切り干し大根の作り方
切り干し大根は冬の保存食として重宝され、田舎では、切干し大根を軒先に乾燥させている風景が懐かしいです。
私の父は、昔は家には囲炉裏があってそこで暖を取りながら大根を干していたそうです。囲炉裏のけむりでいぶすので風味が豊かになり雑菌も入りません。
切り干し大根が、いぶされて燻製のようになり、苦みの効いた大人の味が、日本酒と良く合うから好きと言います。
おいしい切り干し大根とは
おいしい切り干し大根は、冬の寒い時期に収穫した大根を使用してこそ本来の味、旨味が豊かでおいしい。
今は囲炉裏がありませんから、天日で干したり、乾燥機で大根を乾かし、「切り干し大根」を作っていますが。
この記事では、大根から、絶対おいしい切り干し大根の作り方を紹介します。
大根を育て、切り干し大根にいたるまで、おススメ調理レシピも掲載しています。
切り干し大根は、大根を切って乾燥する、つまりシンプルだからこそ大根の収穫時期と乾燥で決まります。
何度もいいますが、原材料となる大根がおいしくないと、乾燥させた切り干し大根がおいしいはずありません。
大根がおいしくないと当然切り干し大根もまずいです。乾燥を失敗するとまずいというよりも臭い。
切り干し大根を開封して、香りを確かめて、そのまま頂いて見るとよく解ります。
理由は最近の市販されている切り干し大根は、半生、外国産、時期、外側の皮などの処理が原因ですが。
最も、大事なのは大根、つまり素材。旨味がのった時期。その処理の方法です。
本当の切り干し大根の美味しさが半減してます。
例えば
スーパーで切干大根を買って、生でどんなものか食べて見てください。袋には「○○県産 天日干し 千切り大根」と写真が貼ってありましたので一応国産。
「……甘いね。でも、なんか不思議。ちょとしなやかな感じで水分も少し残っている。」
「ただ、香りは生臭い。動物の糞の匂いに似ていました。」
天日干しの切り干し大根ってこんな感じなの?
水で戻して味付けして食べるから問題ないのかな?
第一印象はこんな感じではないでしょうか。
切り干し大根と言わないとわからない。大根の香りが全くありませんでした。
地域のおばちゃんに聞いてみたら「家で作ったのは全然違うよ」って言うんです。
切り干し大根の素材は、12月頃の寒さに遭った大根を使う。
切り干し大根にする大根は、寒さに当たった12月に収穫した大根が一番甘く、えぐみが少ない。
勿論、大根は11月~12月の20℃以下の気温になって、霜や雪に少々当たった位が、うまみのある甘い大根です。
その大根を乾燥させて、切り干し大根にした時のうまさは、市販では、手に入らない美味しさです。
切り干し大根の素材(品種)
大根の品種は青首宮重大根がおいしい。繊維の多い加工用大根は使わない事。
青首宮重大根は、ほっそりしていますが、きめ細かくて寒さによってより甘みが総太り大根より、増します。
大根の大きさは大小あってもかまいません。しかし、大きすぎたり、奇形、ス入りのモノは良くありません。
また宮重大根は、加工用品種なのでスパーには並んでいませんから、家庭菜園で作る方がより良いですね。
無い場合は、青首ダイコンであれば種類は問いません。
基本的には青首大根は、大根の中でも甘い品種です。
甘い大根についての記事、
に詳しく掲載しています。
切り干し大根に適した日
寒中の天気の良い日を選んで、切って下さい。当日早朝に収穫したものであれば尚良い。
温度の高い時期は微生物の繁殖により、変質することがあります。また、切り面の乾燥が悪いと微生物の繁殖により、変質し、香りが良くありません。
また、白くきれいに干し上がりません。
切り干し大根を作る工程
大根の洗浄
畑から取ってきた宮重大根をきれいに洗浄します。
大根の葉の付け根と先の部分を包丁で切り落とします。
先端は辛く苦い場合がありますから切り落とします。
大根の皮を剥く
次に大根の皮をピーラーできれいに剥きます。下の画像祖参考にしてください。
この工程をしていない切り干し大根がほとんどです。手間ですが美味しい切り干し大根を食べるなら剥いた方が良い。
大根を切る
次に、大根を短冊切りにしていきます。
収穫したばかりのみずみずしいダイコンはパリパリしていて上手に切れます。
切り方はいちょう切り、千切り、短冊切り、半月切り、くし形切り等様々です。驚くことに、切り方は自由です。
用途や好みにあわせて好きな大きさや形に切っていきます。
切り干し大根の切り方のポイント
大根の繊維にそって切る。繊維を切る方向や大きさによって味わいが変わります。
繊維に沿って切る「千切り、短冊切り」ことで大根の旨味を逃がしません。
