4月上旬なのに良いお天気が3日と続かない雨模様。だけど野菜の生育はいたって順調(^^♪先週はこの時ばかりを見計らって春玉ねぎを植えました。
秋植え玉ねぎならもうそろそろ追肥をしている頃ではないでしょうか。
なぜ北海道は寒く雪深いのに玉ねぎが沢山作られているのでしょうか?
北海道の冬は寒く、雪が降ります。マイナス何度にもなり、土も凍りつく。
このような環境で秋植えした玉ねぎが越冬することができません。
しかし、夏が涼しく、梅雨が無い北海道の気候は玉ねぎ栽培に合うのです。
それを可能にするのが春作。春に苗を作り夏に収穫しています。では、なぜ北陸地方では、春に玉ねぎを作ること今までしなかったのでしょう。北海道にできて、北陸地方にできないはずはありません。
玉ねぎは暑さが嫌いです。北海道のような涼しい気候と乾燥を玉ねぎは好みます。
つまり本州の梅雨と夏の高温多湿が玉ねぎにとって適さない為、それまでにできるだけ大きくなる時間がほしいという理由。
玉ねぎの特徴
先ず、押さえておきたい玉ねぎの特徴は、冷涼な気候を好む事です。原産地は中央アジアです。ネギ、ニンニクの仲間で、生育適温は15~20℃、寒さには強いのですが、暑さには弱く、高温になると休眠し、収穫します。そのまま畑に放置すると高温障害を受け腐敗します。
球は日が長くなり温度が上がってくる4~6月に肥大し始め、一定の大きさで高温になると休眠に入ります。
秋植えの玉ねぎが、大きくならないトウ立ちしてしまう原因
追肥のタイミングがわからない。→トウ立ちを恐れて肥料を少なくしてしまう。
品種を間違えている。→ トウ立ちの原因。
苗を早く植えすぎてしまう。→大きくなりすぎて、トウ立ちを助長します。
秋植え玉ねぎは地域性の気候が大きく影響する作物です。大きくする方法は、上の3つのポイントに注意して栽培しましょう。
九州や四国、中部などの降雪が少ない場所では生産が多く、北陸などの日本海側では生産量が少なくなっています。
〇追肥のタイミングがわからない。
冬は生長が止まるので、植えつける秋には肥料は多くいりません、土作りの為の有機物が大事。それよりも春に肥料を与えた方が効率的です。
1回目の追肥は、2月下旬~3月上旬。気温の上昇とともに新しい葉が伸びる頃になります。
ただし、積雪がある地域ではまず無理です。まだ雪の下になってます。
そこで、どうしても追肥の時期が遅れます。早くて3月下旬。遅くなると4月中旬頃。
その時にやり過ぎて「トウ立ち」する。
生育後半に肥料(特にチッソ成分)が効きすぎると球の品質が悪くなり、貯蔵性も落ちます。
〇品種の早晩性は相関関係があります。
栽培期間が短い早生品種は早く収穫できます。栽培期間が長い晩生種ほど収穫時期は遅くなります。晩生品種は貯蔵性があり、大玉傾向になります。
例えば、極早生の品種は。8月下旬ごろに種まきして、10月下旬ごろ定植4月~収穫します。貯蔵性はありません。晩性の品種は、9月下旬に種まきして11月下旬に定植して6月下旬ごろ収穫します。貯蔵は来春までできるものもあります。
しかし、初雪が12月上旬に降る地域では地温が低く日射が少ないので玉ねぎ苗が活着するだけ。しかも、4月中旬まで残雪がある。追肥もできませんね。
結果、品種も中晩性の6月下旬収穫できる品種に限られてきます。
玉ねぎの追肥のタイミング
冬季は玉ねぎの生長が止まるので、春まで追肥できません。また、土が固く締まっているのでほぐし、肥料や水が吸収し易い環境にしてあげる事が重要です。
春の日差しが暖かくなる頃、できるだけ早く速効性肥料を与えます。
肥料過多だとトウ立ちを招くこともあるので気をつけます。
1回目の追肥は、2月下旬~3月上旬。気温の上昇とともに新しい葉が伸びる時期に当たります。2回目は3月下旬で、球の肥大を促します。極早生の場合は追肥1回とし、生長を見ながら必要に応じて2回目を施します。
ただし、大きな玉ねぎを取ろうと思って長く畑に置いておくことができません。また、遅くなってからの追肥をやるとかえって腐ってしまうことがあります。
除草を兼ねて土を柔らかく
追肥を与える前に、玉ねぎ周辺の除草を兼ねて軽く土を崩してあげると良いです。
冬の間に土の表面が固くなり、水や肥料が中に入らない状態になっています。
その表面を軽くほぐしてあげるだけでも生育が大きく変わります。
玉ねぎのトウ立ちとは
「とう立ち」すなわち花芽分化(花を咲かせ種子をつける)の事を指します。
地際の茎の直径が11mmを超える太さの大苗が低温にさらされると、「トウ立ちする」性質があります。これを「グリーンバーナリゼーション」春化と言います。植物体が一定の大きさのときに、一定の低温に一定期間遭遇することで、花芽分化する性質のこと。
トウ立ちのメカニズム
具体的には、緑植物低温感応型で、一定の大きさに達した苗が越冬中の低温(10~12℃以下)い一定期間遭遇すると花芽分化します。
そして、その後高温・長日条件により抽苔(トウ立ち)する。一般に早植えするほどトウ立ちの危険性が高い。苗の大きさが適当であっても窒素が不足すると花芽分化することがあります。収穫後は自然休眠に入ります。大体1か月くらい続き、その後2~4か月は休眠状態になります。
