トマトの育て方。病気と思っていたのは間違いかも【生理障害】

トマトの育て方。病気と思っていたのは間違いかも【生理障害】

トマト実が赤くなりだした頃になってくると色々な症状が現れています。良い症状ならいいのですが、大抵、悪い傾向が多いです。

私の農場でもちらほら出だしてきました。まず、第一に考えられるのは病害虫です。害虫ならアブラムシやコナジラミ、病気なら葉カビ病や青枯れ病を想像します。そのような明らかに病害虫とわかるならいいのですが、よくわからない症状が多いのではないでしょうか。(;^ω^)

トマトの育て方。病気と思っていたのは間違い⁉

今回はそんな症状についてお話したいと思います。

トマトの「葉先枯れ」ってどんな症状

トマトの葉の葉先枯れ①

トマトの先端葉の葉先枯れと尻ぐされ②

↑の画像のような症状です。名前のとおり、トマトの葉先が枯れる症状で、葉先を含めて葉が枯れるのではなく、葉先だけが黄色く変色し枯れます。この症状は中段より上の方トマトが3~4段位ついた頃に花が咲いている近く、一部に見られます。トマトの果実にも、下の部分が黒く変色し、くぼみができます。

同時期に「がく枯れ」も見られました。③

症状としては、この3パターンが多いです。

トマトの葉先枯れは、病気ではありません。これは生理障害です。

生理障害とは、肥料の成分の過不足によって引きおこります。連作したり、肥料成分のバランスが崩れたり、必要な肥料の過不足によって引き起こします。また植物の種類によってはこのバランスが違います。

生理障害は肥料が多すぎて出る症状を過剰症、肥料が少なすぎて出る症状を欠乏症と言います。なじみあるのが窒素過剰で、「木があばれて、どうしようもない」と.

トマトの「ツルボケ」、ナスの「ボケナス」って呼ばれています。

ナスやトマトが可哀そうになりますね(笑)

この症状の発生理由は、肥料の要素のひとつである、「カリ」が不足する事に原因があります。別名「カリ欠(かりけつ)」と呼ばれる事もあります。葉が枯れている症状を見ると、病気が発生したのかなと、思う方も多いかなと思いますが、トマトの葉先枯れは、病気ではなく生理障害の一種です。

葉に見られる「葉先枯れ」の原因はカリウム(K)が足りない。

〇トマトの果実の肥大にカリの供給が追いつかない。

〇根の動きが悪く土壌中のカリの吸収量が少ない。

しかし、カリウム(k)を肥料で与えているにもかかわらず、なぜカリ(K)が不足でしょう。

これは、根からカリウム(K)を吸収する量が、茎や葉、果実を育てるために必要なカリウム(K)が追い付かなくなってしまった事にあるのです。茎や葉、果実の生長が盛んな4~5段ごろ、気温も適温である5~6月に多く発生しているのがその証拠です。その他にも、地温が低い。過湿、病害など根が傷むとカリの吸収が抑えられてしまうのも原因です。

つまり、十分な量のカリウムが施されており、根の動きが良好でも、トマトの株の着果の状態や、気象の条件により、一時的に急激に果実の肥大が進む時には、根からのカリの吸収が、必要な量に追いつかず症状が発生します。要するに、根の張りが追い付いていないため、吸収量が足りないのが原因です。

トマトの「がく枯れ」もこのような根の張りが悪いことで生理障害が起こる事で引き起こされたものだと推測しています。「がく枯れ」の原因は日照不足、窒素過多、水不足など理由になっていますが、これといった決定的な理由はありません。ですが、今回の症状と重なる点が多いので養分がいきわたらない生理障害から引きおこしたものと推測しています。トマトの数がばらつきますし、ヘタ部分が枯れていると新鮮に思えません。当然規格外のトマトになります。

カリウム不足による葉先枯れ症の対処方法

1度症状がでると、残念ながら症状が回復する事はありません。でも安心して大丈夫です。致命的なダメージを負うことは有りませんし、急激な成長が落ち着くとその症状はなくなります。

しかし、枯れている部分が治ることは有りませんから、傷口ができ、そこに病害の発生のきっかけにつながる可能性があります。

先端に見られる「葉先枯れ」「トマトの尻ぐされ」の原因はカルシュウム(ca)が足りない。

〇トマトの果実の肥大にカルシュウムの供給が追いつかない。

〇根の動きが悪く土壌中のカルシュウムの吸収量が少ない。

カルシウムが不足しているときはうまく細胞分裂が行えないため、葉の先や成長点、果実の先など先端部分で障害が出てくるのが特徴です

カルシウムはトマトの体内を移動しにくく、吸収し難いことから、一般的にカルシウム欠乏症は生長の盛んな新葉や果実がついてきだし、大きくなる果実に現れます。また、生育初期のカルシウム欠乏は、新葉の壊死と、生長点の発育停止が起こり。また、上位葉には黄化症状が生じ、やがて枯れます。葉は葉脈間に黄色になり順次上位葉へと進行します。トマトの果実の花痕部の果肉が幼果のうちに水浸状に軟化し、黒褐色になって陥没する。いわゆる「尻腐れ」症状と言われています。カリの症状とよく似ているので注意してください。

カルシュウム不足による葉先枯れ症の対処方法

「カル欠」とも言われます。いちど症状がでると、これも残念ながら症状が回復する事はありません。対処方法としてカルシュウムの葉面散布が効果的です。

カルプラス(OATアグリオ)生育中の作物に使用するカルシュウム剤です。私はこれを使っています。

1~2週間に1回程度、定期的にトマトの上部に噴霧器で400~500倍葉面散布します。これがもっとも効果があります。

急激な成長が落ち着くとその症状はなくなります。

トマトの下葉の症状

下の方にある古い葉は、つやがあり葉脈が浮かび上がり、マダラ模様になるのもよくある生理障害です。

葉が世代交代する、老化葉と呼ばれ仕事を終えた葉が枯れていく際にマグネシウム(Mg)欠乏の症状がこれに当たります。一般的な生理現象ですが、上の方まで上がってくるならマグネシュウム(苦土)欠乏症です。Ca過剰によっても引き起こします。

画像の程度であれば、光合成能力のない下葉として風通りをよくするためにも、取り除きましょう。

生理障害を見つけた今後の対処方法

生理障害が起こっているということは、何かしらトマトが弱っている事です。その対策を行う事が必要になってきています。

灰色かび病とか今度は病害です。弱っている所は病害虫が付きやすい場所です。

枯れて活性がなくなった葉や、花びらのカスなどで、繁殖しやすく、病気の発生、蔓延の原因になることが多いです。発生しているところは、晴天時に葉を取り除くといいですね。沢山あるなら予防的に薬剤散布を行う事が、病害の発生を防ぐ対策となります。

これらの生理障害は、肥料の養分と土と密接に関係しています。よい土づくりをしているつもりだったけど、毎年同じ肥料や土づくり、また同じ作物を作ることによって引き起こされることが解かります。よく、「深く耕しなさい。」とトマト農家から言われているのは、根の張りを広範囲に深くすることで、これらの生理障害にならない根を作るという意味になります。

マニュアル通りの栽培も大事ですが、よく観察し、土壌分析もたまにはしてみると良いかもしれませんね。

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