繊維に垂直に切る「いちょう切り半月切り」は、乾燥しやすく、戻しやすいですが旨味が落ちます。
地域や人によって好きな切り方があるようです。
私の郷里では、誰に聞いても、手作りする場合は、繊維にそって厚く切りました。
切り干し大根の旨味を引き出す切り方
繊維を残す「短冊切り」にしました。
厚さは1.5mm程度で、縦10mm 横100mm位。
これでも薄いそうです。もう少し厚めの2㎜がベスト。
短冊切りがコチラ(上)です。
厚切りした切り干し大根(3㎜)
収穫したての大根は、短冊切りでも、とっても瑞々しく、持つ手が滑ります。
大根を乾燥する。
大根を切ったら、そのまま乾燥します。
水でさらして、脱水しているのを見かけますが旨味を流しているようなもの。脱水は、できるだけしない方が良い。
切り干し大根の乾燥の方法
乾燥は可能な限り、早く乾かす。
乾燥を早くすることが、大根の旨味を閉じ込めることができます。逆に乾燥が遅れると匂いや変色が起こります。
九州や太平洋側の気候は晴天が多いのですが、北陸の12月は、天候が非常に悪いので、常温で大型の乾燥機にかけます。
強制乾燥にかけると約12時間で仕上げます。
するとパリパリとはいきませんが、結構カラカラです。
余り乾燥しすぎると細かく砕けてしまいます。そのちょっと手前位の乾燥状態が良いでしょう。
大根1kgから切り干し大根が約50~60gできます。少ないです。
家庭で天日干しする場合
お天気が続く日をできるだけ選びましょう。
乾燥状態が大きく食味を決めます。天候が一番難しいですができるだけ早く乾燥してしまう事
寒い晴天に大根の表面を乾かします。乾燥は網戸を利用するとよく乾きます。
通風してあげることも大事。
私は扇風機回して、乾燥を早めたこともありました。
大根の切り面が重なったまま干し上げてしまうと、重なったところがくっついてしまいます。
干し始めたら最初のうちはこまめに、大根がくっつかないようにして下さい。
夜は、夜露に当たるので、家の中にそのまましまって次の早朝から乾燥してください。
大根の厚みや大きさにもよりますが、天気が良ければ4日~1週間で干し上がります。
干し上がりの加減はグイと握って、パリパリとしてながらも、細かく砕けない程度になればOKです。
握ったときに水っぽいところがあれば、干しがあまいので、さらに乾燥して下さい。
市販の切干し大根は、意外としっとりしているみたいですが、、、
水に浸して12分でもどるなら問題なし。15分以内。
「どれどれ、( 一一)」生でパクリ
「あっ、あ~っ、うま~(*’ω’*)全く違う~~~~♡ 香りも臭くない」
大根の風味がしっかりあるのです。甘みも歯ごたえも、大根。これが市販のものと大きく違ったんです。
是非作ってみてください。試してみる価値が十分ありますよ。
切り干し大根の保存方法
干し上がった切り干し大根は吸湿しないように保存して下さい。
切り干し大根をポリエチレン袋に入れ、袋の口をキュッと閉じるのが手軽です。
保存する場所は冷暗所です。
湿度と温度の高いところで長く保存する切り干しダイコンが褐色に変わってきます。
褐色に変わった切り干しダイコンも食べることができます。
切り干し大根のレシピ
切り干し大根とホタテのマヨネーズ和え(一押し(^^♪)
材料(4人前)
- 切り干し大根 25 g
- ホタテの貝柱缶(ツナ缶でもよい) 60 g1缶
- マヨネーズ 大さじ2
- 塩 少々
- コショウ 少々
作り方 | ||
1.切干大根は、さっと洗ってから、たっぷりの水で15~20分程戻して水気を絞り、食べやすい長さ | ||
に切る。 | ||
2.ボールに帆立缶を汁ごと入れ、帆立の身をざっとほぐし、切干大根を加えて、 | ||
マヨネーズを加えて全体をよく和える。塩、こしょうで味をととのえて出来上がり。 |
切り干し大根のケチャップ和え
材料(4人前)
- 切り干し大根 25 g
- オリーブ油(サラダ油) 適量
- ベーコン 2枚(25g)
- ケチャップ 少々
- コショウ 少々
- パセリ粉 少々
作り方 | ||
1.切干大根は、さっと洗ってから、たっぷりの水で15~20分程戻して水気を絞り、食べやすい長さに | ||
切る。ベーコンは1センチ幅に切っておく。 | ||
2.フライパンを温めて、オリーブ油を入れて熱する。切干大根、ベーコンを入れてサッと炒める。 | ||
ケチャップ、塩、こしょうで味付けする。刻んだパセリを振りかけて出来上がり。 |
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