イチゴは11月頃から本格的に収穫されていますが、これは予冷されたイチゴ苗使って施設で「ハウス」加温栽培だから可能なので、一般の畑では、難しい。
だから、自家用にイチゴを作っている方は、スーパーで販売されているイチゴの品種は栽培が難しいと思います。
ここでは、外の畑(露地栽培4~5月の収穫)の初心者向きにイチゴ栽培を紹介します。露地栽培のおススメ品種を紹介します。
かなり詳しく掲載していますので、栽培についての3つのポイントは目次より下にお進みください。
イチゴ栽培の難易度は突然、高くなる「旬を変える」ガチな技術の事
収穫期間が短いのに頑張ってイチゴを育てたい方々の気持ちは、
イチゴって、めっちゃおいしい‼だから育てたい。
この魅力ですよね。
普通にイチゴ栽培することは、そんなに難しくありません。どちらかと言えば簡単です。
簡単なんですが、
付加価値の高い商品・品種にしようと思うと急に難易度が上がる野菜です。
1粒 500円以上のイチゴありなし?
クリスマスシーズンからイチゴ、大粒の甘いイチゴの品種を特殊な品種や時期に出荷するとなると、電照栽培、予冷苗、そして暖房機による保温管理などの技術や施設、とってもコストがかかる。環境を整えるって一番難しい。
イチゴの生い立ちと特徴
春から秋冬の間に光合成によるエネルギーを蓄め、春に花を咲かせて子孫を残すのが、イチゴの生き方です。イチゴの収穫適期は春ですから、旬は4~5月になります。
イチゴが伝来したのは江戸時代末期で、オランダ船で長崎にもたらされたことから「オランダいちご」と呼ばれ。
しかし、当時いちごは観賞用で、現在日本で栽培されている食用のいちごは、フランスやイギリス、そしてアメリカなどから導入されたものを品種改良したものです。
なぜ、クリスマスにイチゴが採れるのでしょう?
普通に栽培していても11月にイチゴは取れません。4月から6月です。
それが11月末からどうしてイチゴが採れるのでしょう。
普通のイチゴを栽培では休眠が関係し開花結実しません。動物の冬眠と同じような感じですね。
イチゴ苗に人工的に「冬が来て、春になったと感じさせてあげる」ことで、花が付きイチゴが成ります。
イチゴの促成栽培・抑制栽培はこの休眠という特徴を利用して「冬を短くしたり、長くしたり」して開花を調整します。
イチゴに強制的に目覚めさせます。「休眠打破」
イチゴは冬の寒さを体験させられて、その後温室で育てられます、そうするとイチゴは春が来たと勘違いしたまま、生長していきます。
ここでは「休眠打破」もしくはバーナリゼーション「春化」と言います。
「植物が冬の低温状況に一定期間さらされることによって、開花もしくは発芽能力が誘導されること」
こうしてイチゴは冬・春を勘違いして冬が来るころに暖かい温室で花を咲かせ、実をつけているのです。
イチゴの休眠打破の方法
休眠打破の行われている方法
イチゴでは株冷蔵と言います。
7月上中旬に、ランナーを切り離し、ポット等に植え替えて育苗します。
夏場、涼しい標高の高い高冷地で育苗したり、クーラーや地下水を利用した夜冷育苗等が導入されています。
実は、このような技術はイチゴのほかに花に多く使われている「チューリップ」「敬扇桜」なども休眠打破しています。サクラも冬の寒さがあってこそきれいな花を咲かせるのですね。ジャガイモや玉ネギは、休眠打破してほしくないですね。
イチゴの構造
甘くておいしいイチゴ、食べている部分は実ではありません。
花びらがくっついていた土台のところ、専門用語で花托と言い受粉と大きく関係しています。
赤く大きくなった花托の表面にある「ぶつぶつ」あれが種子ですが、花托が大きくなるには種から分泌される成長ホルモンが必要です。
イチゴの食用部を大きく生長させるのは「オーキシン」と呼ばれる植物ホルモンが種子から放出されています。
つまり、生長ホルモンは、タネが受粉しないと出てこない。
だから、イチゴの片面だけつぶれた、ゆがんだ形のイチゴができる。タネが固まってできる箇所は受粉できていないから。
花の中心(雌しべ)に部分が黒くなっていたら受粉に失敗しています。
このままにしていても赤いイチゴにはならない
このようないびつなイチゴ「奇形果」を見つけたら早めに取り除きましょう。
気温が低い時期は受粉を手助けしてくれる昆虫が少ないので、花が咲いたら午前中のうちに、筆や綿棒などで「まんべんなく、丁寧にこすりつけます」受粉してみましょう。
冬のイチゴは温室に強制的にハチを放し、加温させ、タネを確実に受粉させ、大きく、きれいなイチゴにしているのです。
外(露地)栽培しているイチゴは、温室よりずっと遅い4~5月になります。
外には、昆虫が沢山いますので奇形のイチゴが出ることはほとんどないのですが、寒さ、夜露で上手く受粉できない事が有ります。
完熟イチゴの見分け方
ヘタがかぶるようについているもの
コレ!たぶん完熟ではありません。
ヘタが実とは反対にめくれあがっているもの
本当に甘くて適度な酸味のあるイチゴです。ただし、ヘタが大きすぎてめくれ上がらないものもあるので一概には言えません。
イチゴの色々な栽培方法
*深くは書けません。が後ほど解り易く解説します。
イチゴの休眠をコントロールして栽培しています。これらはイチゴの品種は作型別に明確に使い分けられています。
促成栽培:休眠導入前に保温して矮化を回避して連続的に花房を誘導します。
半促成栽培:休眠覚醒前に保温半休眠状態で連続的に花房を誘導します。 イチゴが休眠する11月中旬以前に温室栽培を始めるとイチゴは寝ぼけて半休眠状態になります。この状態ではイチゴは花を咲かせ実をならせることをずっと続けます。
株冷蔵抑制栽培:十分量低温遭遇後に冷蔵し高温期に定植(8月)・収穫(9月~11月)します。冷涼な秋田県などで行われています。
電照栽培:一定期間、ハウス内を白熱灯などで照明し、イチゴにあたかも日長が延長したかのように思わせ、11月から次年度4月頃まで収穫します。長日反応により休眠が抑制され、葉面積が増加します。すると、光合成量が増加し、結果的に果実重量の増加につながります。
休眠、促成とか、矮化とか、花房、言葉だけでも難しそうですね。
それを求めない普通の栽培も十分おいしいし、簡単です。
イチゴ栽培のポイントは、この3つを注意するだけ。
①イチゴは連作がダメ。毎年更新。収穫期間が長くて半月か20日間程度と思って。
②イチゴ苗は、宝交早生。ウイルスに侵されていない中苗を植えます。
③冬仕事は、イチゴの葉の古い下葉取りをしっかりと。病気を防ぎ、春仕事は摘果だけ。
①イチゴの生育の特徴(毎年更新)
バラ科の多年草、気温は17~
さらに、根が浅い為乾燥に弱いのです。イチゴは、受粉ができると約30日で収適期となります。
イチゴ苗を一度植えつけたら植えっぱなしにしてませんか?
