ひまわり畑の作り方【簡単で景観良好!しかも連作障害回避と緑肥の効果】
- 2020.08.22
- ひまわり

太陽のように明るく大きな花をつける向日葵(ひまわり)。その花言葉は、「私はあなただけを見つめる。」
ひまわりは、真夏の似合う人のイメージが強いですね。あなただけを見つめるのはひまわりの向きから例えられてたのかな。
それはさておき、ひまわりを見てると暑さも乗り越えられる元気をもらえます。
今年もひまわり畑が見事に咲き、若い恋達が写真に収めている景色が見られました。「教えてあげたい、花言葉。」
因みに
大輪のひまわり(向日葵)の花言葉は「偽りの愛」「にせ金持ち」。あらら(+_+)
貴方を見つめる程度の問題かな。度が過ぎるのもかんがえものです。
農作業している私もついつい見てしまいます。いいなあ(*´з`)
そんな夏の観賞用のイメージが強いひまわりですが、
私の町でも4年ほど前から緑肥と景観美化もかねて向日葵(ひまわり)の面積は50アール栽培しています。密集して咲いたひまわりほど豪快で見事な感動を与えてくれます。記憶に残るインパクトですね。
皆さんも一度は育てたことがあるひまわりですが、大面積となるとちょっと勝手が違います。そのコツを説明したいと思います。
もくじ
ひまわり畑を作ってみよう。
向日葵(ひまわり)の構造。意外と短い花の見ごろ。
ひまわりの花の開花期間は、意外と短いものです。
1本立ちの品種は見ごろ期間にして1週間程度でしょうか。あっという間。
1輪のひまわりは頭状花序(頭花)というのは花序(=花のつき方)をいいます。因みに、ひまわりはキク科植物です。
キク科に見られる通り、花軸が円盤状に広がりその上に多数の小さな花を密集して付きます。頭花は複数の舌状花と管状花(筒状花)で構成されており、外側から内側へと開花していく。中心まで咲いたら、見ごろが終わります。
1本立ちは、これ以上は咲きません。分枝タイプは、下の節から枝が伸びて再び咲いていきます。
種まきから大体45日~60日で開花します。品種によって日数が書いてあると思います。
寒さにも比較的強いので2~3回撒くことができました。6月~11月まで時期をずらしながら作れます。
ひまわりの花は太陽に向かって動く?
そう、教わったような気がします。
ひまわりの向く方向、成長期(若い)ひまわりと、成熟期(老いた)ひまわりで違う。
そうですが、
どこに植えても東に花を向けて咲いている様に見えます。
私の感想として東向きにしか見たことがありません。時間的な問題かな?ですので作付け場所は西から東を見る方向に道路や歩道があると良いですね。
ひまわり畑の作り方【簡単で景観良好!】
畑の準備
畑は、なんといっても排水の良い所。
排水が悪い所では高畦にしたり、明渠をほったり周りに排水溝を掘るなどして必ず排水対策をしましょう。
最初にあげる肥料はいらないと言っていいでしょう。ひまわりは肥料を吸う力が強いので、肥料をあげると、草丈が高く、茎が太くなって倒伏してしまいます。
ひまわり畑を作るなら、そこは細くて、小さい方がかわいい。
様子を見て生育が悪い様なら与える程度で十分です。
土づくり資材として堆肥はできるだけ完熟していて肥料成分の少ないものを使用しましょう。
向日葵(ひまわり)の品種
使用品種は花粉が出ない完全1本立ちの枝分かれしないタイプの安価な種子を使用します。つまり景観用・緑肥用の種子を使用します。
一般的な切り花用のひまわりの品種は多く、色、大きさ、花粉が無いなど、鮮やかなものが沢山あります。
ただし、切り花用のひまわりの種子は経費(コスト)がかかりますので注意してください。
切り花用に多くの品種があって、楽しめますが、かなり割高です。
緑肥用と言っても種子は大量に使います。10アール(100m×10m)で大体2kgの緑肥用種子で10,000円位かかります。
