「ピーマンが成り過ぎ、その後ピーマンが取れなくなった。」
「ピーマンをほったらかしにしたら、特大ピーマンが5~8個なってた。その後もうピーマンが成らなかった。」
このような事有りませんか?仕立方法も色々あるし。
ピーマン栽培は簡単なようで難しい
ピーマンの栽培で、どんどんピーマンが取れて、その後しばらく収穫できなくなって、またしばらくすると取れだした。波が荒い。
ピーマン沢山なってきたけど、形が悪い。だんだん取れなくなってきた。
これはピーマンの「着果周期」によるもの。ピーマンの整枝剪定のコツを探ってみます。
ピーマンやナスには「着果周期」というものがあります。
例えば、果樹やタケノコとかに「表年と裏年」聞いたこと有りませんか。今年は表年だから沢山タケノコ採れた(^_-)-☆なんて事。
これも周期の1つです。
このような野菜や果物の実が成る波があります。これをできるだけ少なくするために「切り戻し剪定」をして、数と生育を調整し、安定した収穫をしています。
着果周期とは
着果量が多くなると、果実の肥大の為に多くの養分が使用され他の所にまで行きわたらなくなります。そうすると、新しく咲く花へまわる養分が不足して、着果量の少ない時期が訪れます。
果実が収穫されると、再び着果の量が増えだします。この現象を着果周期と呼びます。
管理が悪かったり、収穫果を大きくしすぎたりすると、着果周期が乱れが長くなり、全体の収量が減るという事です。
つまり、限られた栄養分の取り合いが起こって、花に行く養分が既存の実の方にどんどん取られて、次の実が大きく育たない事が起こるのです。
1本の株に着果できるピーマン数(最大数)はある程度決まっていると考える。
つまり、ピーマン自体の株の大きさや成長過程にもよるのですが、放任した全ての枝にピーマンをつける事は、ピーマンが負担だって言ってる。
ピーマンを整枝することで、半分位の枝の量とピーマンの成る数のバランスが取れる。
着果周期を制しましょう。
石ピーマンと型くずれ
ピーマンはキュウリと同じく、単為結果します。(単為結果とは、受粉しなくても、実がなるという事。)
かと言って全く受粉しないわけでなく、受粉がうまくいかないと正常な大きさや形にならない事が起こります。
例えば、ナスの石ナスと同じ現象で、「石ピーマン」って言われています。
石ピーマンは極端な高温や低温によって受粉がうまくいかない時に起こります。
また花が長花柱花、中花柱花、短花柱花があります。
ピーマンの株自体の栄養状態が悪いと短花柱花が多くなり、実が付きにくい状態です。
つまり、肥料や水が切れて、短花柱花が多くなってくると実がならない兆候になるのです。
正常なピーマンの形の画像↓
奇形の大きさ・形のピーマンの画像↓
「長花柱花」「中花柱花」「短花柱花」についての説明は
また、太い枝では着果周期が起こりにくく、細い枝に比較的起こり易いです。
細い枝程負担が大きいのがその理由。
その為、株の負担をできるだけ小さくしてあげることが大事なんです。
ピーマンの育て方
ピーマンの品種の特徴
アメリカやヨーロッパの熱帯地方が原産地です。ピーマンの名称は、トウガラシを意味するポルトガル語、フランス語のピマン(piment)に由来します。
最近では、赤、オレンジ、黒の品種もありますよね。早生性のあるカラーピーマン品種「フルーピーレッドEX」です。↓画像。これらの品種は短節間でコンパクトな草姿で栽培し易いのでおススメ品種です。大果種のカリフォルニアワンダーは一般的なピーマンの倍以上の期間、開花後50~60日かかります。
この品種なら早生性なので、早く収穫することができ高単価の時期の出荷を狙うこともできます。
色鮮やかなカラーピーマンは直売所で目を引くこと間違いなしです。
ピーマンは同じナス科の植物ナス・トマトと共通する部分が多いので、トマトとピーマンとナスを栽培している農家さんは私の周りには結構多いですね。
ピーマンの生育の特徴
・最初11枚の本葉が出て、一番目の花が咲くと、その節から2~3本同じように側枝をだして枝分かれします。・ピーマンは各節ごとに着果し、2~3本の側枝を出すことを繰り返します。
・側枝は1本が太く、1本が細くなります。
・同じ日に枝分かれした節には、同じ日に開花する特徴もあります。
平面図にするとこんな感じ↓画像。同じ番号の花は、同じ日に開花します。
数字が上の方に行けば行くほど、枝分かれして、ピーマンの数が増えていくことになります。
理論的には図のようになるのですが、実際の畑ではこのようになりません。
