一旦天日に干して乾燥させてから、漬け込みをします。その為、乾燥しやすいように大根が、長くほっそりしているのが特徴です。
普通に煮物としても美味しいです。写真ではわかりづらいですが、地面の固い部分に当たって曲がっているのがわかります。もう少し長くなる予定でした。
深めに耕しておくべきでした。(*_*)
また、根と葉の付け根の部分が青いものを「青くび大根」と言います。となると「白くび大根」青くならない加工用品種もあります。
赤い、黒い、丸い、からい、甘い、大小、大きさや形の違いが大きいもの大根の特徴です。
葉っぱの特徴
葉っぱの部分を見てください。葉っぱは宮重大根の方が大きいです。総太り大根は葉が短く、ごわごわしています。
宮重大根の葉っぱは長くて柔らかいです。
菜飯に使われているのは、宮重大根の葉が柔らかくて、おいしいです。欠点は、それだけ害虫の被害に遭いやすい、曲がりやすい。
たくあんには大根を干す作業があります。できるだけ細いものの方が乾きが良いのですし葉っぱも使います。
加工用として品種改良された大根といえますね。
宮重大根の葉っぱは柔らかく美味しいので虫がつきやすい。
秋の大根を太く、長く、真っ直ぐにする栽培方法
栽培カレンダー
土づくり
大根の産地は「砂地」「沖積土」「火山灰土」です。土が細かくて排水が良い土で良品(長くて、太くて、大きい)ができます。
「そんな畑じゃない」大丈夫です。粘土質でも、注意する事を押さえれば十分作る事ができます。
心配いりません。
圃場の準備
深耕・排水がもっとも重要です。
畑を丁寧に深く細かく耕しましょう。これで大根の品質が決まります。
畑に土の塊や小石が混じっていると、曲がった大根、又になった大根になります。また土が固く締まっていると根の肥大が遅れます、肌があれます。
トラクターや小さな管理機では深さ20㎝度が限界です。
畝立てする等、限界を超えましょう。
一般的な青首大根は、根長さが40㎝です。その内地上部が20㎝「抽根も入る」です。
大根の根は30㎝位伸びられると、十分だと思います。
それ以上伸びますが、地面の盤に根が刺さって大根の先端が横に曲がっているのを見かけますけどね。
注意すべきは、
水が溜まって、排水性が悪い、地面の下に水がある所では、それ以上、大根は伸びません。
肥料の量
大根のPHは5.8~6.8とやや酸性ですが、酸性土壌にはかなり強いので、土の酸度を整えるには有機石灰がちょうどよいです。
また、有機肥料との相性がとてもいいです。
pH調整材(年1回) 石灰 ・・・ 1㎡あたり 100g
完熟たい肥(できるなら春) ・ ・・・・・1㎡あたり500g
元肥 有機肥料 ・・・ 1㎡あたり 160g(全層施肥)
種まき
秋大根は、夏に種まきして寒くなる前に収穫する栽培です。種まきの時期は、8月中旬ごろからが一般的です。
ただし、病害虫が非常に多い時期なので9月入って涼しくなった頃が良いでしょう。苗は作りません。移植もしません。
種を直接畑にまきましょう。大根は移植を嫌います。
9月1日に種まきしました。品種は「耐病宮重」
播種機を使った方法
アグリテクノ矢崎さん「クリーンシーダー」という機械で撒きました。この機械を押すと大根の種が2粒ずつ8㎝間隔に落ちるようになっています。
この機械を手で押して歩くと、中に大根と同じ大きさの穴が開いたロールが回って下に落ちる仕組みです。
こんな感じに2粒づつ生えてきます。上に石がありますこのような石は取り除いてください。
手で蒔く場合・もしくはマルチ栽培する時はコチラ↓
90~100cm幅のうねなら2条にまき溝をつける。
25~30cm間隔で1ヶ所5~6粒、間をあけてタネをまく。
1cm程度の覆土をした後、十分に水やりをしておく。にわか雨などでたたかれないよう不織布などを播種~収穫までかけておくとよいでしょう。
最近の種子は高い分、品質が良いので10㎝間隔に一直線にタネまきして、最終的に30cm間隔にします。1回の間引きと最大1回の追肥で済むように調整しています。
大根を長く太くする間引きの方法
間引き【1回目】
大根は間引きが必要です。間引きとは、大根のタネを多くまき、その中から生育に合わせて良質な大根を選別する作業です。
あらかじめタネを多く撒いて最終的に1本の大根にします。
間引きは生長段階に合わせて2回しましょう。
大根の特徴として
すべての大根が同じ生育をしないことが多い、生育のよい大根と生育の悪い大根があります。つまり大根同士、競争します。
大根はひげ根から土の養分を水と一緒に吸います。
下図のように双葉の展開方向と「ひげ根の展開方向」は同じ向きになります。
つまり畝に対して垂直になる双葉の向きの大根を残す。そうすると隣同士で肥料の奪い合いがなくなるからです。
もう一つ、ひげ根が縦に真っ直ぐ並ぶ大根になります。このひげ根が真っ直ぐに並んだ大根は生育が良い目安です。
実際は、中々面倒でしてられませんが、こんな知識も知ってると楽しくなりますよね。
初心者なので忠実に、楽しくって感じ。 ( ´∀` )
間引き【2回目】
この位の大きさになったら、2回目の間引きです。
大根と大根の間隔が25㎝以上にします。生育の良いものを残すようにします。
間引きの間隔が広ければ広いほど大根の生育は早く大きくなります。
それだけ養分と光合成ができるからですが、大きくなりすぎてもいけないのでちょっと狭いですが25㎝にしています。
極端に緑の濃いもの、生育が悪いものを間引くようにしましょう。
曲がらない大根の追肥土寄せ
大根は地下水位が高かった、土の盤があったりと根が十分に伸びれません。
そうなると大きく根が肥大する頃に大根が上にせり出してきます。(抽根性)
その為放置しておくと、
葉の部分が大きくなり、重くて茎が曲がる。
これが原因。
大根が日の当たる方向に曲がり、また太陽の光を浴びて、茎の部分だけでなく根の部分も青くなって
見た目が悪いし、洗いにくい、折れやすい、調理しにくいと市場では「規格外!!!」って怒られます。
土寄せし、大根を支えてあげると曲がらない。
その為、下図の通り、土寄せします。大根に追肥が2回と書いてありますが、有機肥料でする場合、追肥1回で十分いいものが採れます。
有機肥料はゆるく長く効きます。大根とも相性の良い肥料なので分効果を発揮します。2回目は、秋まきには不向きだと思います。
一応、2回目の追肥の頃は20℃を下回る頃ですが、
私はしません。
気温が低いので、有機肥料がほとんど効果かなく肥料がもったいないと思います。
収穫
種まき後、春蒔き大根は45日~55日頃より、秋蒔き大根は65日頃より収穫を大きいものから順次収穫していきます。
小さいものは残しておきましょう。1週間後見てくださいね。小さかった大根が大きくなっていますよ。今まで光を遮られ、ずっと耐えてきたんです。
収穫が遅れるとスが入ると、美味しくありません。見た目も悪いです。
ス入りの原因は大根の過熟現象です。
遅まきなら出ないが、早まきで多いです。つまり、その土地の4~5日早まきしただけでこの現象が起こります。
タキイの耐病総太り大根は収穫適期が割と長い品種です。食べきれず長く畑においておきたい方はこの品種、いかがでしょう。
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