トップの画像は梅干しみたいですが、赤かぶです。
赤カブを甘酢漬けに使うので沢山作っています。福井県福井市(旧美山町)には、焼き畑農法での伝統野菜「河内赤かぶ」があります。
今では焼き畑をする後継者が無く、ひっそりと栽培されています。そのカブが私は大好き。
この記事では、カブの特徴や栽培方法について、掲載しています。
カブの原産
カブの原産地はよくわかっていません。日本では全国にご当地カブがあり特産品として多くの品種が存在します。日本の重要な野菜だと伺えます。
カブの歴史は古く、記録的には、日本書記「720年」に記載されています。万葉集にも登場しています。
そして、春の七草として、スズナとして広く人々に知られてますよね。
歴史ものの時代劇にも、大根やカブが登場するのをよく見かけます。
「農業全書」に「天王寺かぶは根が浅く、葉も青くて柔らかい、これを干しカブにしたものは名物になっている。また、近江カブも極めて味が良い。」
と記載されています。日本の伝統野菜にかぶの種類が多く、地域の名がついたのも納得がいきます。
日本のカブの殆どがこの時代に出来上がり、明治以降、新たに欧米から導入されたのは、家畜用の餌のカブ位です。
それくらい日本のカブは、おいしいのです。
カブの栽培方法
カブは1年中栽培されていますが、旬は春と秋から初冬にかけて、特に初冬のかけてのかぶは絶品です。
生育の特徴
カブは冷涼な気候を好みます。赤かぶは寒くならなと赤くなりにくいです。
発芽は10~20℃なので暑いと発芽しません。なので夏秋作が多いでしょう。低温にはめっぽう強いです。
なぜって、春には菜の花畑になるんだもんね。アブラナ科です。カブは原産地がわからないくらい気候や土や湿度など適応範囲が広いです。
カブの形は品種によって様々ですが、同じ品種でも水分によって形が変わります。水分が多いとおまんじゅう型、少ないと細長くなります。
種まき方法
9月初旬に畑にばらまきします。種子が細かいので、薄く蒔いてください。
また、苗床でいったん苗を作ってから畑に移植する方法もあります。
発芽適温は15~20℃です。発芽の最低温度は4~8℃でも発芽します。
大根と違って、深い土の層は要りません。
土蒸酸度PHの幅はめっぽう広く、5.5~7.5まで生育します。ほとんど調整しなくて大丈夫。
カブの株間
カブの株間は葉と葉が重なる程度です。
小さい段階から徐々に間引きしていくときれいな株になります。
赤カブの収穫の時に取った画像です。
晩秋から冬の寒さに当たってこそ、肥大し、おいしさが冴えるのがカブです。
多きものだとソフトボール大ぐらいでしょうか。色もきれいです。
昔はカブの葉も食していたみたいですが今はあまり見ません。本当はカブの葉の方がずっと栄養があるんですよ。カブの根はほとんどが水で、繊維質なので低カロリー食品ですね。
作りやすい。めっちゃ簡単な作物です。勿論プランターもいいものが採れちゃいます。
カブ栽培のポイント
・肥料はできるだけ控えてください。葉ばかり大きくなってカブが肥大しない事が有ります。
できすぎることが多いです。ちょっと肥料切れが「ちょうどよい」
・タネ撒きは、極力薄くです。砂や乾燥した土に少し混ぜて撒くとよいでしょう。
ちょっとでもたくさん生えて厚くならないように!
・固定種・再来種は大きさがバラバラです。なので差があります。
収穫は大きさではありません。適期に収穫してください。
・カブをもっと簡単に作りたいならF1種(交配種)です。理由は、病気に強いし、見た目もそろいも!ダントツ!ただし味が若干落ちます。
・カブは移植できます。苗床で害虫など防ぎ、20㎝位に大きくなったものを畑に植えつける方法もあります。
大根とカブの違いは?
カブは大根と違って、根と茎の中間が肥大します。カブの肥大部分からは根が出ていません。
といえば「肥大する部分を見るとわかる」とよく聞かれます。これはひげ根が出ていないものはカブ。ひげ根が出ているものが大根。
私は大根とカブともに作っていますが、何度か見て判断しないと難しいと思います。根で判断したことがありません。
ほとんど葉の形です。
ダイコンなギザギザした葉、カブは小松菜のような丸葉です。分かり易いと思います。
カブは適度な密度を保っていれば生育はすこぶるいいです。密植すると病気になったり中々大きくならなかったりと、あまりよくありません。
なので葉と葉がふれない程度ならよく育ちます。
カブの害虫防除
カブ栽培で「焼き畑」農法が使われているのは、焼き畑によって害虫や雑草が死滅することも大きなメリットだと改めて思います。
それくらい害虫が付きやすい。
無農薬したいのであれば不織布、防虫ネット、忌避資材(ニームケーキ)を使うと良いと思いますね。
害虫に注意!
カブのタネ撒きする時期が一番大事、カブは4日ではえますが...。
しかし、その時に害虫にやられることが非常に多いです。大体1~2日で穴だらけになります。
これは、発芽した直ぐの生長が意外と遅いからで、害虫の被害が多い温かい時期です。
結果、カブが生えるのだが、害虫に食べられ、いつの間にか消えてなくなってる。
このようにならないようにすることが大事。
害虫は「カブラハバチ」「ダイコンハムシ」この2種。
これを無農薬で防ぐには、防虫ネットと遅まき、移植しかありません。特に遅まきが有効です。8月や9月上旬が一番危険で、タネを捨てているのと一緒でした。でも9月中旬になって寒くなると虫が活動しなくなり、殆ど影響がありません。
ココだけの話(虫が付かなかった)
サツマイモを前作に作った所だけ、害虫が全くつかなかった。
実践して解ったことです。畑に一面にカブを栽培した所、一部だけ全く害虫がつかない場所が見つかりました。原因は何なのか。
理由が全く、解りません。
唯一、違った事といえば、
昨年サツマイモを植えていた畝の部分だったのです。
理由も全く分かりません。その場所だけ害虫が全く来なかったのです。
来年に面積を拡大して実証してみたいと思います。
因みに、カブは地方の在来種が多いといいます。しかもその種が全国で栽培されています。
品種改良するまでもない位で、地域の固定種が非常に多いです。大きく分けると、大きさで小かぶと大かぶ、色で赤カブ、それに丸くなく、長い形をした日野菜などがあります。
例えば赤カブと呼ばれているものにも沢山の種類があります。
北海道大野紅カブ・飛騨紅カブ・福井県河内赤かぶなど、表面だけ赤いもの、果肉の中も赤みが入っているもの、それに葉や茎も赤いものなどがあます。
各地で古くから作られてきたオリジナル品種が伝統野菜として扱われているものなどもありますが、それだけなじみ深い野菜なのでしょうね。
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