切り花用のひまわり種子だと1000粒が3,000円~6,000円位ですから2kg買おうと思うと30,000円~60,000円位かかるかもしれません。
ひまわり畑は野菜の連作障害を防ぐ
ひまわりには、景観を良くするほか緑肥として土づくり、連作障害を防ぐ効果があります。
連作障害についての記事、連作障害について【野菜を栽培することが、不自然で土がやせる】その対処法もご覧ください
ひまわりは深く根を張り、肥料を吸い取る力が強い為です。(吸肥力が強い)余談ですが、放射能汚染された土壌にも効果があるとかで話題にされたことがあるほどです。
余分な肥料や足りない栄養を吸い上げ、緑肥としてすき込むと有機物として土に養分を補給してくれます。
少量、高くてもいいので景観にこだわりたいのであれば、タキイ種苗サンリッチシリーズがおススメです。
景観用ひまわりの品種
完全1本立ちの方が見た目がよい。
枝分かれする品種は幾分長く楽しめますが、倒伏とかそろいが悪かったり見た目があまりよくありません。
ハイブリットサンフラワー「カネコ種苗」
景観形成作物として開発された草丈150cm前後の交配種ひまわりです。花径30cmくらいの大輪花で、短棹で耐倒伏性が強い品種です。焼酎、ひまわり油、蜂蜜など農産加工品作りに使われているひまわりです。5月中旬に種まきして、8月中旬に開花します。
緑肥用ひまわり「タキイ種苗」
緑肥(土にすきこんで作物の肥料とすること)として使われています。
土を豊かにし、土の中に有機物が増えて微生物の繁殖が活発になり、さらにひまわりが根を張るため固い土が突き破られ、土がフカフカになります。
最近では、景観用として多くの地域で、有休農地を活用して地域の観光の一つになっています。
初期成育が旺盛で、土壌の被覆が早いため雑草をよく抑えます。開花期の草丈は2m以上にもなる。
5月中旬に種まきして、8月中旬に開花します。比較的値段も安い。
上画像のような咲き終わった後の種子を乾燥、保存しておいて、次年度の種子として使ったり、搾油してひまわり油、ペットの餌として販売することができます。
搾油には、専用品種ハイブリットサンフラワーのタネが向いています。
次年度にまくのであれば緑肥用単種が良いでしょう。
ひまわり種の播き方
4月下旬〜6月の上旬までの時期には種まきをしておきましょう。
ひまわりは播種後約60日で開花します。(積算温度900度)
つまり、8月位迄に播けば11月にもう一度咲きます。
根は直根性なので、できる限り直接地面に撒きましょう。(直播)
移植すると生育が悪いです。
鉢植えで育てるのであれば、最初から大きめの鉢に種まきをするようにしましょう。
ひまわりの種は光を嫌います(嫌光性)光に当たると発芽しません。
そのため、1〜2センチの穴を掘り、3粒程種まきして土をかぶせます。
発芽適温は25℃、生育適温 20~30℃です。種まき後、7〜10日程すれば発芽してきます。
ひまわりの間隔・除草
最初の頃に雑草を生やさないことです。
これができればひまわり畑ができたようなもの。ひまわりは雑草よりも成長が早いですが、初期はどうしても雑草が強い。
その為には、簡単に除草できる株間と畝間が必要になってきます。
その株間は10㎝の2~3粒まき、条間は管理機で耕せる間隔60~70㎝です。(手押しの耕運機が間を通れる間隔)
ひまわりは一旦大きくなると生長が早く、雑草が大きくなる前にひまわりの葉が地面を覆って日光をさえぎるので、雑草が生えにくくなります。
ですが、発芽して間もない頃に雑草の方がひまわりより大きくなってしまうとひまわりが大きくなれません。その為、ひまわりが生えて(本葉4枚)2週間程度の頃に、畝間を管理機で耕します。