ピーマンの開花・結実の温度
ピーマンの葉が11枚くらいの時に1番目の花が咲き、自家受粉によって実がなります。
花粉の適温は20~25℃、15℃以下、30℃以上では受精が悪くなります。
生理障害果とは
「下の方からピーマンが腐ってきた。」「黒くなって大きくならない」って声を聴くことがあります。ピーマンは、トマトと同じカルシュウム欠乏症によるものです。
日焼け果は、夏場に土の水が不足して太陽の直射日光が当たるときに発生します。若い果実に黒くアントシアン色素があらわれます。
整枝・剪定の方法
込み合ってきたら、ピーマンの葉や枝を切り、すかしてあげる。
・生育が進み枝が込み合ってくるので第1果のついた節から、2~3本の枝に分かれます。これより下の葉はすべて取り除きます。
上から見て中央部の部分に空間を作るようなイメージで葉や枝を取り除き、光が当たるようします。
ピーマンの選定は2本~4本仕立てで作る栽培方法が掲載されていますが、、。
さっきの話、しし唐なら、たくさん枝があっても、実は小さいから4本以上の枝になっても負担が小さい。けれど大きなピーマンなら2本の枝だけでも負担は大きいものです。
枝を伸ばしっぱなしにしたら↓の様になり、たくさんなりますが、良い果が得られません。
そこで、剪定↓
例、主となる枝を4本程度に決めて、その4枝を伸ばす様に細かな枝を切り落とします。
無難なピーマンの剪定は4本仕立て
4本剪定の仕方の図
ずいぶんとスッキリしましたね。4本立てる事が必ずしも正解とは言えませんが
図の✖の部分で切り取り(せん定)して中央の部分をあける。
細かな側枝は、葉2枚残して切り落としてください。
ピーマンの整枝はなかなか難しいのですが、
剪定は内側の側枝を切ることによってピーマンの内側に空間を作り太陽光を当てることをします。
こうすることで、着果周期を安定させバランスよくピーマンの株を育てながら、長く収穫していきます。
ピーマンはナスの様な切り戻し整枝は必要がなく放任でも簡単に育ちます。
しかし、生育が活発になり葉が込み合ったときに枝を間引く、上から中心を透かしてあげるイメージで管理すると長く収穫できるのです。
ピーマンの収穫
ピーマンの実は枝分かれしている箇所についていきます。そこを重点的に見るけど、ピーマンと枝葉はおんなじ色で中々探しずらいです。
一番果が付いた箇所から下に出るわき芽もすべて小さなうちに摘み取りましょう。
ピーマンは収穫が遅れると大きく、果実が固くなり色も悪くなります。収穫までの日数の目安です。
開花から収穫までの日数
一般的なピーマンは、4~5月は涼しいので25日位、6~8月は17~20日位、9月は30日位で収穫適期。
けれど、日数は数えません。収穫適期は大体ピーマンの大きさと艶で収穫しています。
ただし、栽培によっても収穫のタイミングは変わります。
着果が多く、株が弱ってきそうな感じであれば、早めに収穫します。
反対に着果の量が少なく株の勢いが強い場合は、少し大きくした方が良いでしょう。
追肥はこまめにしましょう
ピーマンの収穫期間は6月~10月下旬までと大変長いので、途中で肥料切れを起こさないように気をつけましょう。
高度化成肥料では効き目が良すぎて葉が茂り過ぎてしまうので、追肥は肥料成分の穏やかで長い有機質肥料を中心に使います。
肥料を好む野菜なので、2週間に一回、畝に有機質肥料を与え肥料切れしないように注意しましょう。株周りに1株当たり30g程度、私はあげています。
「着果周期」を整えて長く沢山取りましょう。
コメント
こんにちは。ピーマンの整枝のやり方が分かりました。
ありがとうございます。
毎年なりすぎ、支柱は適当に何本も立てる。
といった具合でしたが、今年はスッキリ3本仕立て位でやってみます。
井上勲様 初めまして、さびまりです。ブログをご覧頂きありがとうございます。少しでもご参考になれば幸いです。
3本に仕立てても良いと思います。長く栽培すると大株になってきますので、枝がピーマンの重さに耐えれなくなって、折れる恐れがあるかもしれません。
支柱を広めに立てるといっそう良くなると思います。
ピーマンは、とても夏の暑さに強い野菜です。植えつけさえできれば、放っておいてもそこそこ収穫までできます。
ピーマン、トマト、きゅうりなど夏野菜のほとんどは、整枝してできるだけ長く収穫を楽しみ、食卓を彩る事ができるものだと思っています。
植物は本当に素直です。
手をかけてあげればちゃんと答えてくれます。なんとも愛おしい。
暑くなりますが、お体お気をつけて園芸ライフ楽しみましょう。