今年も捨てたかぼちゃの跡からかぼちゃが生えてきました。
かぼちゃって、ほんとタフ。
この記事では、かぼちゃの育て方について、初心者にもわかりやすいように解説しています。
かぼちゃを買ってきたタネを、外の畑に捨てて置いたら、春先芽が出てくるほど育ちやすいのです。
野菜くずを積んでたい肥化するのにかぼちゃのタネが混ざっていたんでしょうね。
因みにたい肥化する時の発酵にかかる熱が高温になります。大体70度前後で1週間です。それにも関わらず、かぼちゃのタネは死なず芽が出てきます。それ位かぼちゃの種子は強いのです。
上の画像は自然と生えてきた「野良生え」のかぼちゃです。
勝手に生えて、勝手にかぼちゃが成る。それが「かぼちゃ」です。
しかし、栽培となると中々うまくいきません。ちょっとした工夫をしないといけません。
かぼちゃは、面積が沢山いる。かぼちゃ1本に対して、大きい物を大体2個収穫しようと思うと4㎡は必要になります。
よく最近耳にするプランター栽培では、中々厳しいものがありますね。しかし、ミニカボチャを選べば取れない事もないかと思います。
ミニカボチャは、サカタのタネ「プッチーニ」、協和種苗「坊ちゃん」などが有名です。
かぼちゃの育て方
栽培の時期
初心者は遅霜の無い5月に入ってから種まきや植えつけをする。かぼちゃの苗を植え、8月上旬ごろに収穫を迎えます。
一番失敗し易いのは、発芽してから苗を植えるまで、この頃に早すぎて寒さや風に苗が枯れてしまう事があります。
畑の準備と土
・かぼちゃは肥料を吸収する力が強いので基肥は控えめにします。
・畑の場所比較的土壌は選ばないが、乾燥に強く、過湿に弱いため排水対策をしっかりする。
その方法は、かぼちゃを植える場に肥料を与えてから、耕し、畝立てして、黒いマルチで覆います。
畑に肥料をあげましょう。(施肥の目安)
最初に畑に肥料をまんべんなく撒いて、細かく畑を起こします。追肥はしません。
土壌改良材「 pH調整(6.5位)」を好みます。
石灰等のアルカリ資材を 1㎡あたり 120g
堆肥を 1㎡あたり 3kg
有機肥料1㎡あたり 80g(全層施肥)
カボチャの種まき~育苗の方法
- かぼちゃの小袋に5粒ほどかぼちゃの種が入っています。発芽はほぼ100%ですので5本とも発芽するするでしょう。
- 畑に直接まいてもよいし、ポットにまいておいて、育苗して植え付けてもどちらでも構いません。
- ポットまきの場合は、3月に一粒ずつまいて、やや高め発芽適温は 25~30℃です。
- 発芽後は 少しひくめに22℃~25℃度。
種まきは慌てない事。
4月中旬では、地温がそれほど高くありません。キャップやトンネルして地温を確保する必要があります。
地温が低いと発芽ができずに種が腐ったり、奇形ができたりします。
夜間は18度以上で育苗し定植後は高温には弱いため30度以上には絶対しない。
適温は 22~25度
かぼちゃの苗を植え方
本葉が4~5枚くらい出た5月上旬以降(遅霜の心配がなくなった頃)に畑に植え付けます。
【移植】とは
植物を現在植えてある場所・鉢・トレーなどから掘り上げて移すことです。
【鉢上げ】はちあげとは
タネ播き・挿し木をした苗床から、個別の植木鉢に移植することです。
【定植】ていしょくとは
苗床や養成用の鉢から、畑など最終的に収穫するまで育てる場所に、あるいは最終的な仕上がりサイズの鉢に植えることです。
【根鉢】ねばちとは
根と一体化した土の塊です。ポットを引き抜くとポットの形のまま抜けます。
畑に直接まく場合は、霜が降りなくなった4月下旬頃に、一カ所2粒ほどまいて、発芽した後に一カ所1本に間引きしましょう。
育苗箱に一旦撒いて、発芽させてから、本葉1~2枚で植えかえします。植え替え作業の事を「鉢上げ」と言います。
鉢上げという作業は、
かぼちゃは種まきから苗になるまで非常に速いです。(期間が短く、発芽が3日間即、本葉1枚で、鉢上げしないといけません。)
鉢上げは9㎝以上のポリ鉢です。
大きくなりすぎた老化苗や間延びした徒長苗にならないように気を付けましょう。
