四葉キュウリの品種の選び方と初期の管理方法

きゅうり

キュウリの育て方

キュウリの生い立ち

キュウリの品種改良

「私たち人間にとって食べやすいように野菜は品種改良がなされてきました。」

と言っても、きゅうりに限った話ではないですが野菜全般がそう。

箱にきれいに並んだ美味しそうなキュウリがスーパーに年中並んでいます。価格の変動はあっても、キュウリの味で品種を選ぶ方はそう多くないないはず。

「品種が変われどキュウリはキュウリだもん」

もちろん、栽培に至っては品種の能力を最大限に発揮するプロ農家さんは、多い方で1本の株から100~150本のキュウリを成らせます。農業の技術と経験+品種があるんですよね。

農家だけでなく「タネ屋さん」もしかり、種苗会社は売れる「タネ」を作ります。

どのようなキュウリを作れば消費者が買ってくれるのだろう。

どのような品種を作れば農家さんが買ってくれるだろう。

と改良を重ねました。キュウリの改良は、さまざまな変化を重ね開発し、消費者にとって必要な形に変化したのです。

その結果がキュウリの特徴がこうなりました。

キュウリの特徴

味は特に気にしない!見た目が大事!生食だし、味はドレッシングかけるよね。

消費者は、このような評価が多分キュウリにあります。

とげが少なくて、つやがあって、真っ直ぐ、きゅうりの味?あった?

まあ、まあ、確かにキュウリがまずいというクレームは聞いたことがありませんね。クセのないものが好まれます。

そう、使い易い形にキュウリは改良されていったのです。

キュウリの故郷は、ヒマラヤ山脈の南部、もともと斜面を這うようにして育っていました。原種となるキュウリの形は、黒いとげのある良く太ってコロコロになった苦い瓜。

下の画像の様な丸々太ったキュウリです。

日本でも私の町の近くにある加賀の伝統野菜「加賀負太キュウリ」です。私の町では、おばあちゃんが、太っちょキュウリを、酢で和えた「なます」や煮物に太っちょキュウリを使っていたのを覚えています

収穫忘れで、大きくなったキュウリを「生酢漬け」に!

こんな大きくなったキュウリはスーパーでは見たことがありません。直売所でたまに見かけますが、ほとんどのキュウリを作ったことがない方は食べ方はもちろんキュウリがへちまみたいに大きくなる事を知らないでしょうね。

今のキュウリは、若取りした未熟果を食べる代表的な野菜です。苦いとか太ったキュウリを好みません。

サラダ、浅漬け、などに用いますが、キュウリに味を求める人がいなかったのだろうと思います。水分がほとんどですからね。

それよりもキュウリが沢山なる品種、病気に強いなど品種改良がされてきました。中には美味しい品種がありますが需要が少なかったのでしょう。

キュウリの品種改良の事例

キュウリの品種改良の目的

現在のキュウリの品種改良は、以下の目的の元作られています。
〇「イボ(キュウリのとげのようなもの)が痛いのでイボいぼも目立たなくしよう。イボが少ないものしよう。イボが無いものにしよう。」
「イボなしキュウリ」ができました。
○白い粉を吹きつけたように見えて、汚れているように見えるから、目立たなくしよう。粉が吹かないものにしよう。
「ブルームレスキュウリ」でツヤツヤになりました。
○古い品種のきゅうりには、苦みがあり、特に、果梗直下の部分の苦味が強いことが知られています。昔の映画できゅうりの頭をかじって「ぺっ、って捨てる場面があります。」これがわかる方は「古い人間です。失礼しました、博識ある方です。」
今の品種はほぼ苦みがありません
○きゅうりはそろった美人がいいので、長さや曲がったものができるだけ少なくしよう。
短径や細いキュウリができましたそろいが良くなりました。
○キュウリにはビタミンCを破壊する酵素があることが知られています。ビタミンCが豊富な野菜と一緒に混ぜると一部のビタミンCが消失してしまうこともあるので。そのため、キュウリと一緒に調理する場合は、酢の物にするとか酸味のあるドレッシングを掛けるなどの工夫など必要です。昔の人は知っていたんですね。ビタミンc
〇沢山取れた方がいいので、「次々になるキュウリを作ろう」節なりきゅうりができました。接ぎ木栽培で病気に強く長い期間取れる・時期によって使い分ける栽培方法・品種ができました。

家庭菜園でしか食べれない品種と作り方。

家庭菜園で人気の高い品目はトマト、ナス、ピーマンと並んで人気の高いのがキュウリです。

その理由は手軽に作れる事、播種から収穫までの栽培期間が果菜類の中では最も短い(植えてから最短60日)。収穫した果実をそのまま食べられる気軽さ、栽培が比較的容易です。

手軽だからこそ、本物のキュウリを栽培してほしいと思っています。そこで今回はおいしいキュウリの作り方を紹介します。

キュウリの品種選び

家庭菜園で栽培するならこの品種!!