株間は密植していても構いません。条間をしっかりとっているので光は十分とどきます。またひまわりは競合(ひまわり同士が喧嘩して生育にばらつきが出る)しないように思います。
肥料はできるだけ少なくする。
肥料はほとんどいりません。直根性で、吸肥力が強いので、大きくなりすぎてしまってきれいに見えません。倒伏します。
その後の管理はほぼありません。あまり管理しすぎると大きくなりすぎて、倒れたり大きくなりすぎたりします。
ほっときましょう。ひまわりは吸肥力の強い作物です。
水田転作でのひまわり栽培
・圃場
排水対策をしましょう。額縁排水、明渠、できる限りです。排水不良田では、発芽しても生育が悪くです。
10アール(約300坪)あたり 20kgの有機質肥料を与えます。土作りのためにたい肥を10アール当たり2トン入れても良いです。
ただし、前作に野菜等の作付け田であれば肥料は無肥料です。大きくなりすぎて倒伏します。
トラクターでできる限り、細かく砕土して発芽よくする、また雑草もきれいい打ち込みます。
・播種
10アール当たり、緑肥用ひまわりの種子が2㎏蒔きます。条間60~80cm、株間10㎝、タネの量1~3粒で設定します。発芽には光を嫌いますので必ず覆土します。専用の播種機をトラクターにつけ、起こしながらまいていきます。
種を蒔いた後は、水をあげるのがいいのですが、私の畑は一度も水をあげていません。お天気に任せます。それでも失敗は今のところありません。
発芽して、種の蒔き過ぎで株と株の間が詰まっていても気にしません。管理機で耕して多く出ている所は起こして畑の肥やしにしましょう。全て発芽しても間引きしません。間引くの手間が勿体ないです。
・中起こし・除草
中起こしは、ひまわりとの条間60~80㎝取っていますので、そこを管理機(大豆乗用管理機でも可)などで耕しながら雑草も土に打ち込みます。ひまわりが20㎝位になった頃、40㎝位になった頃の2回するとよいでしょう。そのあとはひまわりが大きくなり雑草に光が当たらないので生えてこれません。
取り組みやすいし直播ができるため、育苗なし栽培し易く作り易いです。
ひまわりの開花は、日毎の平均気温の合計が900度に達した時と言われています。夏の場合は、種まきから約60日で開花しました。
5月初旬に種まきして8月上旬に開花です。見ごろは1週間程度です。
また、種まきを順番に遅らせて撒くと開花期がずれるので長く楽しめます。8月にひまわりをすき込み、秋野菜の大根やカブを栽培するのもおススメです。
水田転作での機械作業
水田利活用の為、蕎麦・大豆・麦・菜種等を生産していますので下のような機械で作業して大面積をこなしています。
播種は、トラクタ―に播種機を付けます。大豆・そば・麦の転作用播種機です。例、アグリテクノ矢崎さんの播種機
除草・耕しは、大豆・園芸用の常用管理機 例、イセキ農機さん、常用管理機
ひまわりが咲き終わったら
・このような状態になったらトラクタ―のロータリーですきこみます。緑肥として次作の土作りになります。
一度すき込んだ位では、ひまわりの残さが結構目立ちますが、1週間程度経過したら、またロータリーで耕します。2回耕すことで完全に残差が目立たなくなります。後作でも耕すでしょうから、全く問題無しです。
トラクターモアで粉砕すれば、その後すぐに大根等の秋野菜が栽培できます。
ひまわりの株は分解も早いですね。あまり、カラカラに畑に置いておかずに、茎葉がまだ青みが残っている内に耕すのが、緑肥としての効果も高いと言えます。花の見ごろが終わるのが8月中です。
ひまわりはその後もう一回育てる事ができますね。
9月には大根や葉物、玉ねぎ等野菜も作れますし、水田転作として麦作として生産できますね。
この後は、私は、大根とカブ作ります。
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