同じ株で3年くらいは収穫できますが、多年草ですが、苗は毎年更新しましょう。
「イチゴを植えてその次の春には株も大きくなり立派なイチゴが採れたのに、次の年は小さなイチゴしかならなかった。どうして?」
想像するに、多年草であるイチゴのランナーを全く管理しないで、次の年に子株が沢山混在して、株がどんどん弱く、実が小さくなったと推測します。
また、苗自体ウイルスに侵されている可能性がありますね。
毎年更新、できれば畑の場所も変えましょう
②イチゴの苗の選び方
宝交早生は病気に強く、収量の多い露地イチゴでは最高の品種です。
外で育てることができますが、多くならなかったり、病気になったりと露地栽培が非常に難しいです。向いていません。
秋から冬にかけの低温・短日花芽でを形成し、春に開花して初夏に収穫する品種です。
一般的に私たちがイチゴとして生で食べているものは、一季なりイチゴがほとんどです。
ほぼ1年を通じて次々と実がなります。特に春と秋に良く採れます。
生食はちょっとおススメできません。甘さが控えめなのでジャムなど加工用にした方がよいです。
イチゴ苗を畑に植え付ける時期
植えつけ方法
◎花房が通路側に出るよう親からの古いランナーを畦の内側に向けます。
これは、いちごの花は親株と反対側に咲くという特性を持っているので、ランナーの180°反対側にいちごの実をつけます。
親株がないとき時の目印はランナー(親株と子株をつなぐもの)です。ランナーの逆側から花が咲くので、収穫しやすい向きに植え付けてあげましょう。
③イチゴ栽培の管理方法「冬仕事は、イチゴの葉の下葉取りだけ。」
古い葉をかいて、次に出てくる葉をでやすくすると、太くしっかりした株になります。
新しい葉が出ると、古い葉はさほど大きくなりません。つまり用済み。
葉がたくさんあると過繁茂になってしまい、いちごが病気にかかりやすくなります。病気を防ぐためにも古い、下の垂れた葉をスッキリさせましょう。
古い葉をとることで光あたりが良くなって生育が良くなり、病気も減り、結果的に収穫量が増えます。
摘花(摘果)作業で大きな実を成らせよう
摘果のやり方
花が何個かついている房が次々と出てきます。ここで最初に出るのが1番果、次にでるのが2番果というように次々と咲いてきます。この房をガマンして半分の花にします。
一般的には、イチゴの花房(花が房状に付く部分)ひとつに対し、約10個程度の花が付くのですが~そこにまだ蕾の残る内に、
良い状態の花(奇形でない)を2~4果残しあとは全て落とします。
群がってついているものは小果実ばかり
1番房をツミ、2番果、3番果4番果、5番果に栄養を行き渡らせます以降を摘果します。
小さい花(実)や生育の悪い花(実)を摘み取ることにより、残した花(実)に栄養を十分に与え、株への負担を減らします。
摘花・摘果をしないと、実の数は多くなるものの一粒一粒の大きさはとても小さく、味も劣りがちになります。
摘花(摘果)することで実の大きさが揃い、収穫量や品質が安定します。
イチゴの開花時期の管理方法
伸びてきたランナーも切って取り除きます。
*これは、大切な養分を果実のなる花に回すため、大切な作業でもあります。
収穫が終わるまでは、適度にランナーを切り続けましょう。
イチゴの苗の増やし方「ランナーを使おう」
親株の株元から、ランナーが長く伸び、その先には~いくつもの子苗ができています。
(1本のランナーに3~4株ほどの子苗ができます)
イチゴ株分け【動画で紹介しています。】
よろしければご覧ください。培養土を入れたポリポットに2番目以降の子苗を植え付け苗が浮き上がらないようU字型のピンでランナーを押さえつけます。(クラウンの深植え、浅植えに注意しましょう)その後、たっぷりと水やりします。
少し暖かくなり?株が目覚め~葉が少し立ちあがってきたころが追肥の頃。
株の周りに追肥をします。これはあまり必要ないかもしれません。
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