その後17℃以上の高温に一定期間あうと、ほう芽(芽が出る)しますが、低湿度(40%)以下で抑制されます。
玉ねぎの栽培方法
玉ねぎの植え付ける苗の大きさ
植え付けに適した苗の大きさは直径5~6mm(割りばしを2つに割った大きさの太さ)です。
それ以上でも以下でもありません。太さが11㎜以下という事を聞いたことがありますが、それは越冬する時の太さです。
植えつけしたら当然玉ねぎも太くなりますよ。
それより太いと春にトウ立ちしやすくなり、細すぎると霜で枯れたり、球が小さくなったりします。
適期にタネまきして順調に生育した場合、60日程度で植え付け適期の苗が仕上がります。
玉ねぎのプラグ苗は活着が良いです。プランタ―でも要領は一緒です。
植える苗はコチラ↑
2月に種まきし、2か月間でしっかりとした苗になってきました。
地域の方に沢山作って頂きたくて、太くて強い苗に仕上げました。
長さは20㎝位ですが、太さが大事です。5~6㎜の大きさです。
太くて丈夫な苗を作る為には、やっぱり肥料と水を切らさないようにする。
葉が長くなりすぎることがあり「ヒョロヒョロ」になるので、3分の1位はさみでカットしてあげます。
そうすることで苗が太くなります
玉ねぎの植えつけ方法
実際、mariが植えつけているのでコチラの動画もご覧ください。↓↓↓
古い支柱を30㎝位の長さに切って、それで植えつけのための穴を掘ります。
そして玉ねぎのプラグ苗を引き抜いた根を植穴に入れていきます。土をかぶせたり、あまり押さえつけないようにします。
株間・条間共12~15cm間隔に植えつけます。最初から15㎝間隔に穴が開いたマルチを使うと便利です。
その際、深植えにならないよう、白いところが見えるくらいに植えます。
後で根がつくように水をたっぷり与えます。
ポイントは、あまり強く苗を押さえつけないことです。穴の中に入れて水をあげて土を寄せてあげるように心がけておくとよいです。
また、プラグ苗は植えつけ前にしっかりと水を与えておきます。そうする事によって、プラグから土ごときれいに取れるようになり、根を痛めることが少なくなります。
やさしくです。玉ねぎは水に弱いので過湿にならないようにしてください。過湿になり過ぎると苗が腐ります。水やりは2~3日間隔で最初の頃と収穫時期の大きくなる高温期でしょう。
玉ねぎを植える作業手順
①粗おこし・土を深くまで起こしていきます。
②施肥・整地 ・肥料を全体に均一にまきます。そのあと、土を細かく攪拌して地面を平らにならします。
有機肥料は何でも構いませんが、窒素よりも、リン酸、カリ、マグネシュウムが入った肥料を選びましょう。土づくりのためのたい肥なども1アール当たり100㎏入れば十分です。今回は肥料は有機肥料を使いました。畝を立てる前に 「有機アグレット674を1アール当たり7㎏、有機石灰5㎏、大豆粕2㎏、牛フンたい肥100㎏」
③畝を立てます。畝は、水はけがよくなり、また水持ちが良くなり、玉ねぎにとっては重要です。畝の高さは20㎝ 、幅は100㎝にします。
④マルチを張ります。・マルチをしないで栽培していることが多いですが、私は肥料が流れないように、また、雑草が生えてこないようにしたいのでマルチは欠かせません。マルチは穴あきマルチを使用しています。5列、穴で15㎝×15㎝の間隔に穴が開いています。(20㎝×20㎝でも可)
穴をきれいに開けることが難しいですし、市販で結構いいものが販売しています。
⑤植えつけは、先の動画の通りです。指で穴をあけるとどうしても崩れたり、押し付けたりします。なので太さ1㎝程度の支柱や棒で開けながら入れていくのが簡単で良いと思います。植えつけ作業は楽しいです。けど腰が痛い~~
⑥灌水作業・植えつけが終了したら水を植穴に与えます。最初だけしっかりと玉ねぎの根っこが、土と密着するように与えます。
この後は、一般的な玉ねぎの栽培何ら変わりません
追肥
2月下旬~3月上旬と3月下旬に、1㎡当たり50gをマルチの穴に入れる。
収穫
コメント
素晴らしい!
私にとっては貴重なアドバイスの連続なので今後の栽培方法として、是非参考にさせて下さい。
大西功様 初めまして、さびまりです。ブログをご覧頂きありがとうございます。
少しでもご参考になれば幸いです。私は、何とか雪国で玉ねぎを安定的に作りたいと思っていたんです。10年位前になりますが、本州でなぜ春に玉ねぎを植えないのか?ずっと疑問だったんです。そんな時、農研機構の研究「北陸での春玉ねぎの栽培」発表の講演に参加したのをきっかけに勉強したり玉ねぎを栽培しています。
失敗も多く、ピンポン玉位の玉ねぎが沢山取れた事もあって、ミニ玉ねぎ・丸ごと玉ねぎとして販売したこともありました。(笑)ただし、自然や生き物に絶対という言葉はありえませんから、ブログも目安としてみて頂けたら嬉しいです。
春になり忙しくなりますが、お体にお気をつけてお互い園芸ライフを楽しみましょう。