四葉系です。

イボがあり、白い粉が吹き、40㎝にも長くなる品種。

つまり市場では、この様な特徴は規格外品。

今までの品種改良されてきた反対の原種に近い品種です。

お勧めする理由とは

先ず四葉きゅうりは、青果物としてあまり市販されていないので貴重。しかも美味しい。

プロ農家が作っているキュウリは非常に細かく栽培管理し果実を整えています。ただし、キュウリはデリケートで素直な野菜です。

言い換えれば農家からすると目を離すことが出来ない手間のかかる品種。

四葉胡瓜は、生育が旺盛で、天候に不順にも強いが、生長が安定しない。

古い品種が少々見た目が悪いかもしれませんが、キュウリの味があり最高です、シャキシャキ、バリバリ食べれるキュウリです。病気にも強く、多くはなりませんが最高の味は保証します。

注意、、、(イボ)とげが想像以上に有るので気を付けてくださいね、私、今でも最初はとげでかぶれます。( 一一)

四葉キュウリの品種

四葉胡瓜の代表的な品種

(シャキット(タキイ種苗)、短径四葉キュウリ(久留米)、黒サンゴ、味サンゴ、(サカタのタネ)、四川キュウリ)

四葉キュウリの苗選びと植えつけ時期

四葉胡瓜の苗は市場に少ないと思います。その為、種子を購入してタネから育てることをおススメします。

キュウリの発芽は瓜科の中では早く簡単ですが、まだ肌寒い時期なので、過湿によって苗が間伸びすぎることがあります。

苗を植えつける時期は「晩霜」の恐れが無くなった頃が鉄則です(最低気温8℃以上は絶対)。

慌ててはいけません。北陸近辺では4月下旬~5月上旬が適期とされますが、実際に苗が登場するのは4月上旬にはホームセンターに並ぶことがあります。

しかし、4月では枯れるか、成長が止まるかどちらかです。繰り返しになりますが植えつけは暖かくなる5月の中旬頃。

早めに植え付け、結果として霜にやられてしまうことがあります。きゅうりに寒さが当たると苗が全く大きくなりません、しかも生長点が枯れていることがあります。

キュウリの苗の大きさ

タネを畑に直接撒くことはしません。苗を作ります。

市販のキュウリ苗は適期よりやや小ぶりのものが多いです。本葉3~4枚の苗を買いましょう。

生長が早いのもありますが、注意として、寒さに当たっていない事。がっちりした太い軸の苗。ヒョロヒョロした苗は、軸(茎)が傷つきやすく、折れやすい為、活着したように見えても、病気が入ってしまい後々枯れる原因になります。寒さに当たると苗の生長が止まったり、遅れたりします。回復しても成長にばらつきが出ます。

ところで、なぜ早くからホームセンター等では苗が並ぶのでしょう?理由は、ホームセンターではできるだけ他店舗より早く品ぞろえを良くし販売したいから。

良い苗の状態を長く持たせたい、と販売店側の理由です。全てではないです。

上の画像は適期のキュウリ苗の大きさ、本葉3~4枚です。

これより大きくなると9㎝ポリ鉢では貧弱な苗になります。本葉3~4枚あれば大丈夫。

今回の画像は株間は30㎝ですが、ツルを図の上下に交互に1本に仕立てていくので60㎝は株間を取る計算になります。

キュウリの育て方【植えつけ】

さて、きゅうりを私はハウスで作っています。ハウスは、暖かく、ほぼ無風で作るので大きな葉を広げてすくすく成長します。露地より成長速度は当然速くなります。

これは、キュウリは「風が大の苦手」ツルが掴まれず葉がをふらふらしていている状態はキュウリにとって非常にストレスです。なので露地で作る場合は、しっかりと支柱に立てネット等に這わせるとよいでしょう。

植えつけて約30日後の状態。

もうすでに下の方ではキュウリがなり始めました。

きゅうりの根は上根しかはらないという事。(根っこが広く浅く這います。)

マルチの下は、表面に白い根が上にびっしり這っています。マルチの下の上の方の肥料と水分で生きています。

キュウリの根のある表面の土は非常に乾きやすいし、温度や肥料濃度が変化しやすい。

つまり、土を乾かさないことが重要。マルチが無ければ、ワラでも可能。

浅い根が広く張るキュウリは土の変化に敏感で疲れやすいのです。

キュウリの果実

家庭菜園で作っているとは、キュウリの果実のお尻の所が太った、または、先の方が太った果形になることがあります。

「尻太」「先細」と言うこともあります。

これはキュウリがもう疲れて「へとへと」と言っているサインです。

せっかく良い実がついても、それを育てる養分と体力が全くないこと、農家では「なり疲れになった」って言ってますね。

理由は簡単で、肥料が切れたもしくは、肥料を吸収する根が張っていない事が有ります。

きゅうりの育て方 枯れない植え方のポイント【家庭菜園 画像あり】
家庭菜園では定番の夏野菜キュウリです。キュウリの苗を植えつけて水さえ与えれば何もしなくても根がついてしまえば放っておいても2~3本は取れると思います。しかし、根がちゃんと地面に付かないときは何をしてもも枯れてしまいます。また...

キュウリの芽かき・摘果【管理作業は最初が肝心】

きゅうりは、花粉がなくても実がなる(単位結果)ということができる植物です。

また、節なりキュウリは、節があるところに次々と雌花を咲かせ、キュウリがなります。上の画像です。

それも花が咲いてから7日程でこの状態。

キュウリもクタクタになり、沢山なったので今日は収穫しないで果実をそのままに。

はい、もうアウトです。実をつけていればそれだけでキュウリの大きな負担となっています。

逆に、ワキ芽と雌花をつけなければ、ツルが激しく大きくなります、しかも雄花ばかりで実をつけない。ツルボケって現象になりかねません。

トマトの所で話を少ししました。トマトは、双葉2枚開いてから本葉7枚まで雌花が咲きません。なぜなら、トマトを成らせる力がまだトマトにはないことを知っているから深く根を下ろすまで実を成らせません。しかし、キュウリは浅い根っこを広くです。深く根を張っていない状態なので元々バテ易いんです。しかも品種改良して沢山実がなるようになっているのでは人の手で調整する必要があるんです。

 


本葉8枚以下のわき芽と雌花は全部取りましょう。

これからも、しばらくはワキ芽を取りますが、本葉8枚以降は普通に雌花をつけて実を成らせ収穫してください。

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