市販のかぼちゃ苗を選ぶときには、がっちりした苗を選ぶとよいでしょう。
肥料を全体に施してうね立てします。苗は本葉3~4枚で植え付けます。
晩霜の心配があればホットキャップか不織布をかけて保温します。
霜に当たると枯れます。
低温に遭うと枯れなくても成長が止まります。西日本であれば5月上旬です。
・うね幅200cm以上をとり、株間100cm程度に植え付けます。畝間は4mあるとよいです。
・植え穴は大きめの直径9㎝の穴をあけます。
本葉3~4枚でポットの根鉢を崩さないように丁寧に浅植えしましょう。
植えつけたらポット周辺にたっぷり水をあげましょう。根付水(ねつけみず)と言います。
この作業はとても大切です。移植する苗と畑がちゃんと接し、根がすぐに伸びやすくします。
整枝・摘心
先ず、カボチャは親づるは5~6節で摘心(ツルの先端をはさみで切ります)し、小づるを4本伸ばしていく。(上の図)
この4本以外にもツルが生えてくるので取り除きましょう。
かぼちゃ1本で採れるかぼちゃの実「普通サイズ」が1本の株で4つ以上なってきたらその先のツルを止めていきましょう。
余り多くならせると株に負担が大きくなり病気になったり実を落としたりします。
ミニカボチャ「坊ちゃん」「栗ぼう」「プッチーニ」「錦甘露」等は、8個位沢山ならせることができます。
ミニカボチャは成らせるだけならせましょう。
かぼちゃの追肥
基本的には追肥は必要ありません。
有機質肥料をたっぷり与えてあれば最初の肥料で十分です。ただし、葉が黄色く元気がないようでしたら追肥します。
葉が茂りすぎなら、追肥を少なくするか、しない。目安として1㎡あたり有機肥料40gだが生長に従い株元から離れた位置に施します。
かぼちゃの生育中の生育診断(肥料があるかどうか)
↑の画像のように、ツルの先端がグッっと持ち上がって下に向いた状態、
ツルの先端が「へ」の字になった状態が維持できれば生育が順調です。
株元が黄色くなってきたら、肥料切れのサインです。
かぼちゃの収穫
品種によりますが、着果後40~60日ほどで、ヘタの部分が白くコルクの様に変色し、果皮はツメが立たなくなるほどに堅くなった頃が収穫適期です。
ちょっとあいまいですね。
ヘタの白いコルク化した部分が、かぼちゃの根元部分がしっかりコルク状迄置いておく事。
注意しないといけないのが、白くコルク化するのが遅い品種もあります。バターナッツや日本かぼちゃは気を付けてください。
収穫後、ヘタの切り口を上に乾燥させておき、粉質系栗南瓜は冷暗所で2週間程置いておくと甘みが増します。
かぼちゃの病害に注意
梅雨明けして気温が非常に高くなった頃、病気が広がり易い時期。また、実を成らせてかぼちゃが弱っています。つまり、果実が成っているため株に負担がかかり弱っているので、病気になりやすい時期なのです。
特に、うどん粉病、疫病にはこの2つは特に注意が必要です。疫病は回避不可です。場所を変えるほかありません。じめじめした圃場でなり易い。フザリュウム菌による土の病気「疫病」になるとかぼちゃはほぼ全滅。腐ります。
また、かぼちゃにはうどん粉病が付きもの。かぼちゃの品種によっては、抵抗性のある品種があります。うどんこ病になると葉が枯れます。そうなると葉っぱが無く果実に直射日光が当たるので日焼け果になります。
日差しが強いときに果実が白く変色し日に焼けて腐ってきます↓画像。
そうならないように藁や新聞紙でくるんでおくとよいでしょう。
疫病は、収穫間際特に梅雨明けの水はけの悪い畑で起こります。また連作によることも多い病気です。収穫直前のかぼちゃがどんどん腐っていきます。
日中に葉がしなびて、夜に少し回復するような症状ですが、土に病原菌(フザリュウム菌)によって起こります。この症状が出たら、防除使用がありません。
手遅れです。あきらめてください。その圃場の水はけを改善し、しばらくウリ科野菜は作らない方が良いでしょうね。
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