ネギ栽培の、夏の間は何もしなくて良い理由とは。【ネギの育て方のポイント】

ネギ栽培の、夏の間は何もしなくて良い理由とは。【ネギの育て方のポイント】

ネギの栽培の秘密

突然ですがネギは、なぜ円柱状なのでしょうか?

ネギだから…と言ってしまえばそれまでですが、野菜はその地域の気候に合わせた進化を遂げてきました。

ネギのあの形は、葉物野菜が暑さと乾燥対策をした結果なのです。

ネギの原産国は中国西部の乾燥地帯と言われ、サボテンと同じ様に水分が蒸発しにくい構造になっています。乾燥地帯は暑すぎる為、ネギは暑い時期に「休眠」し、活動をお休みしています。

休む理由は暑すぎる環境の中で成長したり、花をさかせたりすることはネギにとって沢山のエネルギーが必要となり枯れるリスクが高いからです。

同じ仲間のネギ科(玉ねぎ・ニンニク・らっきょう)は夏の時期に堀り上げます。ニンニクなら乾燥して貯蔵、らっきょうなら、夏に掘り上げて株分けして、また植えつけるのも夏の作業です。

動物が冬に冬眠するのと同じ理由なんです。

ネギが寝ている夏の間のエネルギ―は、茎(盤茎)という、葉と根の間の小さな部分に貯めています。

この盤茎がしっかりしている。つまり、太くてがっちりしているネギほど溜め込んでいるエネルギーが高く「休眠」後のネギの生育が旺盛になります

また、乾燥地帯では、地力が無く、土の中に肥料分が少なく養分は上から吸収する必要があります。その為、ネギの根は上に伸びる傾向があります

この記事では、ネギの栽培方法について掲載してます。その中でも、特に植えつけ後の夏を越した頃の管理次第でネギの生育が変わるという事について書いています。

ネギの育苗についての詳しい記事はプラグトレーの使い方【ネギ・玉ねぎの育苗】  をご覧ください。

ネギは夏開けにネギが活動を再開し始めます。

夏眠後、温度が下がって生育し易くなる秋ごろから、雨も降ってくるので成長し始めます。

この時のネギの茎(盤茎)の部分がパンパンに張っているネギにします。

ふにゃふにゃの柔らかいもの、ぐにゃっとへこむのでは成長しません。十分夏眠できなかったのでしょう。

ネギの生育温度は、20℃前後、氷点下近くまで生きていますので、寒さにはめっぽう強いです。

発芽は温度が高い方が早く芽が出ますが、5℃以上あれば時間がかかりますが何とか発芽します。

それほど、寒さには強いです。

ネギのヌルヌルは凍結防止剤!?

ネギ類は、冬の期間は寒さに当たることで養分をため込みます。盤茎だけでは補いきれないので葉にも養分を貯め込みます。

しかし、ジャガイモのようなデンプンを合成し、貯蔵する能力がありません。つまり、たっぷりとエネルギーを蓄えることができません。

ネギは糖のままで蓄えます。しかも冬の寒さで細胞が凍結しないように体内養分の濃度を高めます。比重を高くする。冬季にネギが霜に当たるころ、ネギはどんどん糖を貯め込み、冬を乗り切るための準備をしているといえます。

それが葉のヌルヌル

葉の中がヌルヌルで透明なゼリー状の液体が出てきますが、これは、糖のセルロース粘液になります。

だから、冬に寒さに当たったネギほどぬるぬるでドロッとした液体を葉の中に貯蔵して冬の間に少しずつ消費しながら生きていきます。ヌルヌルが多いほどネギは美味しいといってもいいでしょう。

ネギは免疫活性増強作用のある民間薬として用いられてきました。しかし科学的根拠に基づいた解析がなされてきました。

つまりネギは美味しいだけではない。体の免疫も鍛えてくれるのです。

そこで、農研機構の研究成果の中にこのような一文がありましたご紹介します。

ネギ葉身内部の粘液は経口投与によりマウス免疫系を活性化する

ネギの抽出物の免疫活性化作用について培養細胞系およびマウスへの経口投与により解析し、機能性素材としてのネギの有用性を明らかにした。

結論はマクロファージやNK細胞を活性化することにより免疫機能を高める作用があること、また、その活性が葉身内部に分泌されている粘液にあるマウスでは活性が確認されたが、人間ではまだ研究中だという。そして、粘液は100℃、60分間加熱しても上記の免疫活性化作用は失われないので、ネギ葉身を加熱調理しても有効である。

引用:農研機構

ネギの肥料のやり方

ネギ特有の刺激成分であるピリッとした辛味をできるだけ少なくすることも、美味しいネギ栽培方法です。

このピリッとした辛味の正体は、イオウ化合物なので化学肥料を多くやればやるほど多くなります。

そこで有機肥料主体でゆっくり、じっくり育ててあげる事でこのピリッとした辛味が少なくなると言われています。実際、有機肥料を使ったものは甘いと思います。

ネギは肥料を吸収するのがヘタ!!

ネギ栽培での肥料のやり方についてポイントを説明します。

ネギの肥料のやり方は基本的に元肥料を少なく、追肥を重点的にこまめに施します。

また追肥は根元には直接施さず、畝の土寄せした上です。

ネギ類の根の発達は他の野菜とちょっと変わった発達をしています。

よくネギは「肥料食い」と言われます。実は肥料を上手く吸収することができないのです。

ネギの姿を見ると何となく解るようにネギは乾燥に適応した姿をしています。つまり乾燥して体内からの蒸散量が少ない、葉から蒸散量が少ない形に進化したのです。蒸散量が少ないということは、根から吸い上げる水の量も少なくなります。

植物は水と一緒に養分を吸収する仕組みですから、水をあまり吸収しない=養分も吸収しないのです。

だから、私たちが多めに肥料を上げて、根から入る栄養の濃度を濃くし、少しでも大きくしている、だからネギは肥料食い。

では、どのように肥料を与えてあげるのが効率的で良いのでしょうか。

ネギは、↑の画像の様に、溝を掘った間にネギを植えつけていきます。

このような方法はネギ独特の植え方なのですが、溝の間に植えつけることによって後々土かけして軟白にする、肥料が下にはいらないからです。

つまり肥料を与える位置にあります。ねぎが長くなるのはダイコンのように下に根を張り伸びていくのではありません。ネギは、軟白部分を作る為に土寄せすることで上に伸びていきます。

土寄せした上部に肥料を与えます。

このような肥料の与え方をするのがネギ栽培の大きな特徴の一つです。

ネギは、養分の濃いほうへ根を伸ばす特徴があります。肥料を与えた位置は茎よりもかなり上の方になりますが、ネギは重力に逆らって上の方へ根を伸ばしていきます。

この様にネギは畝の中を縦横にはっていきます。肥料養分は、雨と一緒に上から下に浸透していきますのでネギは効率よく養分を吸収することができるのです。

ネギの植え方

分けつしないものは株間を狭く、分けつする品種は広く植える。

標準で、畝幅70~90㎝・株間7~9㎝です。溝を切ってその溝に植えつけます。

因みに、ネギの葉の展開は、交互に反対側にしかでない。

ネギの葉の展開は180度反対側にしか出ません。そこでネギの葉の方向を揃えて植えることで互いに陰にならないと言われています。

理屈ではそうなんですが、中々見分けることができませんし時間もかかりそうなので。株間と畝幅だけ取ってください。

ネギを太くも長くも土寄せ次第

軟白ネギは、土寄せが重要な作業になります。葉鞘部をしゃ光することで、葉緑素を消失させ、白くて長い葉鞘部(軟白)を作ることができます。

土寄せによって、軟白の長さ・太さ・しまりなど品質が変わってきます。

ネギの土寄せ

農家が作る根深ネギは、白くやわらかい葉鞘部を30cm以上確保するため、栽培期間中に5~6回の土寄せ作業を必要としています。

それが結構大変で、関東にネギが集中しているのは、広大な関東ローム地層が有るからなんですね。私の地域では、地下10㎝掘ると石がゴロゴロです。

でも、単に土寄せすれば良いって事ではありません。

土寄せの回数を多くし、早くから行うと軟白部分は長くなるが細くて収量が上がらなくなります。

土寄せ回数を減らし遅く行えば太くなるが軟白部分は短く、締りも劣って商品価値が下がります。

生育を見ながら適度にやりましょう。

目安は、1回目は定植後1か月ごろ、除草を兼ねて行います。2回目はその後1か月間間を置き、随時行います。

ただし収穫前の20日前には終わらせてください。肥料がもったいないです。

土寄せは、葉身部と葉鞘部の分岐点を超えないようにする。

7下旬~8月の高温・乾燥時期は、ネギが弱るので絶対しない。

生育後半は、急激な土寄せはしない。軟腐病・葉先枯れの病害の原因になる。

ネギ坊主は硬い

九条ネギなどの分けつネギは抽苔という事が起こります。一本ネギは種から育て年内に収穫するのでネギ坊主ができにくい。しかし、九条ネギの分けつねぎは、株わけして増やす為、冬を越す事が有ります。すると抽苔、つまりネギ坊主です。ネギ坊主ができてしまったネギは硬くて食べることができません。

ネギ坊主をちょん切って再度、分けつしたものを食べるようにしましょう。

ネギの抽苔する理由

ネギの抽苔はある程度発育した苗(15㎝以上)が低温に当たって花芽が分化開始します。

春蒔きの年内収穫の場合は抽苔することは先ずありません。

しかし、秋から冬にかけて花芽が分かしますので、翌春には、必ず抽苔します。

夏場に最終土寄せする場合は、軟腐(なんぷ)病などの発生時期でもありますので、首元より3cm程度下までで抑えておきましょう。それ以外の時期は首元近くまでしっかり寄せます。

ただし首元を埋めるほど土寄せを行うと、生長が止まってしまったり、首部に土が入り調製作業に手間が掛かるので、注意しましょう。